第九話 死の山に影の主
長く続く旅路、その間もシュクアはいくつかの修練を重ねていた。軽く刀を振るって型を、悪魔の知識にある技術を試す様にする……そんな彼の横では、シュクアの掻き出した魔法陣を研究するガテムの姿がある。
「少しよいか」
体術に於ける型を繰り返すシュクアにガテムから声がかかる。それを受けてシュクアは軽く額に浮かぶ汗を拭うと、彼の横に腰を下ろした。
「見たことのない魔法陣、こっちの魔法陣は"現す"と言う意味じゃない。しかしこっちの術式がわからぬ……その上で、ここの空白は何じゃ」
一つ一つ、筆で指し示す老兵。その質問に答える様にシュクアは指にて示すと答えていく。
「これは魔法の複製。こっちの陣は数を、空白のところに複製したい魔法陣を描くことで、指定した数の魔法を同時に発動出来る」
「なるほど……しかし、その分消費も増える。人間の能源量では満足に扱えぬな」
本来、弱小種たる人間の持つ力には限りがある。普通の人間では簡単な魔法であっても、同時に複数発動することはほぼ不可能。
「それともう一つ、そっちの魔法陣は?」
「本質を意味する魔法らしい。扱う魔法の段階を引き上げることが出来る」
「魔法の段階? それはより拡大、あるいは書き換えた術式が必要なはずじゃが?」
「厳密には段階を上げると言うよりは、より濃縮しすると言うべきだと思う。俺もどう言う原理からまだわからなけど、指定した魔法の密度を高めてより高い効果を……つまるところ擬似的に階級を高めているんじゃないかと」
なるほど、と……老兵は深く頷く。より洗練された魔法陣を用いることで魔法の効力は増す。それを凝縮することで、限定ながらもその効力を高めることが出来るらしい。
完全な上位互換とまではいかないものの、工夫すれば基礎的な魔法でも高い効力を持ち……また最上位の魔法を用いればこれまでにない高い次元でその力を発揮できる。
「しかしこれもまた力を一点に閉じ込める分、より多くの力と高い制御技術が必要になるのう」
より多くの力が必要になるのは言わずもがな、押し留められて暴走しようとする魔法を御する高い技量も要求される。
理論上可能であっても、やはり人間の水準では机上論としか言いようがないだろう。
「しかし、ふむ。工夫次第では如何様にも化けよう」
再び白紙の羊皮紙に何かを書き出していくガテムを尻目に、再び離れた場所で自己練習の戻る。そんな彼の様子をリリィスが目を細めて見ていた。
「そろそろ夜も更ける。私が最初の見張りを務めるから、二人は寝た方がいい」
刀を鞘に一つ頷くと、シュクアはそのまま横になった。遅れてガテムも片付けを終えると、焚き火を囲む様にして体を横たえる。
間も無く夜の帳が降り、火の消えた闇の中でリリィスが鋭く周囲へと視線を向けていた。
翌朝、ガテムの案内で町の一つへと足を運ぶ。どうしてここで物資を補給しておきたいと言う彼の言葉に賛同して、リリィスを上空に待機させて二人は町の中へと入っていった。
「何かがおかしい」
街に入る前から異様な雰囲気を感じて静かに二人が得物を抜き放つ。ゆっくりと警戒する様に馬を歩かせて町の門を潜れば、その違和感は最悪の形で的中していた。
「人の山だ」
少し離れた場所を歩くガテムの言葉に振り返れば、立ち並ぶ家の向こうにソレが見受けられる。人の、その屍で築かれた禍々しい山だ。
何よりも目を引くのは屍の山を取り囲む様に敷かれた炎の陣で、その大部分が屍によって隠されていてわからないがまともな術式でないことだけは理解できた。
「おかしい。これだけの大虐殺をしていて、周囲にはまるで被害がない」
物陰から屍の山を警戒しながらも、ガテムが周囲の状況を口にした。確かに屍山の規模からして町の住人を皆殺しにすたような数で、だと言うのに街中は殆ど荒らされた痕跡が残ってなかった。
「兎に角、ここを離れた方が良さそうだ」
「同感じゃ」
馬の向きを変えて街を出ようとする二人。そんな彼らの前に霧が立ち込め──否、霧でなくそれは暗い影の壁だ。
「おやおや、こんな辺境まで足を運んでもう帰られますかな?」
冷たく抑揚の感じられない声は聞く者全ての根拠のない不安を抱かせ、影の中から現れた長髪の男が浮かべるのは人の良さそうな笑みだ。
──なんだ、こいつは……
一目で分かった。──この人間は、あるいは人間でもないのかも知れないがそんなことなどどうでもいい。
目の前にいるこいつは明らかに異常だ。これだけの惨劇が起きた街で、本来であれば警戒して気配を殺す中……まるで隠そうともしない軽い足取でありながら、得物を持って警戒する人間へと躊躇なく近づく。
一切の武装もせずにそうするのは相当な馬鹿か、或いは自身の力を微塵を疑わない姿勢の現れだろうか。少なくともシュクアは彼の言動が前者から来るものだとは思えなかった。
「お初にお目にかかります。私は『影主』スキアー」
胸に手を置き恭しく頭を下げる男。得物を持つ人間から目を離す愚行、シュクアの動きは早かった。
「走れ!!」
炎の槍を三本、男目掛けて撃ち放つと同時。二人は馬を走らせて男と反対側へ向けて全力で駆け出した。
そんな彼らの背後、シュクアの放った炎槍は男の体を確かに貫いて……しかし、それは霧を払う様に透き通った。
「奴はなんだ!?」
「影主……全く、面倒な奴と鉢合わせたものじゃ!」
振り返ればその奴の姿はなく、気がつければ二人の四方を黒い霧の影が包み込んでいる。やむを得ず足を止める二人の眼前、それは影の中から姿を現す。
「これは随分な挨拶でありますね」
「狂人風情が何を言う? 目を見れば貴様の狂気はすぐに分かることだ」
刀の切先を向けてシュクアが唸る様に言う。前世に於いてかつて見た狂人と、悪夢に座する本物の狂気を──それを知っているからこそ、彼は疑うことなく影主に攻撃を仕掛けた。
「それは随分な良い様。私は貴方の気に触れる様なことをした覚えはありませんねぇ」
「それが分からないから狂人と言っているのだ」
あれだけの大量虐殺。彼と言う証拠はないが、その目を見た時からシュクアは確信していた。──そして他でなない影主自身も、それを隠そうともしていない。
「どうしてそうも武力に訴えるのです? 折角言葉というものを持ちながら、どうして人は他者を傷つけるのでしょう?」
「くだらない問いかけだ。人の皮を被った化け物が人の言葉を話す……それを誰が信じるんだ?」
再び炎の大槍を三本、それを頭上に掲げてシュクアが臨戦体制を取った。周囲では彼の力に呼応するように巨大な岩が無数に浮かび上がっていて、普通の人間であればそれだけで戦意を喪失するはずだ。
「実に素晴らしい! その若さでそれほどまでの力……さぞ、王はお喜びになれるだろう」
しかし影主はまるで怯んだ様子はなく、寧ろシュクアの力を称えほどの余裕すら見せた。
「その高慢諸共打ち砕いてくれる」
直後、無数の岩が影主目掛けて殺到する。無論、それで潰れるほど与し易い相手ではない。
黒い霧に変化した影主は後方へと回避、まるですり抜けるようにして岩の雨を躱す。
「距離を取ったな」
シュクアの低い声と同時、大槍の一つが黒い霧目掛けて放たれた。──黒い霧の中、無機質な目がこちらへ向けられたと思った直後、炎が爆ぜた。
耳を劈くような轟音と地面を揺るがすほどの衝撃、熱風だけで全身が焼けそうになる程で二人の乗っていた馬がそれから逃れようと走り出す。
「このまま街を出るぞ」
狂ったように駆け出した馬を止めようともせずに、寧ろその足で街の外まで駆け抜けようと走り出す。後方では未だ半球状に爆炎が膨れ上がっていて、振り返ったシュクアが駄目押しにと残った二本の大槍を打ち込んだ。
「グッ……」
ふと目眩を感じて馬から落ちそうなり、それを辛うじて耐える。今の力の大部分を消費し、その消耗に堪え兼ねたのか身体に力が入らない。
──しかし、手応えはないな……
後方では未だ衰えぬ炎がその熱気を増して、渦巻く火柱が立ち上がっている。とても生き残れているとは思えない光景だが、きっとこれでも大した負傷は与えられていない。
「頑張れ、もうすぐ橋を渡り終える」
途切れ途切れになりそうな意識を繋ぎ止めて馬に揺られて、それでも最後の力を振り絞るようにして術式を構築する。
狙うのは足元、渡り終えた橋が一瞬撓んだかと思えば、石造の橋が強大な力に押し潰されるようにして崩れ始めた。
──まずい、な……
もう意識も保っていられなくて、それでも何とか落馬しないようにしと馬の首に寄りかかるようにして身体を倒す。
霞む意識の中、巨大な影が降りてくる光景だけがぼんやりと見て取れた。
どれほどの時間が過ぎたのか、自分が寝かされていることに気がつく。未だ力の入らない身体に鞭打ち、意識が落ちる前の出来事を思い出すと飛び上がるように起きた。
「う、ぅん……」
しかし上手く身体に力が入らず、素早さと無縁の重鈍な動きで身を起こすのみ。目眩を感じながらも上体を起こして、そうして近くに見える巨大な影が視界に入った。
「──っ!?」
術式を構築……しかし思うように術式は働かず、どこからか力が抜けていくような感覚と共に、術式は構築されずに崩れていく。
「落ち着いて」
嗜める様な、それでいて慈しみを持った優しげな声。酷く聞き覚えのそれを耳にして、シュクアは確かめる様に目を細めた。
「お前、何のか?」
巨大な影、それは他でない白龍リリィだった。
「私以外の何に見える?」
「いや、済まない。気が動転していてな」
近くにリリィがいるという安心感からか、両手を地面について身体を支えると再び周囲を確認する様に視線を彷徨わせる。
「無理もない。貴方は過度な魔法の使用で力尽きていた」
「…………ガテムは?」
リリィの言葉に頷きながらも、老兵の姿が見えないと確認する。そうすれば彼女は顔を遠くに向けて、そうして一つ目を閉じた。
「すぐ、戻ってくる。貴方が寝ている間、彼が周囲の警戒をしてくれていた」
再び横になったシュクアの頭上、白い龍が覗き込む様に頭を伸ばしてくる。透き通る様な青白い瞳に覗き込まれ、シュクアが顔を顰めて押し返す様にして手を伸ばす。
しかし悲しいかな、リリィの頭は相当に高い位置にあるのか寝たまま腕を伸ばしたところで届くはずもなく、仕方なしと顔を横に向けて目を合わせない様にした。
「貴方は、どうしてそう無茶をする? そうなる前に私を呼ぶべきだった」
またしても優しく責めるようにそう言われて、シュクアは眉間に皺を寄せる。
「お前が人目に触れるのは良くない」
「それで、倒れるまで魔法を使ったのか? 何よりもあれだけ派手に暴れれば同じこと。しかも……」
そことで一度言葉を切ると、リリィは更に顔を乗せてシュクアを覗き込む。
「意識を失うほどの強大な魔法の行使。無防備を晒すだけに止まらず、まともに戦えない貴方に気を使いながらながら……貴方の分の馬も操作してガテムは逃げなくてはならなかった」
確かに彼女の言葉は正しい。ガテムは足手まといを連れてあれだけ強大な敵から逃げなくてはならなかったのだ。
「でも、あいつに中途半端は攻撃は効かない。足止めをするにしても、他に方法がなかっただろう?」
「本当にそう思うのか? あれが最前であったと? 確かにあの影主は追ってこなかった。──でも、それにしても貴方はもっと力の使い方を学ぶべき」
返す言葉もなく黙りこくるシュクア、そんな彼等の間にある沈黙は一つ足跡によって終わった。顔を上げ、薄闇の奥に目を凝らせば馬に乗った老兵がこちらへと向かってくる。
「ほう、存外早い目覚めじゃな」
どこか感心するようにそう言う老人に、シュクアは一瞬開きかけた口を閉じて目を伏せた。
「先のことに関しては儂からも言いたことは山々じゃが、今更詮無いことじゃ。とりあえず、お互い無事に逃げられたことを喜ぶべきじゃな」
一つ息を吐き出すとシュクアもまた、老兵の言葉に頷く。見上げれば一晩寝ていたのか、太陽が地平から顔を出そうとしていた。
「今日中に少しでも距離を稼いでおきたい。いけるか?」
ガテムの言葉に頷き、立ち上がる。先程よりは幾分かマシになったと、気をよくすると刀を腰に付けて馬の下へと足を進めた。
「──っ!」
しかしその直前、馬とシュクアの間に割って入る様にして何かが落ちてきた。驚いた馬が嘶き逃げようとするが大木に縛り付けられていて動けない。
反対に顔を腕で覆って跳び退いたシュクアは落ちてきたそれの正体を知り、睨め付けるようにしてリリィへと視線を向けた。
「何のつもりだ?」
馬とシュクアを遮る様に置かれた強靭な尾。それは他でもないリリィのもので、彼女の行動にはさしものガテムとて驚愕に目を見開いて固まっていた。
「全く、貴方と言う人は……」
ズルリと伸ばした尻尾を引き、代わりに馬とシュクアの間に入るようにしてリリィが歩いてくる。
「…………今日はそこの見すぼらしい哺乳類などはなく、私に乗りなさい」
まさかの提案に瞠目するシュクア。助けを求める様にガテムへと目を向けるが、彼は肩をすくめるだけでまるで助けてくれる様子はなかった。
「何でまた唐突に──」
食い下がるシュクアの言葉はその前に、リリィが放った身体の芯にまで響く咆哮によって途切れる。さしものシュクアとてドラゴンが本気で咆哮すれば身が竦み、そんな彼へとリリィは牙を打ち鳴らして顔を近づけた。
「いつも貴方は私の見えないところで無茶をして身を危険に晒す」
「…………」
全身の体毛を逆立てて怒りを露わにするリリィ。ドラゴンが持つ本来の獰猛性を露わにして、それを見たシュクアが反射的に刀に手をやる。
リリィが生まれてこのかた、彼女を怖いと感じたのはこれが初めてだった。
──知っていたはずだ。
どうして忘れていたのか。
ドラゴンの恐ろしさ。ドラゴンそのものの存在がただの御伽話でしかなかった前世ですらも、彼等が非常に強大な存在であることは周知の事実。
それを前にして、どうして今の今まで恐怖を感じことがなかったのだろうか。これだけ巨大な体躯を持ち、凶器的な爪と牙を持っていると言うのに──
──本当に、忘れていたのか……?
前世における身近な危険動物、例とするなら熊だろうか。そんな熊を相手にすれば恐怖を感じるのは当然だ。
しかし今目の前にいるのは、そんな熊すらも軽々と引き裂けそうな強大なドラゴン。知的で理性的なリリィの振る舞いがそれを忘れさせていたが、彼女の本質はその獰猛性にある。
「私が近くにいれば守れる。貴方が無茶しないように見ていられるし、力を貸してあげることもできる」
逆立てた体毛が既に元に戻っていて、彼女は諭す様な優しい口調で言う。
「何よりも私と貴方は一心同体、離れ離れでは本来の力の半分も出せない。一緒に戦う術をつける必要がある」
「彼女は言い分は尤もじゃて。ドラゴンと並んで戦う方法も学ばなければならない。──でないと、他の竜騎兵には敵わぬぞ」
リリィに同調する様に言うガテム。その言葉を聞いてシュクアは長く目を閉じると、腹を括って頷く。
「ああ……ああ、わかったよ。今日はお前と行動を共にする、これでいいか」
「よろしい」
大きく頷くとリリィが近づけた顔を引いていく。間も無く馬とシュクアの間に身体を下ろす彼女から視線を移してガテムを一瞥。
「何も悪いことではあるまい。どちらにせよドラゴンに乗ることは覚えねばならないし、お前たちが先に偵察してくれれば待ち伏せやら罠を前もって知ることができる」
助けにならないガテムの言葉に一つ息を吐き出すと、シュクアは覚悟を決めてリリィに近づく。何だかんだ言いながら、彼はリリィに乗って飛んだことは少ない。
前世でも飛行機などの操縦もしたこともなく、乗客として旅客機に乗った程度で身一つで空を飛んだと言う経験はない。
「ああ、馬の鞍をリリィスに付け替えておくといい。街で安く買ったものだが、十分に機能するだろう」
鞍があったところで何が変わるのか、そう一瞬脳裏を過ぎるも有識者の助言には従っておくべきだろう。
彼の言う通り馬から鞍を外すとリリィの背に乗せる。やや苦戦しながらも何とか取り付けると、シュクアはその出来栄えに少しばかり不安を感じた。
「ベルトがギリギリだな。長いものに変えないと……」
リリィはまだまだ成長途中だ。一時期に比べて成長速度が落ち着いているとはいえ、流石にこの鞍ではすぐに使えなくなる。
「いや、むしろ鞍を一から作るべきだな。取り敢えず今回はそれでいくしかあるまい」
そう言うガテム。彼の方へと目をやりながらも、先んずは感覚を確かめておきたいと蔵の上に飛び乗る。
──乗り心地はまずまずか……
恵まれた身体能力、魔法による肉体強化を施せば楽々に飛び乗ることが出来た。この早さならば戦闘中にリリィに乗り込んだとて、途中で攻撃を受けると言うことも殆どないだろう。
しかし身体を屈めた状態でも馬より高い。長柄武器でもなければ下から攻撃を受けることはないだろうが、それはこちらも同じで地上ではリリィに乗って武器を振るうことは出来ない。
「長い武器を用意しておくべきだろうか?」
「いや、それはやめておいた方がよい。戦場で要らぬ荷物を抱えては命取り、リリィに任せるか素直に魔法攻撃に専念した方がようじゃろう」
ガテムの言うことは尤もだ。──とはいえど今はこの問題を考えても致し方なしと、そう言わんばかりにリリィスが屈めていた身体を持ち上げた。
「それじゃ、準備はいい?」
「……………準備できるまで、待ってくれるのか?」
地面が遠くに見えて思わず両手で身体を支える。足の下に地面を感じられない得も言えぬ不安感、更にはリリィスが歩く度に揺れることで恐怖心を煽る。
前に彼女に乗った時はここまでの不安感と恐怖を感じなかったが、あの時は緊急を要するあまりにもそれどころではなかったのだろう。
「まさか。もう待つのはうんざり」
「なら、お前の好きなタイミングで行ってくれ」
シュクアの言葉にリリィが不敵に笑った気がした。それと同時、リリィスが大きく翼を広げて身を屈めた。
──間も無く飛翔の時。それは、龍騎士における第一歩だった。