カツオのタタキの利用法 3
どきどき。なんか大将がうちに来ています。
サラダメニューと聞いていてもたってもいられなくなったようです。ぶっちゃけ大将、日曜はゴロゴロしてるだけですし仕事が趣味ですからね。パチンコもゴルフもカラオケもしない。
「くう、これは売れる。うちに初のイタリアンメニュー。しかもサラダ、いいと思う! タタキも出したかったし!」
「やったやん、採用や!」
「おお!」
「楽しみですわ!」
「私とダブルデビューですね!」
「やったねお姉ちゃん!」
こうして、お品書きが刷新されることが決まりました。トマトは余れば唐揚げに添えたりできる! 在庫も重くなりません! ……なんだか感動です。
「酒盛りか。混ざってもいい? 土日しか飲めないから」
「私はいいぜ」
「いつもお世話になってますから」
「飲み仲間増えまーす」
「ええやん、大谷さんとゲームしてもらったりな」
「お父さんと一緒かあ。まあ勉強になるかなぁ」
「おもしろそう! 美味しそう!」
「にぎやかになりそうです! 女将さんも誘ったり!」
酒盛りメンバーも増えました。
「じゃあおじさんはりきっちゃうぞ。カツオの竜田揚げ」
「きたなプロの料理!」
「いただきますわ!」
「あちゃ、あつ、ほあっ!」
「美味いわあ! こんなん美味いわあ!」
「さすがお父さん」
「わーい!」
「……これ、たれがまたすごい。なにを使ってるかわかんないのが悔しい!」
「それはな、これだ」
「ワサビ?! 揚げ物に?!」
「やっぱり名店にはかくし球がありますのね!」
「意外でーす!」
「勉強なるわあ」
「知ってました」
「美味しいよ!」
「衣があるから香りの全損も防げると……奥が深い!」
プロはやはりプロでした。他にも意外とグラニュー糖使ってる。ショウガとニンニクも。これは複雑。醤油も薄口かあ。揚げ粉は片栗粉、これは知ってます。とりあえず食べましょう。うーんお店の味! ビールが進むう!
「いやー、やっぱり仕事してる時が一番楽しくてなあ」
「なんか趣味探せよ」
「健全でいいことですわ」
「美味しいものいつも食べられそーでーす」
「仕事、最近はうちも仕事が趣味やなあ。あとスイーツ巡り」
「つまんない父ですみません」
「美味しいもの、……たくさん!」
「うちの妹が胃袋捕まれてるー」
大将、浮気はダメだよ! しないか。仕事と奥さんでいっぱいいっぱいだしね。
「サラダ作ってみるか、アカネちゃんレシピある?」
「書き出しますよー。といってもたれとかは大将に任せますけど」
「うん、フムフム、完全にイタリアンだな」
数分後、大将のカプレーゼができた。
「うん、アカネちゃんの味だ」
「ほんと。アカネちゃんの味ね」
「私まだ再現できないでーす」
「うん、間違いないなぁ」
「お客様に説明するときは……カツオとトマトのイタリアンなサラダとか? 期待値を高めて……」
「ボリュームがあるから好きー」
「大将のたれやっぱり美味しいなあ」
そもそもの腕前が違いますね。これは勉強になる。
「じゃあ、俺がいろいろ作るからみんなは好きにやってくれ」
「ひゃっはー!」
「グビグビグビグビグビグビ」
「飲みまーす!」
「タダ酒、ええのかこんなぜいたくっ……!」
「たまにはゆっくりやれますね」
「おひつ取ってきた!」
「うーん、飲もう! 梅酎ハイ!」
大将参加でますますカオスになった気もします。みんな大将にオーダーを出しまくって大将も嬉しそうに応えてビールを飲みながら作っていく。
パーティーに新しいスタイルができました。いいの、こんなぜいたく。




