Orbit bomber
誰でもいい!あのクソッタレのトンボを落とせ!!
ー第45都市防空高射師団への要請
『チヨダ01よりCP、01.02共に投下ポイント
到着。我らに追いつく敵機なし。』
『CP了解。地上からの迎撃は認められず。目標地点は晴天。絶好の配達日和。チヨダ01.02、投下開始せよ。』
『チヨダ01了解。投下開始する。』
『チヨダ02了解。こちらも投下開始する。』
衛星軌道上から鋼の雨が降ってくる。
質量と重力によってたっぷりとエネルギーを与えられたそれは、炸薬などなくとも落着するだけで甚大な被害を周囲にもたらす。
雲よりも高い空から降る雨に対して、縦横に掘られた塹壕も、コンクリートで固められたトーチカも無力だ。
なんの装甲も持たないどころか、可燃物が密集している工場地帯に降り注げば、その被害は目を覆いたくなる程だろう。
MF/B-08 チヨダ
MF-08 チトセの腕部、脚部ブロックを追加推進・軌道投下複合ユニット「甲型目標投下装置」へと換装した機体
驚異的な機動力で迎撃線を突破し、敵植民惑星の衛星軌道上に展開。
地上目標に対して特殊徹甲弾を投下。
大質量と運動エネルギーによって、如何なる強固な要塞をも粉砕することが可能な軌道爆撃機である。
ベース機となったチトセの良好な運動性能と甲型目標投下装置による加速力に裏打ちされた高機動能力、ビーム兵装に対する防御力、近接防空能力の高さからこの機体の排除は困難である。
一方的に敵後方への軌道爆撃を行い、生産拠点である植民惑星の工場地帯を壊滅させることを目的にこの機体は開発された。
敵後方を脅かすチヨダはある意味最も敵を苦しめた機竜として記録されることとなる。