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七人の悪役令嬢 うちの国に手を出した落とし前きっちり付けさせて頂きます  作者: くろすおーばー
二章 悪役令嬢達の学園生活 一年生編
15/23

第十三話 ソウルフード(アリシア視点)

今日は休日私の誘拐未遂の件でバタバタしていたから初めてゆっくりと休めてる気がするのだけど、どうしたらいいのかしら…こういう時は


「あのジュリアお姉様、少し相談したい事があるのですがお時間よろしいでしょうか」

自分では判断できなくて公爵令嬢専用サロンでくつろいでいるジュリアお姉様に相談してみる


「構わないわよ、アリシアどうしたの?」


「実は~」

ジルベリオ殿下が生徒会に入ること、そして私にも生徒会に入って欲しいと


「、、、、、、」

ジュリアお姉様はなにやら聞き取れないけどぶつぶつと呟いている


「アリシア、その、あなたから見て殿下はどう見えたのかしら?」


「多分、私のことを女性だと…」


「そう、そうよね」


「やっと…な…と思ったら…よりにもよって…ああ…だから…」

顎に手を当て自問自答しているお姉様その様子を見たヘレネお姉様が近づいてくる

「どうしたの?ジュリア考え込んじゃって」


「アリシアこの事ここに居るみんなに話しても?」


「構いません」

お姉さまたちは私が男だってことも知っているし社交にも長けているここはアドバイスして欲しい


ジュリアお姉様はヘレネお姉様に事の経緯を伝えてる

「ああ~だから私達に近づこうとしてたんだ~」

お姉さまたちに近づこうとした?何のこと


気がつくと他のお姉さまたちもいつの間にか全員集まって、あれフェリシアお姉様が居ない

「あの、フェリシアお姉様は何方に?」


「あの子はお出かけ休みが明けるまでには帰ってくるわ」

そうなんだ


「アリシアは私の家に入っているのだから私から陛下にお伝えしておくようにするわ、余り他所の家から連絡が行くのは陛下もいい気分じゃないでしょうからね、でもまあ、何を話していたかまでは判らなくても廊下で殿下達と貴方が会って話していたのは大勢に見られているから無意味かもしれないけど…」


そうか、他の家から連絡が行くと話が拡散されてるんじゃないかと陛下が心配されるから庇護してくれているメルダルス家から連絡が行くのが一番良いんだ、流石ティナレお姉様!これからは最初にティナレお姉様に最初に相談するようにしよう、今回はもう拡散されてるからお姉様の言う通り意味はなさそうだけど…


「それで、アリシアはどうしたいの?殿下のことは抜きにして生徒会に入ってみたい?」

どうなんだろ?問いかけてきたメリーナお姉様に今の正直な気持ちを言ってみる

「正直に言って、私自身は学園に入ってから目まぐるしすぎて余り考えてこなかったと言うか考えてる暇もなかった感じです」


二度の誘拐未遂に、お姉様達公爵令嬢と同フロアへのお引越しに、殿下からの生徒会へのお誘い、、、


「そうよね~、入学から短期間で色々有りすぎよね~流石は」

流石?何が?ヘレネお姉様のおでこにジュリアお姉様の扇が水平方向に振られる、パチーンと痛そうな音がしたけど大丈夫なのかしら


「いった~い!!」

大丈夫じゃなかった、それにしてもお姉様達って仲が良いわ。お互いに学園に来るまでは領地に居たはずだけど息がぴったりで気の置けない友人って感じ


「今のはヘレネが悪い」

ティナレお姉様は特に気にした様子もなく優雅に紅茶を嗜まれてる、なんか良いなこういった気心の知れた関係、私もお姉さまたちとそんな関係に成れるかしら…無理かな私伯爵令嬢だし、、、


「どうしたの?アリシア」

私表情に出ていたかしら、シンディが気にかけてくれる


「シンディ、何でもないの」


「そう?何か有ったらお姉様達だけじゃなくて私にも相談してよね」


「わかったわシンディ」

シンディとは境遇も似ていることから互いに名前呼びにしようねと言われた、そうだわシンディが居てくれるじゃない、私ったら何を卑屈になっていたのかしら


ひとまず生徒会入りの話は陛下に相談してからという話に落ち着いた。こないだまで王族の人達と関わりになるなんて思ってなかったから、なんだか夢みたいというか現実感がないわ


あ、忘れるところだった

「あ、あの今日は休日ですけど、夕餉ってどうするんでしょうか?」


「私の所の料理人が受け持つことになっているけどどうして?」

「ジュリア自分じゃできないもんね」

扇が再度ヘレネお姉様にお見舞いされる


「私が作っちゃ駄目でしょうか?」

「構わないわ、食材も一通り揃っているでしょうから、でもこの人数分だから任せられるところは料理人に任せるのよ」


「はい」

なんだか懐かしぃなぁ~お姉ちゃんにも昔似たようなこと言われたっけ。副菜は自分がやるからあなたはメインディッシュに集中してねって


「何を作るの?」

料理大好きスザンナ姉さんは興味津々みたい


「内緒です。私のソウルフードっていうんですかね大好きな料理なので期待しててください」


「ほ~、男爵領か伯爵領の郷土料理的な?」


「ん~、まあそんなところです」


許可も貰えて意気揚々と厨房へ向かって料理人さん達にご挨拶、副菜の作り方を指示して私は早速メインディッシュに取り掛かる味が染みてないと魅力が半減しちゃう料理だからねしっかり時間を掛けます!


いよいよ夕餉の時間、副菜は料理人さん達に配膳してもらって私はお鍋から料理を皿に小分けにして行く、喜んでくれると良いな


副菜は小松菜を使ったシーザーサラダに卵スープ、それに流石公爵家の使う厨房、調味料も沢山有ってオリーブオイルとお塩と胡椒とお酢を使わせてもらってマリネ液の完成!それとさっと茹でたしめじとエリンギを絡めてきのこのマリネ


メインディッシュを料理人さん達に手伝ってもらって全員の席に運んでもらう。サプライズのためにお皿には蓋を被せてある、あ~ほんのり香る甘い醤油とお出汁の香りが好き


お姉様達はどうかしら?あれ?なんだろうこの空気、さっきまで和やかだったのに、なんだか張り詰めた空気が漂ってる様な気がする


「あの、この香り苦手でしたか?」


ジュリアお姉様が手を振って否定してくれて

「そんな事無いわ、すごく食欲を誘われる香りだわ」

喜んでくれては居るけどなんだかぎこちない、ええい食べて貰えれば良さが解ってもらえるはずままよ!


「どうぞ蓋を開けてみてください」

蓋を開けてす~っと香りを吸い込んだティナレお姉様の第一声

「良い香り、なんだかわからないけど落ち着く香りね」


お姉様達の反応を確認するとみんな大きく香りを吸い込んで堪能してくれている、、、けどなんだろうちょっとみんな堪能し過ぎのような


「本当に良い香り、アリシアちなみにこの料理の名前はなんて言うの?」


「はい、『肉じゃが』って言います」

ん?いま一瞬シンディを除くみんなの動きに間が有ったような気がする


「そうなのね、ちなみにこれは誰に教わったのかしら?良ければ教えてくれない」


「誰にですか?」


メリーナお姉様が訂正を入れる

「あ、違うの何処の領地の人から教えてもらったのかなーって」


う~ん前世で教えてもらったって言っても変な人だと思われるだろうし


「ええと小さい時にまだ平民の時にお姉ちゃんが良く作ってくれてそのお姉ちゃんから教わりました」


あれ、今誰か視界の端でピクッと反応しなかった?肉じゃがに目が行ってたから誰かまで判らなかった視界をお姉様達に戻しても誰もそんな素振りは見せなかった


もしかしてこの世界に私と同じ世界から来た人がいる?


「アリシアこれ凄い美味しい、おかわりって貰えるのかしらそれに今度作り方も教えて!ヘレネお姉様に食べてもらいたいの」


となりのヘレネお姉様はその言葉に感激してシンディをぎゅっとする

「私の妹は世界一ぃぃぃぃ!」


「もう!お姉様大袈裟です!」

そう言いつつもまんざらでもなさそう


「アリシア、この料理は男爵家や伯爵家以外で振る舞われたことはある?」

ティナレお姉様は少し真面目な顔で聞いて来たので

「いえ他の領地では振る舞われてないと思いますけど?それにこれは平民の家庭料理なので男爵領でも伯爵領でも振る舞ったことはなくて」


「ティナレ、せっかくのアリシアの手料理よ固いお話は後にしましょう」

ジュリアお姉様がなんだか解らないけどこの話題を逸らそうとしてくれてる?


「そう、いいわ、アリシア後で少しお話しましょう。これは大切なことだからしっかり聞いてほしいの」


「はい、解りました」

なんだろう?知らずになにか私やらかしちゃってるの?


「にしし!アリシアちゃんの美味しい美味しいこの肉じゃがフェリシアが帰ってきたら自慢してやるんだ~」


少し重くなりかけた空気をヘレネお姉様が吹き飛ばしてくれた


「ヘレネ意地が悪いわよ、でもまあ自慢したくなるのも理解るわすごく美味しいもの、これってフェリシアの分とか作ってたりする?」

いつもはお姉様方から怒られたり叱られたりしてるけど、なんだかんだでフェリシアお姉様のことみんな気遣ってるのよね


「はいスザンナお姉様、勿論フェリシアお姉様の分も魔石冷蔵庫に入れてあります。明日の方が味が染み込んで美味しいかも知れませんね」


「ぐっそれはそれで食べたい」


「まあまあヘレネお姉様、今度私が作ってあげますから」


「やっぱり私の妹は世界一ぃぃぃぃ!」


「それさっきも聞いたわ」

メリーナお姉様が冷静にツッコミ入れてる


途中なんだか変な空気になった気もしたけど最後は和やかに夕餉が終わった


その後ティナレお姉様の部屋に呼ばれた私は教えてもらう


「いいアリシア?この国、ううんこの世界では料理のレシピは大変貴重なのそれこそ物によってはひと財産稼げたり、逆にお金になると分かれば命を狙われることも有るのだから気をつけて、この料理のことは男爵家も伯爵家も知らない?」


「はい、平民の時にそれも平民にはその調味料が高価なのでお祭りの日とかにしか作ったこと無いです」


「そう、それは良かったわ、ごめんなさいね脅かすような事を言って」


私は首を横に振る

「私、料理のレシピ一つで人の生き死ににまで影響するかもなんて考えてませんでした。気をつけます。ティナレお姉様教えて頂いてありがとうございます」


「ねえアリシア、縁あって私の家に来たのだから遠慮なくなんでも聞いて頂戴、私普段はあまり喋らないから距離を感じて話しかけづらいかも知れないけど…」


「そんな事無いです今日のことも私のことを思ってくれてるから言ってくれたんだと解ります」


「そう、ありがとう」

お姉様はご自分の性格の所為で距離を感じてるんだわ、、、そうだ


「お姉様、私のことアリーと呼んでくださいませんか?もし呼んでいただければ私もっとお姉様のこと好きに成れると思うんです」


「いいのかしら?」

いつも沈着冷静なお姉様だけどその返事は戸惑いがちで、私は大きく頷いて見せた


「そう、じゃあアリー私のことはティナと呼んでくれる?そうすればもっと仲良くなれそう」

びっくりしすぎて目をくわっとしちゃった変顔になってないと良いんだけど嬉しすぎる


「はい、ティナお姉様!」


「アリーこれからもよろしくね」

そう言って私達は微笑み合った

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