カツオのタタキの利用法 1
みなさんごきげんよう、湊アカネです。日曜日ですね。
今日は仁の大将のご厚意でカツオを一本とお刺身も十人前もらえることになりました。スズちゃんによるともらいものらしいです。大将も処分に困っていたらしい。
みんな楽しそうに笑いながらうちを訪れます。アンナさんとアイちゃんと三人でお出迎えです。
「きたぜ」
「お邪魔します」
「よろしゅうに」
「カツオきましたー」
カツオパーティーの開幕です!
「なんかゲームしてえなあ、巻き寿司みたいなやつ」
「むちゃぶりやめなさいよ」
「簡単なのは思いつきまーした」
「お、なになに」
「大福の皮があれば、……、ってかんじでーす!」
「じゅんびさせますわ。大谷ーーー!」
「はい、お嬢様」
「便利だなおい!」
なにかまた始まったようです。嫌な予感しかしない!(ワクワク)
「はい、第二回、アカネファミリーゲーム!」
「間違いだらけの味覚検査! 大福餅に包まれた闇を暴け!」
「わー!」
このくだりいるんですかねえ。リアクション芸人になりつつあるアンナさんとコノミちゃんが心配です。
「はい、こちらにうちのスタッフが用意した大福の皮があります! なんでも好きなものを包んでください! どうせ食べるのは他人ですわ!」
「言い分がひでえ! さあ今回も特別ゲストは大谷さんだ!」
「よろしくお願いします」
「こう見えてなかなかやんちゃなじいさんだ。遠慮はいらねえぞ! じゃあ、お前のハートを包んでけ!」
ノリノリである。毎回かってに司会してくれるな、ナオコさんは。
さて、なにをくるもう。またキャロライナ・リーパーが見えるんだがこれは振りでいいんだよね?
あとはあれがあれば。あった。
「ルールとして自分の作品のタイトルをつけてくれ。並べ方はスタッフが変えてくれる。タイトルもスタッフに渡してくれ」
「当然中身がわからないタイトルをつけてくださいね、食べたくなるようなタイトルをつけてくださいな!」
お、面白そう。タイトルは「普通の大福」でいいよね。リアクション芸人が逆に食べたくなるやつ。
「よし、できたな! スタッフー!」
ガラガラとテーブルが運ばれてきました。タイトルは……。
森の香り。夏の海。大人の味。普通の大福。永遠の約束。お飲み物。お寿司。
なんか中身がわかるのがいくつかあるー。永遠の約束って逆にわからないな。お寿司。リアクション芸人のハートをえぐるようなタイトルだ……。
順番はくじ引きらしい。すでにアンナさんとコノミちゃんがソワソワしはじめたんですが。
順番はスズちゃん、アンナさん、サヨリさん、大谷さん、コノミちゃん、私、ナオコさん。これラストも美味しいよね。
「それでは味覚検査、スタート!」
スズちゃん迷うことなく「永遠の約束」に挑む! やるな!
うずくまった! 予想通り!
「せ、せいろがんの味しかしない……」
「大谷さんがニヤリと笑っているー!」
「次はアンナさんですわ」
「……やっぱりわたーしは大人ですし? 大人の味をいかせてもらいま~す」
「ああ、ねらてたんとられた!」
「あふん」
「アンナ撃沈ー! なにが入ってたのかはわからないがコーヒー臭いぞ!」
「な、生のねぎにコーヒー」
「鬼ですね!」
「アイちゃん笑いすぎですわ。次は私ですわね……、森の香りか普通の大福の二択なんですが……。森の香りで」
……これはなにが入ってるかわからないやつ。
「りんご? ざり? んぐっ!」
あ、後ろ向きに倒れた。
「一瞬りんごかと思ったら練乳で固めたザラメとハッカ飴が……」
胃もたれしそう! 犯人はナオコさん!
ここまでくるとなにが入ってるか見えてくるな。残ってるのは夏の海、普通の大福、お飲み物、お寿司。
大谷さんは大人なのでお飲み物に。
「これはカステラ……、うおっほ、 ゴホッ、ゴホッ! ……スピリタス」
「ころすきか」
いきなり高濃度アルコールくるの本当にヤバいから。サヨリさんアイちゃんが食べたら面白そうとか思ってない?
「次はコノミちゃんだー、ゴールが見えてきたぞー!」
「これや!」
「お寿司にいったー!」
「つーんくる!」
「想像どおりのワサビ玉だー! コノミちゃんのけぞって転げてぐったりしたー!」
「これは予想どおりすぎましたわね」
「次は我らがアカネ、どちらを選ぶのか! 迷わず夏の海!」
「ん? んん?」
「あら、思ったよりリアクションが……難しい顔してますわね」
「……水洗いして味を抜ききった生ウニの味がする」
「凶悪だー!」
「さあ、ナオコ、もうみんな結果がわかってるけど普通の大福よ。食べるのよ」
「これ絶対あれじゃん。あれだよな?」
あれです。みんなニヤニヤしすぎ。
「くっそ、食ってやるよ! ……あれ? 普通にアンコだ」
「? そんなの出す人います?」
「うん、おいし…………みじゅう!! みじゅくでえっ!!」
そういうトラップにしてみました。リアクションいいね!
「いやガチだからこれ、舌がいてえー!」
「あー、あっちにしとくんやった。それにしてもトラップとはさすがやな」
「オチもついたところでカツオの解体ショーに移りたいと思いますわ」
「……水……かはァ……」




