30話「件は人面牛です」
門星学園 廊下
俺「つまりは男女混合ユニットでもいいってことですよね」
オーク「もちろんブヒ。可愛い女の子が歌って踊るのも魅力ブヒが、男の子がかっこ良く踊るのも素晴らしいブヒからね」
なんだ、ただのドルオタだと思ったけど、ちゃんとアイドル研究部してるんだ。
オーク「で、どんなテーマのユニットにするブヒ?」
俺「……テーマ?そんなのいるの?」
オーク「何言ってるブヒ!あんたんとこの世界にもモモ○ロとかモーニ○グ娘とかKi○Ki Ki○sとか関ジャ○∞とか沢山いるブヒ!みんなそれぞれテーマあるブヒ!!」
なんでこいつ俺の世界のところまで知ってるんだよ。
妹「……もしかしてオークさんは日本好きだったりするの?」
オーク「そうブヒ。結構好きブヒ。ここの図書館で日本の本見てから日本のサブカルチャーというものが気に入ったブヒ」
俺「ふーん、じゃあテーマは日本に関係するものでいいか」
妹「そうだね」
日本に関係するものか……
日本妖怪、都市伝説、星座とかもいいかもしれない……日本関係ないけど。
妹「……干支ってどうかな?」
俺「あー、でも干支アイドルってなんかで知ってるぞ?」
妹「……お兄ちゃん、それエロゲでしょ?」
しまった。墓穴を掘ってしまった。
というかなんでこいつも干支アイドルがエロゲネタって分かるんだよ。
オーク「えっと……エトって何ブヒ?」
俺「ほら日本人。説明しなよ」
妹「仕方ないなぁ、日本では12年間周期で毎年1年を動物を象徴させる風習があるの。それが干支って言われる文化」
つまり妹は干支である、ネズミ、牛、虎、ウサギ、竜、蛇、馬、羊、猿、鳥、犬、イノシシのアイドルを作りたいのだろう。
オーク「それは面白そうブヒ!この世界のkemkemoみたいな獣人ユニットブヒ!」
うんそのケムケモとかなんとかっていうのは知らないけど。
オーク「早速探すブヒ!まずは何から行くブヒ?」
妹「ネズミだね……いきなり難問だけど、お兄ちゃんネズミの異種族ってわかる?」
俺「まあな。中学部にいるらしいから行くぞ」
ちなみに、クラスを調べるのは簡単だ。種族の名前を生徒手帳の検索欄に当てるだけだからである。
……もちろん「ネズミ」などのキーワード検索は出来ない、名前で打たないと意味はないのである。
******
中学部 γクラス
?「わたしがアイドル……ですか?」
生徒は日本妖怪である分、人の姿に化けていた。ただネズミ的部分は残っているが。
俺「うん……まあ突然こんなこと言っても困ると思うけど……」
?「……やります。この鉄鼠!やらせてもらいます!」
妹「ええっ!?」
オーク「構わないブヒか!?」
2人が驚くのも無理はない。
彼女自体、かなり美麗な姿をしていたからである。
鉄鼠「……代わりに頼みがあります。先輩」
鉄鼠は手に持った鉄線をスティック菓子のように齧って話した。
鉄鼠「その俺くん先輩にプロデューサーをしてもらいたいです」
俺「俺!?」
オーク「こういう時、オークの自分が憎くなるブヒ……仕方ない、俺くん!アイドル研究部に入らなくてもいいからせめてプロデューサーをしてくれブヒ!」
俺がプロデューサー?
もう何が何だか困惑してきた……
妹「いいじゃん!13のアイドルたちを好きなこと出来るんだよ!」
俺「するかよ!……しませんからね!」
鉄鼠「い、いや。俺くんプロデューサーが希望するなら一肌でも二肌でも……」
こいつもなんなんだ!?
いつのまに攻略してるんだ、俺!?
俺「……というか妹よ。13のアイドルって?」
妹「もちろん猫もいれるよ!」
なるほど。
某少女漫画と同じパターンか。
******
門星学園 カフェテリア
オーク「次は牛ブヒね」
俺「生徒会のは使えないか?」
件を出してみる。
オーク「あの人は少し気持ち悪いブヒ」
お前が言うなと言いたいが、同感だ。
妹「牛……ねぇ、一人しか出てこないや」
ウロス「あっ!いた、日本ちゃーん!!」
ドドドドドドと音を立てながら3m超えの巨体が走ってきた。
妹「言ってたら来た」
妹はすでに慣れてるのかされるがままにされている。
……毎日こんなことされているのか、怖いな小学部。
ウロス「俺くん先輩もこんにちはー」
俺「うん、いつも妹がお世話になってゴメンね。ところで少しお願いがあるんだけど、アイドルにならない?」
我ながら率直に言ったな……
ただのナンパみたいになっちゃったよ。
ウロスちゃんも雷打ったように固まっちゃったし。
俺「妹よ……ゲーム新しいの買ったげるから説明頼むというか、これからずっと妹が説明してくれ」
妹「えっとね、ウロスさん。実はーー」
……妹の説明の甲斐もあってウロスちゃんの硬直も解けた。
ウロス「そ、そっか……でも私みたいな脳筋でいいのかな。牛の種族なら他にもいるじゃん」
俺「だって他のはムサいし、ウロスちゃんが一番いいよ」
ムサいは言い過ぎたかもしれないが、胸もデカイし。
ウロス「うーん、そっか。でも条件与えていいかな?」
俺「なんでしょう」
ウロス「俺くん先輩がプロデューサーして」
……こうしてウロスちゃんのアイドル入りも決まった。
******
門星学園 アイドル研究部部室
オーク「これで2人決まったブヒ、残りは11ブヒ。次は虎ブヒね」
俺「虎か……難しいな、そろそろワービーストに逃げるかな」
妹「それはダメだよ!チートだよ!」
チートが何かとか知らないがもう少し考えてみよう。
……。
…………。
俺「白虎と開明獣しか出てこねぇ」
妹「ズーフィリアにしか受けないよ、それ!?」
妹のツッコミは軽く流すとする。
俺「あと人虎」
オーク「なにブヒ?ジンコ?」
俺「ワービーストつったらワービーストだけど、ちゃんと伝説もあるぞ?人虎伝とか言ってだな……」
そして、俺は誰も聞いてない話を20分間ぐらいして人虎のいるクラスへ辿りついた。
鉄鼠:
平安時代に頼豪の怨霊とネズミにまつわる妖怪。人の家に入り鉄をかじると言われている。滋賀県の妖怪で実は僕も滋賀県出身。
ワービースト:
獣人を引っくるめた言い方。
つまりはケモっ娘は全てワービーストととして括られる。ただ動物が違いワービーストとしてカウントされないため門星学園には多くのワービーストがいる。
白虎:
中国の四神のうち西を守る虎の神獣。
細長い身体で白い虎の姿をしていると言われている。ちなみに、白虎のWikipediaのページにはホワイトタイガーの説明もある。
開明獣:
中国に伝わる神獣。
今作では虎の姿に人の頭をしている。
天界の王が住むと言われている宮殿で、9個ある門のうちの開明門を守ると言われている。
人虎:
虎の姿、または虎と人間の半獣の姿になると言われている、虎憑きとも言われている。山月記は人虎の出てくる人虎伝を元にした作品とも言われている。




