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ひとパ☆  作者: いかや☆きいろ
ヨゾラ
87/188

星の海を眺めながら 2

 5/10 最低賃金そのうち1000円まで上がるらしいですがこの時点では800→900円とします。このあと最低賃金が変わっても変更はありません。



「じゃあ今日から入る刀野ケンシだ。生意気なガキだから鍛え直してやってくれ」


「勘弁してよ伯父さん。刀野ケンシです。ケンシと呼んでください。よろしくお願いします!」


 真面目そうな男の子です。来月で二十歳になるそうですからお酒に誘いたいですね。たいそうなイケメンなので女性客が増えそうですね。


 私? イケメンは大将や大谷さんやリョウヘイさんたち置物で間に合ってます。リョウヘイさんたちやカズコさん、また観察しそう。


 しばらくは修業をつけつつも接客をやらせるみたいです。時給は900円スタートですね。コノミちゃんみたいにごねたりはなさそうです。(堪忍したってーな)


 では、新体制、仁のスタートです。


「いらっしゃいませー!」


「ケンシ、声だしな!」


「わ、わかってるよスズ姉さん。どうせキッチンに入るのになんでこんな……」


「……ワンアウト」


「ありゃ使えなさそうですねぇ」


「……なんだよ」


「お前お客の前にその顔で立つ気かあ? 接客もできんのに厨房任されるはずがあらへんで」


「どういうことだ?」


「見とけ、あの子がうちのエースや。勝てるなら認めたるわ」


「はっ、あんなほそっこいお嬢様がなにを……」


「ケンシって弱そうな顔の強者に負けたことないの?」


「……あるけど」


「じゃあ見てなさい」


「いらっしゃいませー!」


「……声、すご、通る!」


 声は落ちるから斜め上に放つのがポイント。そうすれば顔も上がる。


「いらっしゃいませ、お決まりになりましたらお声おかけください。三番さんオーダー待ちでーす」


「え、さっきまでそこにいたのに……。えっ?」


「こんなもん序の口や。三人おっても四人おってもアカネさんひとりで回せるわ」


「は?」


「四番テーブルオッケーでーす!」


「あいよー!」


「ほら、声出しなさい」


「あ、あいよ……」


「オーダー入りまーす!」


「あいよー!」


「はい、三番刺身大」


「俺が」


「お待たせしました、刺身大と生中四つです。他のご注文は少々お待ちください」


「いつも速いなアカネちゃん」


「ありがとうございます!」


「あんたが動けるわけないやろ。スズちゃんも動けへんのに」


「もうあの人だけでいいのでは……」


「そうもいかないでしょうが」


「負けんように動くしかないわ。六番片付けまーす」


「お会計行きまーす」


「……、皿、皿を洗わないと!」


 こうして新人は普通に皿洗いに入るしかなくなるんですよね。お客が少ないとそれも私がやりますけど。


「相変わらずえげつないで、うちのエースは」


 新体制はなかなか形にならないかも知れませんね。


「アカネちゃん、サラダお願い」


「あいよ!」


 サラダは私に任されることが多くなりました。アカネサラダなので私が作った方が喜ばれるようです。その分接客に回れませんがあんまり関係ないですね。


「アカネサラダお待たせしました。どちらにおきますか?」


「ああ、幸せ。じゃなかった真ん中にお願いします!」


 最近変なお客様が増えた気がします。アカネサラダ高いんですけどみんな注文しますね。健康的でいいことですが。


「なんで厨房に入ってるのに俺より速いんだ?」


「あんたがトロいのよ」


「さっさと負けを認めるんやな!」


「ちくっしょう! やったらあ!」


 コノミちゃんは人をのせるのが上手いですね。私なんていつもほめられますし。とにかく新人にも火が入ったみたいです。どこまでついてこれるかな?


「いらっしゃいませー! お客様何名様ですか?」


 さあ、がんばってみんなに美味しいものを届けなきゃ。






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