31話「アルラウネは植物です」
中等部 αクラス
人虎「私がアイドルですかぁ!?」
やはり思ったとおりの反応だった。
しかし、まぁこうも女子ばかりになるものだな。
オーク「ダメブヒ?」
人虎「嫌です」
俺「俺がプロデュースするから」
人虎「やりましょう!」
なんだ、どういうことだろうか。
俺が頼むと皆一発OKしてくれる。
……裏で手でも引いてるのか?
俺「本当にいいのか?」
人虎「だって拒む理由がありませんから!」
オーク「……僕のときは拒んでたブヒ」
しかし、都合良く可愛いというのが運がいいというか、なんというか。
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門星学園 カフェテリア
少し小腹が空いたのでカフェテリアに寄ることにする。
?「こんな時間に珍しいとは思ったけど俺くんか〜、久しぶり」
俺「うん、そういえば最近寄ってなかったですね」
妹「こんにちわー」
この人は、カフェテリアで料理を担当しているアルラウネさんである。
ときにバイトとして大学部のドリアードさんが働いていることもあるが非常に無口である。
アルラウネ「何にする?」
俺「じゃあ豚丼で」
オーク「姑息な嫌がらせ、やめて欲しいブヒ」
間食を手にして一息つくことにした俺はいつもの席に向かった。
俺「あっ。そこタウロさんの席だから左にずれて」
オーク「い、今いないんじゃ……分かったブヒ」
すると丁度いいタイミングでアイドルがTVに映っていた。
俺「……ねえあれは誰?」
オーク「エンジェルズブヒね。ちなみにその隣で手を振ってるのがkemkemoブヒ」
俺「ふーん」
こうしてみると、うちの世界と大差ない気もするな。まあケモミミとか天使が歌っているのは凄いと思うけど。
妹「お兄ちゃんもアイドルに目覚めたの?」
オーク「うちは万年部員募集中ブヒよ!」
知らないよ。
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小学部 γクラス
?「ふぇえ!わたしアイドルですか!?」
また女の子だ。しかも幼女である。
彼女、アルミラージはウサミミをピコピコさせながら赤い目をクルクルさせていた。
アルミラージ「で、でも、なんで、わたしなんですかぁ?」
俺「ウサギだから」
アルミラージ「ウサギじゃないです!アルミラージですぅ!ツノ生えてるでしょ!」
のんびりとした口調でツノをペチペチと俺の胴にぶつけてくる。
やめろ、下手すりゃ刺さって死ぬ。
俺「アルミラージさんの他は鉄鼠、ミノタウロス、人虎が入ってくれたよ」
アルミラージ「そんなこといっても……じゃ、じゃあ条件です。俺くんを呼んでください。俺くんからの頼みならわたし入ります」
俺「俺が俺くんだ」
アルミラージ「ふええっ!?そうなの!?」
こうしてさらに一兎捕まえることに成功した。
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門星学園 中庭
俺「むむぅ……」
妹「どうしたのお兄ちゃん」
俺「竜だよな、次」
俺は生徒手帳を弄りながら話した。
俺「ヨルムンガンドにヒュドラ、バハムートまで調べたけど、皆オスだし人の姿じゃないんだよなぁ……。 なぁこの世界はやっぱり人型の方が受けがいいのか?」
TVには人型の種族しか居なかった。
案の定、オークの答えも肯定を表すものだった。
オーク「その傾向は大いにあるブヒ」
妹「ふーん」
しばし、脳からファイル引っ張って検索しているとある生徒が目に入った。
俺「……お? この生徒なら」
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高等部 βクラス
オーク「ここ俺くんのクラスじゃ……」
俺「ああ、うん。取り敢えず宛はあるけど、あまり目立つタイプじゃなかったからなぁ」
早速、目的の生徒の席へ向かう。
俺「ごめん、ちょっといいか?」
?「……なに……って俺くんだ」
そこにいるのは見た目は美形の高身長の宝塚の男役のような生徒だった。
ただ普段は眼鏡をかけて地味に過ごしている。
俺「そういう君は、カンヘル……さんであってるよね?
カンヘル「うん、覚えててくれたんだ、嬉しいです」
カンヘルは少し顔を赤らめて照れた。
ただ妹が何か言いたげにしていたため、無理やり引っ込ませた。
俺「ところで頼みがあるんだけど……」
ここはなんか妹に任せられない。
なるべく頑張ってみよう。
俺「今度の文化祭で、オープニングセレモニーにアイドル研究部が担当するんだ」
カンヘル「へぇ」
俺「でも頼んでたアイドルグループが来れなくなって……それでスクールアイドルという形でメンバーを募集してるんだけど……」
ここまで言えば事情は分かったらしい、目を伏せて考え込んだ。
カンヘル「……じゃあさ、少しお願いしてもいいかな」
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俺「まさか写真一枚で交渉出来るとは思わなかったな」
オーク「でもおかげで沢山集まったブヒ」
妹「でももう晩御飯の時間だよ」
気がつかなかったが、確かに日が大きく傾いて斜陽が窓から入り込んでいる。
俺「……じゃあ明日また探しましょう」
妹「あとは蛇、馬、羊、猿、鳥、犬、猪だね!」
残りは7人か、なんとか頑張ろう。
アルラウネ:
ドイツの古い伝承に出てくる植物の精霊。童貞が死刑になるときに垂らした尿や精液から生まれるとされ、質問すると未来のことや秘密のことを教えてくれる。そもそも死刑で精液を垂らす意味がわからない。
ドリアード:
ギリシャ神話に出てくる木の精霊。
木を伐採する人間が嫌いだが、何故か美男美少年を緑の髪の女性として誘惑し、木に閉じ込めるといった話もある。
アルミラージ:
イスラムの詩に出てくるウサギの姿をした神獣。体格は普通のウサギより大きめで黄色っぽく、頭には2フィートのツノが生えている。可愛らしい見た目の割りに肉食で人間や大きな獣まで食べると言われている。
ヨルムンガンド:
北欧神話に出てくる毒蛇の怪物。漫画ではない。海の底に住んでいるといわれており尻尾を加えている姿が印象的である、ちなみに毒蛇のため自分の毒で死ぬ。
ヒュドラ:
ギリシャ神話に出てくるドラゴン。
9つの頭をもち、一個の頭を切ってもそこから二つになると言われている。
うみへび座とはこのヒュドラのことを指し、ヘラクレスによって退治された。
バハムート:
プラチナ色の神のドラゴンとされる。
実はもともとは大きな魚だったのだが、TRPGの『ダンジョンズ&ドラゴンズ』によりドラゴンの姿として伝わるようになった。
カンヘル:
中米着土信仰とキリスト教の融合した、天使的性格の龍人である。
コウモリの羽とかぎ爪を付けた姿をしており、権力の象徴ともされる。




