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14話「スライムは弱いとは限りません」

門星学園 カフェテリア


ラミア「ん?あ!妹ちゃーん!」


妹「あ、ラミアさん!」


やっぱりいた。

でも、お兄ちゃんが見当たらない。


妹「あれ?お兄ちゃんは?」


ラミア「あぁ、タウロさんと食べ物取りに行ってる。」


ラミアさんはフォークをゆで卵に刺しながら教えてくれた。


妹「そっか。じゃあ私たちも一緒にいいですか?」


すると、ラミアさんは目をキラキラさせた。

よく見ると爬虫類特有の蛇目なんだなぁ…


妹「おー!妹ちゃん友だちもう出来たんだ!ええよええよ、座りなー。」


…………………

………


一方


タウロ「そんな程度でいいのか!?」


タウロさんは右手に4皿左手に4皿、さらに器用なことに背中には8皿も乗せている。しかも、全部サラダだ。


俺「俺は人間だし、そもそも食べる量が違いすぎる。」


タウロ「ひぐっ…痛いところをつくな全く。」


別に種族の違いなのだから気にしなくても良いと思うんけど。


俺「ところで気になっていたのだが…」


タウロ「?」


俺「人参は食べないのか?」


馬といえば人参だし、よくケンタウロスの出てくる漫画では人参を好む描写がある。


なのに、皿には一切人参が入っていない。


タウロ「…じ、実はだな。恥ずかしいのだ。確かに人参は大好物だ。しかし、人参ばかり食べてると、からかわれたりはしないだろうか…?」


そんなことかい。


俺「そんなの、ラミアさんはどうなるんだよ。あの人卵ばっかだよ、コレストロールマンになっちゃうよ。」


タウロ「あいつは、蛇に近いから。」


俺「あんたも馬に近いだろ。」


タウロ「うっ…」


墓穴を掘ったな。しかも、めっちゃわかりやすい穴。


俺「さて、戻るぞ。」


タウロ「あ、あぁ!そうだな。」


すると、そこにオオカミが走ってきた。

さすがオオカミ。早い。


俺「どうしたオオカミ忙しそうにして。またラミアさんがなんかやらかしたのか。」


オオカミ「いや、普通に食べる場所が変わったから案内に来ただけだ。」


ふ、普通に?


俺「その割りには、かなり早かった気がするが」


オオカミ「あ、いやー。俺、狼男だから身体能力高い方だし…時速20kmくらいなら。」


タウロ「ちなみに、私は55kmが限界だ。ものによれば早いのもいるが。」


さすが馬と狼だ。


……………

……


門星学園 テラス


オオカミ「ここだ。」


タウロ「おお、こんなところがあったのか。」


テラスの床は全面芝で埋め尽くされており、そこからは空には数少ない雲と球場らしきものが見える…多分グラウンドだろう。

この学校なんでもありだし。


ラミア「あっキタキタ。」


妹「あ、お兄ちゃん。」


俺「よっ。ってあれ?」


ふと見るといつものメンツの他にも様々なやつが増えている。


ウロス「あ、どうも。日本ちゃんとは仲良くさせてもらってまーす。ウロスって呼んでください。」


ウロス…危ないな。タウロさんと名前が被るところだった…。

彼女は…ミノタウロスかな。だからウロスね。


タウロ「…デカい。」


まさかのタウロさんが困惑している。


ラミア「そうだよね。ここまで来るともう埋まっちゃうよね。」


妹「ってか埋まったんだけどね。」


ウロス「いや、私身長2.5mほどですし、ケンタウロスの先輩ほどでは。」


なんで皆同じ勘違いを起こすのか。

しかし、これは殺人サイズだ。

130センチの妹くらいなら簡単に埋れてしまいそうだ。


ヴァンプ「胸重くないのか?」


お前が聴くべき質問ではないと思う。


ラミア「ヴァンプ…最低。」


ヴァンプ「えっ!?なんでなんで!」


すると制するようにウロスちゃんが出てきた。


ウロス「いいですって先輩方。確かに、凄く重いです。片方だけでも40キロはありますけど胸筋が鍛えられてますので!」


真面目に答えてくれるのも、どうかと思う。


妹「そうなんだ。なら水泳とか得意なの?」


ウロス「えっと…大きいので水の抵抗が強くて。」


なるほど。


タウロ「そうか、人型は不便だな。」


ウロス「先輩は大丈夫なのですか。かなり大きいですけど。」


多分これは胸のことだろう。


タウロ「さらに大きい人に言われると腹が立つが…私は立ち漕ぎだからな。」


そりゃそうだ。

逆にタウロさんがクロールをしているところを想像をできない。


続いて、隣の子が話し始めた。


エルフ「私は見ての通りエルフでーす。お兄さん!」


俺「は、はいっ?」


突如改まった態度をされたので、こちらも反応をしてしまった。


エルフ「妹さんを私にください!」


なにをいってるんだこの子は。


…キマシ?


妹「ちょっちょっと!」


俺「…うーん。俺に決定権はないけど、別にいいんじゃないか?」


正直面倒だし、いいや。


エルフ「やったー!お兄さん公認ゲット…」


ダーエル「バカかーっ!」


エルフ「あべしっ!」


…痛そうだ。

今度は、ダークエルフか…たしか俺と同じ新生徒だよな。


俺「珍しいな。ダークエルフとエルフが一緒に行動をしてるなんて。」


妖精「まあ、目的が同じだからね。」


妹の鞄から出てきた小さいのが出てきた。

この子も生徒なのか?


ラミア「あっ可愛い!」

タウロ「あっ可愛い!」


ラミア「えっ?」


ふと見ると、タウロさんが明後日を見ていた。


オオカミ「…気にしてやらない方がいい。」


仕方がないので放っておくことにした。


俺「ところでさ。お前、女友達しか作ってないのか。」


他の生徒を見渡しても男の子がいないようだ。


妹「うーん。別に男友達いてもいいんだけど。偶然…ね。」


ウロス「でも、小学部はイケメン少ないですし。」


イケメン関係無い気もするけど。

まあ、仕方がないのかもしれないな。


エルフ「まあ、私は男には興味ないですから!」


恋愛とかじゃないんだが…


ダーエル「でも、男自体はいるぞ。しかしなぁ…男らしくないのだ。」


ラミア「別にいいんじゃないかな。俺くんだって可愛いし。」


ん?


俺「複雑な気分なんだけど喜べばいいのかな。」


妹「笑えばいいと思うよ?」


そんなアニメ台詞みたいなこと言われても…

…ごめん、笑えないや。


すると、ヴァンプが切り出した。


ヴァンプ「それってどんな子なんだ?」


代表して答えたのはウロスちゃんだった。


ウロス「コボルトくんとか、他あと妖精の…えっと…ス、スプ…」


俺「スプリガン?」


というか、スプから始まる種族なんてスプリガンくらいだし。


ウロス「そう!…でも情けないんですよね、なんか。」


ヴァンプ「うーん…そうかー。」


珍しくヴァンプが悩んでいる。

意外なこともあるものだと思っていると。


ヴァンプ「…おい、オオカミ。コボルトとかスプリガンって何だ?」


それかい。


オオカミ「それなら俺くんの方が詳しそうだが?」


俺「…えっと、コボルトは犬と人間のハーフみたいな感じ。ただオオカミくんみたいに人から獣に変化するわけではなくって、元から毛皮が生えてて…難しいな。」


妹「スプリガンは?」


俺「スプリガンは巨人に変化する妖精。自由に姿が変えられるんだけど…残念ながら主には醜い姿をしているって言われてるんだよね。」


一通り説明を終えると、感嘆の声が漏れるのが聞こえた。


ウロス「へえー!詳しいんですね。」


俺「まあこの分野は得意なんだ。」


あまり褒め慣れていない僕は、少し照れ臭くなって俯く。


ダーエル「しかし、どちらもあまり好ましくない印象だな。」


うーん…流石に、種族否定されるのは可哀想だな。


俺「そんなこと言っちゃダメだよ。コボルトだって大きな鉱脈を持ってるからお金持ちなんだよ。コバルトってコボルトが語源だし。」


妖精「…!」


取り敢えず、長所を述べる。

鉱脈の下りでなにやら小さい影が反応した気がするがまあいいや。

放っておこう。


俺「スプリガンも山に隠した大きな宝を守るために巨人の姿をしているんだから。…って全部お金関係だね…ごめん。」


しかし、意外なことに食いついた子が一名…。


妖精「…転校生ちゃん!仲良くなりに行くよ!」


妹「へっ!?なんで急に。」


現金な子だな…。


タウロ「さて、もう時間だぞ。戻ろう。どうせホームルームだけだ。」


俺「あぁ。じゃあなカエ…妹よ。」


あ、危ねぇ…

なかなか慣れなさそうにはないな。


妹「うん、お兄ちゃん。」

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