2話「ラミアは睡眠をとりません」
門星学園 園庭
俺「…すごいな、こんなとこ本当に入れるのか?」
ドン!
?「あ、すいません。」
俺「あ、いえ…ん?」
…ゴロン
?「あー、腕落ちちゃいました。」
俺「……。」
?「この手嵌めてくれませんか?自分で嵌められない…どうしました?」
俺「あ…いえ…えと、もしかしてドールガールですか?」
ドール「あ、はいドールです。」
俺「あ、そうか…びっくりした…」
ひょい
バシッ
俺「うわぁっ!?」
ドール「あ、すいません。腕の部分じゃなくて手首の方もってくれますか?くすぐったいです。」
俺「……。」
パコッ
ドール「あ、はいありがとうございます。では。」
ぺこ
……
俺「…ほんとに人外だ」
ドカドカ
俺「ん?あれは…イフリートとコカトリス?ってかコカトリス、人の姿してるし。」
イフリート「くお…結構…強いな。」
コカトリス「石にしてもいいんだぜ!?」
イフリート「この…ヒキガエルがっ!」
コカトリス「なっ…!?カエルをバカにするなぁーっ!」
イフリート「甘いっ!」
ビューッ!
コカトリス「あ。」
イフリート「あ。」
俺「…え。」
ドカーン!!!
俺「ちょっ!えっ!飛ばされてるし!や、やばいて。死ぬから、悪魔の戦いに巻き込まれておいて死なない方が可笑しいから!」
?「ふんふーん♪」
俺「うわ!どいてどいて!」
?「え?」
*******
小学校 通学路
妹「…グスッ…グスッ」
妹友達「どうしたの?」
妹「ううん、えっとお兄ちゃんがね。遠い高校に行っちゃったの。でしばらく帰ってこないから…」
妹友達「そっか…大丈夫?楓ちゃんの家ってお兄さんと二人暮らしだったもんね…一人で大丈夫?」
妹「うん、平気だよ。」
妹友達「そうだ、良かったら今日うちに泊まらない?」
妹「ええ!?でも迷惑じゃないかな。」
妹友達「そんなことないよー。話せばお母さんも分かってくれると思うし。」
妹「んー。じゃあもし大丈夫なら泊まらせてもらうよ。」
妹友達「…フフフ」
妹「なに?キモいよ?」
妹友達「キモいて…いや、あのさ楓ちゃんはほんとお兄さんのことが好きなんだな〜ってさ。」
妹「す、好きなわけではないよ!なんかねほっとけないの、あの人私がいないと何もできないし…」
妹友達「なんか奥さんみたいだね。」
妹「もうっ!」
********
門星学園 昇降口付近
俺「…いてぇ。下手したら死んで…」
?「うぅ〜。痛いよぅ。」
俺「あ、ゴメン!(…蛇?じゃあラミア!?…でもさっきのコカトリスもだけど敵意はなさそう。)」
ラミア「あ!ねぇ君怪我してる!」
俺「あ、ほんとだ。まぁこれくらい舐めとけば治るし。」
ラミア「ダメだよ、そんなのあまり効果ないし。待って傷薬あるから…あ、でも種族違うの効果あるかな…ふわわわ…」
俺「(な、なんか可愛い。)」
たったったっ
コカトリス「大丈夫か!?」
俺「あ、うん、大丈夫」
イフリート「悪かった。実は別種族を見て力比べをしたくなってな。競い合っていたというわけだ。」
コカトリス「俺たちは、高等部のα組だから、またなんかあったら来てくれ。代償としてだが相談があれば乗ろう。」
俺「(いい人たちだ!人じゃないけど。)」
キーンコーン
イフリート「あ、じゃあこれで。行くぞ。」
コカトリス「あぁ、じゃあまたな。」
たったったっ
ラミア「じゃ、私たちも行こっ!」
俺「ちょ、うわっ!引っ張らないで!ってか力強っ!」
ラミア「えぇ!?女の子に向かって酷い!」
説明
ドールガール:
特に伝説とかはない
人形のように白い肌で関節がしっかりしていないため、衝撃を受けると外れる。
外れた関節も触覚はある。
コカトリス:
雄鶏とトカゲを合わせた姿
雄鶏から生まれた卵を蛇やカエルが暖めたら
生まれると言われる。
飼い主の家の人から血を喰らい殺す。
触れたり息をかけることで石に変えたりもする。
イフリート:
イスラム教でいわれる堕天使
魔法のランプの精である。
性格は獰猛で短気、アダムに背いたことで天界を追放されたとされる。
ラミア:
ギリシャ神話でいわれる怪物
ポセイドンの孫で呪いをかけられて、
半身蛇の姿に変えられた。
子供を誘拐して食らったりするといわれている。