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ひとパ☆  作者: いかや☆きいろ
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夏野菜パーティー☆またかよ! 5

 雨です。梅雨入りのようですね。釣り大会の日に降らなくてよかったです。


「いらっしゃいませー!」


「こんばんは」


 いつものようにカズコさんです。今日は心なしかご機嫌ですね。雨でも関係無さそうです。


「釣り大会楽しかったねえ」


「そうですね、またやりましょう!」


「アカネサラダとスズちゃんのお寿司で、ビールをもらおうかねえ」


「はい、ご注文繰り返します、……、以上でよろしいですか? オーダー入ります!」


 今日も居酒屋仁、スタートです!


「いらっしゃいませー!」


「きたよー!」


「釣り大会楽しかったね!」


 置物がセットされます。いないと不安になりますからね。お客様に失礼な気もしますが本人たちが名乗ってます。


「どうも、置物一号、右のやつでーす!」


「左の置物でーす!」


「わはは」


 常連には大ウケです。二人が来ると一気ににぎやかになります。ずっとしゃべってますからねこの二人。


「うちが働きはじめの頃は黙って見られて怖かったですわ」


「やっぱりねー。そういう意味ではうちの常連さん厳しいよね」


 まだ流れはゆるやかです。従業員どうし話すこともありますね。忙しくなったら集中するのであまり雑談はしません。


「いつものでいいか?」


「まずは刺身と焼き鳥はな。唐揚げいっとくか」


「ご注文お決まりですか?」


「完璧なタイミング。まずは生中二つと刺身の大と……」


「ご注文繰り返します。……、以上でよろしいですか? オーダー入ります!」


 お二人はよく食べてくれます。ラストまで食べて二人で一万はいきます。ありがたい常連さんですね。最低で週四は来てます。


「カズコさん釣り大会だいぶ釣ってたね!」


「俺たちはあんまり釣れなかったからな」


「エサでぼちぼちやってただけさ」


 話題はやっぱり釣り大会のこと。にぎやかさが加速していきます。


「大将スズちゃんの寿司って監修してるの?」


「いや、寿司はスズの方が詳しいんで」


「すごいねスズちゃんは」


「ありがとうございます」


「スズちゃんのお寿司ひとつ」


「オーダー入ります!」


 大将スズちゃんをほめられてデレデレですね。ウヅキさんはやはり料理好きですね。お寿司のオーダーを通すとスズちゃんは裏に回ります。三分もかかりませんが。


「いらっしゃいませー!」


「よっすー」


「来ましたわ」


 今日も上がりですね。ナオコさんたちを四番に通すとコノミちゃんと入れ替わり上がります。


「お先に失礼しまーす!」


「おう、お疲れ」


「お疲れ様」


「お疲れ様でしたアカネさん!」


 そして裏から表に。アンナさんとも合流して、四番テーブルへ。


「今日は飲むよー!」


「たくさん飲んでください!」


 コノミちゃんもずいぶんなれたものです。


「おーい、アカネ、アンナ、こっちこっち」


「ビールとごはんは注文しましたけどよかったですか?」


「ありがとうございます!」


「とりあえず生でーす!」


 さっそくビールがやってきます。お刺身とごはんもすぐです。お刺身はみんな頼むので遅くなることもありますね。揚げ物や焼き物も時間はかかります。長く勤めていると体感でなにができあがってくるかわかるようになります。焼き鳥は揚げ物より時間がかかります。


「かんぱーい!」


 軽くビールに口をつけるとお刺身でごはんをいただきます。お醤油を多めにつけてごはんにのせる、これが美味しいんです。お行儀は知りません。


「美味しい!」


「唐揚げ大でーす」


「おいといて」


「いただきまーす、ぱりっ、ぱりっ。うーん、ここの唐揚げは最高ね」


「いただきまーす! ビールに合いまーすです!」


「いただきます! ごはんにも合う!」


「いただきまーす。うん、うめえ」


 なんでしょうか、どっしりとした美味しさがあります。大将のテクニックを盗みたいものです。揚げてるのは女将さんですけどね。決まった時間揚げてるだけなのです。うちは四分揚げてますね。


「みんな釣り大会の反省会してるみたいですね」


「またやろうって声かけられまくったよ」


「楽しかったですわね」


「釣りは楽しいでーす!」


「みんなでアウトドアは楽しいですね」


「そうだろう? 登山しないかいアカネちゃん」


「私に登山は無理です、カズコさん」


 事故の後遺症癒えきってはいないんです。


「普通に健康に見えますわ」


「だよなあ」


「アカネちゃんは毎朝リハビリしてますねー?」


「動かないとすぐ動けなくなりますから」


「それであの機動力ってどうなんだ?」


「それも先読みでおぎなってるんですの?」


「そうですよ。全体の動きや流れをつかんで他の人より三歩先に動きます」


「ここ限定で超能力者だな!」


 まあ種もしかけもあるんですけどね。例えば注文が決まったお客さんはメニューから顔をはなして動きが大きくなる、とかお帰りの時は立ち上がって荷物を気にしはじめます。そういった小さな挙動を見ているので間違うこともなくはないです。


「プロか! プロだったわ!」


「ほんと、小さな世界にいるのがもったいないですわ」


「ちょっとした競技なのでーす」


 ちょっ、私のことばかり話すから予定決まらないじゃないですか!






 置物二人いくら稼いでるんだろ。



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