朝
午前六時、大きな音でアラームが鳴った。
「ん〜」と声を上げながら、とても眠そうにアラームを止める彼女。
朝食をとり、いつものように準備を始める。いつもと違うのは、彼女を襲う強烈な痛み。
まるでハンマーで叩かれているかのような感覚が、頭をかけて行った。
「……少しだけ」
彼女は頭痛を理由に、もう一度布団に潜る。枕を取ろうと腕を伸ばすと、手の甲に冷たい感触。気にせず、手を動かそうとすると、今度はシュッと爪が彼女の甲を傷つけた。
「もう」と口にしながら前を見る彼女。
お前は何をしているんだ、とでも言いたげな瞳と目が合った。
「だって、痛いんだもん」
彼女は言い訳を口にするも、「分かったよ」と再び起き上がり準備をする。
「行ってきます」
ドアを開けた彼女に、彼は行ってらっしゃいと言っているかのように、尻尾をブンブンと振っていた。