12-1話「兄は大変です」
あれから2日が経ち、ついに最初の授業と妹の転入が始まった。
門星学園 初等部βクラス
緊張するなぁ…
周りに人間がいないんだもんね。
でも!しっかりしないと!
先生「じゃ、入ってー。」
先生の呼ぶ声が聞こえる。
早速向かおう。
妹「し、失礼します!」
ガラガラと扉を開け、教壇に立つ。
そして、黒板に名前と種族を書く…
……………
二日前 門星学園 学園長室
俺「種族って、つまり住んでいる集団や体質も関係して来るんですよね。」
学園長「ほう、なんでそう思ったの?」
俺「今年、ダークエルフも入学したじゃないですか、でもエルフもいると聞きます。でもダークエルフも闇堕ちしたエルフなのだからどちらも実質的にはエルフなんですよ。」
学園長「うんうん」
俺「それに、俺のクラスの悪魔くんだって、なんの悪魔かはっきりしていないじゃないですか。サキュバスも悪魔ですし、俺の仲の良いヴァンパイアくんだって言わば悪魔に属します。」
学園長「おお、よく気がついたね。」
俺「なら、この俺の考えも通るはずです。」
学園長「…教えて欲しいな」
俺「その種族は…」
今 門星学園 初等部βクラス
お兄ちゃんの決めてくれた種族、正直言うともっと別のが良かったけどね。妹代表とか。
妹「私は、地球連合からきました。種族は『日本人』です!」
…………………
…………
門星学園 高等部βクラス
ラミア「なるほどそっかー。日本人ね。」
ヴァンプ「上手いこと考えたな。同じ種族でもその細かい部分で決めるという発想はなかったな。」
アイディアを絶賛され、つい照れてしまう。
俺「まぁ、半分無理矢理だけどね。」
すると予鈴がなり始めた。
オオカミ「おい、授業だぞ。」
ヴァンプ「ああ悪りぃ。」
ラミア「タウロさん。最初の授業って何かな。」
タウロ「自分で調べろよ全く。数学だ。」
なんだかんだ言いながら教えるタウロさん。
でも、門星学園の授業ってどんなのなんだろう。
騒がしい教室も静まって行く。
先生「はーい、座ってー立ってー気をつけーれー座ってー」
くっそ雑な挨拶をしたのは…スライムさん人間ver似のプルプルした液体状の女の人だった。
…もしかして、国語以外の5科目は四精霊か?
先生「はーい。数学担当のウンディーネでーす。アンディって呼んでね。」
クラス皆スルーをしたが、そのまま授業が始まった。
最初の授業定番の『せんせー、彼氏はいるですかー。』は無いようだ。
それにしても…
ウンディーネ「秒速10mのケルベロスくんが…」
ウンディーネ「24匹のキジムナーは…」
ウンディーネ「皆のために命を犠牲にしたたかしくんは…」
簡単過ぎやしないか?
しかし、周りを見てもこの高校レベルを下回っている勉強を気にするものはいない。
それどころか隣を見ると…
ハーピー「…んぐぐ」
鳥頭が悩んでいた。
ラミア「え、えっと」
蛇も悩んでいた。
……………
……
一時限目終了
ラミア「難しかったね。」
ハーピー「うん…あんなのわかんないよ。」
気になったので二人を試すことにする。
俺「あのさ、俺の世界には九九ってのがあったんだが。」
ラミア「あ。わたしのとこにもあるよ!」
なら話は早い。
俺「じゃあ7の段。」
ラミア「え!え、えっと、しちひちがしち…」
ん?
俺「まて。もう一回だ。」
ラミア「え?おかしかった?…んーと、しちひちが…」
…これは酷い。
俺「ハーピーはどうだ?」.
ハーピー「うん。出来るよ。」
俺「2の段」
ハーピー「にくじゅうはち。」
…え
俺「過程全部飛ばし…?」
ハーピー「え?いやいや分かるよ。分かるけどそんなのいらないし」
いるだろ…
仕方が無い。
俺「教えるから、ノート貸して。」
ラミア「えっ?」
最初、驚いた顔をしていたがすぐに渡してくれた。
俺「いいか?取り敢えず足し算があやふやだと思うから…」
タウロ「お、俺くん!」
後ろから凛々しい声が上がる。
俺「えっ?どうしたの?」
タウロ「私にも、教えてくれ!」
俺「…え?でもタウロさん賢いじゃん。複素数とか乱数とかも分かるでしょ。」
以前そんな話を聞いた。
タウロ「あーいや…そ、そうだ!私も勉強を手伝うというのはどうだ?」
俺「あぁ助かる、ならラミアさんの相手をしてよ。」
ラミア「…へ。」
どこからか変な声が聞こえたが無視しよう。
問題は、鳥頭にどう教えるかだ。
…んー。好きなものと結びつける作戦で行くか。
俺「ハーピーさん。好きなものある?」
ハーピー「んー。食べることかな。」
俺「じゃあさ!リンゴが30個あって、それを17個食べたらいくつになる?」
ハーピー「えっと…13個食べるから0」
答え出てるのに間違えてるーっ!
俺「13でいいんだよ!」
ハーピー「ええっ!13個どうなるの!?腐っちゃうじゃん!」
もうこの人このままでも良いんじゃないかな。
一方。
タウロ「次っ!3の段だ!」
ラミア「え、えっと。さんいちがいち、さんにがろく、さざんが…」
タウロ「気持ちが篭ってない!!やり直し!」
ラミア「九九の気持ちってなんだよーっ!」
……………
……
二時限目 国語
ケットシー「じゃあにゃ、『まさか〜ろう』を使った文を教えるにゃ。じゃラミアさん。」
どうせ、金太郎だろうな。
ラミア「は、はいっ!えっと…マサカズってだれだろう。」
上回ったよ。
ケットシー「惜しいにゃ。じゃあ正解は『まさから生まれたまさかろう』にゃ。」
………。
ケットシー「冗談にゃ。じゃオオカミ君。」
オオカミ「まさか、だれも先生がスベるとは思っていなかっただろう。」
ケットシー「…次にゃ。」
ごめん、先生。
これはフォロー出来ない。
……………
……
二時限目終了
俺「オオカミ君ここの言葉不思議なんだけど。」
オオカミ「みんな思ってるよ。」
ですよね。
………………
……
三時限目 化学
シルフ「いやーここまで体が小さいとさ。チョークを持つのも大変なんだよねー。」
…そうですか。
シルフ「ぶっちゃけ、化学なんて使わないよね。将来。」
…わかったので授業を進めてください。
タウロさんがブチギレそうです。
………………
……
三時限目終了
タウロ「結局、なにもしなかったじゃないか!!」
ラミア「な、なんで私に怒るの?」
………………
……
四時限目 政治
今回は多分ノームだろう。
なら多分教えてくれるはずだ。
サラマンダー「おっれだー!!」
外れました。
サラマンダー「俺はサラマンダー!昔、ヤリマ○などオマ○コなどほざいてる奴がいたが、そいつはハイになって卒業したぞ!」
ハイじゃなくて灰なんだろうな。
サラマンダー「いいか!この世界はこの門星学園が軸になってんだ!でも、主に政治を運営してるのは窓から見えるあの城だ!」
あれ?思ったよりまともかも。
サラマンダー「ちなみに少し歴史の授業となるが、この国に住んでいる人は元から学園長が世界を創造したときに作った…俗にネイプシーと呼ばれる人たちだ!向こうはこちらに敬意を表しているが、もちろん、普通の一般人だから対等に接しても問題はないぞ!」
マシンガントークか。
………………
……
四時限目終了
俺「ほとんど聞いてなかったんだけど。」
タウロ「…簡単に言えば、あれだ。学校は中心。政界は城ということじゃないか?」
そこに気の抜けた声が聞こえてくる。
ラミア「そんなことよりお腹がすいたよ。ねえ、今日はどうするの?」
俺「部屋で自炊する。」
ラミア「えー、でも料理できるの?」
俺「妹が出来る。」
ヴァンプ「あー、妹ならさっき他の生徒とカフェテリアに行ってたぞ。」
俺「…マジデ?」
タウロ「いつも通りということで決まりだな。」
俺「そ、そんな。」
ここは腹を決めるべきなのか。。。
久々に新モンスターが出て来た気がする。
サキュバス:
夢魔や淫魔と呼ばれる女性型の悪魔。
睡眠中の男性から精を奪う。
主に相手の理想像になるというが、主に赤い瞳に褐色が多いらしい。
ウンディーネ:
四精霊のうち水を司る精霊
主には美しい女性の姿で描かれる。
多くの禁忌があるらしい。
これは筆者の見解だが、水関係のモンスターは人間との悲恋劇が多い気がする。
キジムナー:
沖縄周辺で伝承されてきた樹木の精霊。
沖縄の代表妖怪として多くの民芸品がある。
赤い髪に枝のような手足で結構かわいい。
シルフ:
四精霊のうち空気を司る精霊
目に見えないとされているが、今作では妖精のような姿。
ちなみにシルフと検索すると、少女漫画の公式サイトが出てくる。
ノーム:
四精霊のうち大地を司る精霊
主に地中で生活しており、容姿は老人の小人
手先が器用で知能も高く、優れた細工品を作る。
サラマンダー:
四精霊のうち炎を司る精霊
主には手に乗るようなドラゴンやトカゲの姿をしているが、今作では人型のドラゴニュートということにさせてほしい。
炎の中や溶岩の中に住むと言われている。




