八重桜 1
朝夕八時二回更新です。
桜が終わったタイミングで八重桜が咲いています。
おはようございます! 湊アカネです!
今日は花見会の名残もあって河川敷を散歩しています。あれ? 橋の上で女の子たちが声出しトレーニングしてますね。ちょっと様子を見てみましょう。
「いらっしゃいませ!」
「ご注文はお決まりですか?」
少しどなってしまってますね。でも気迫が伝わります。今日は軽いお散歩モードなので長めのスカートなんですがジャージでもよかったですね。そしたらかけていけたのに。
「おはようございます!」
「えっ?」
「うわっ本物きた。はずっ」
「やっぱり可愛いね」
「あ、おはようございます!」
ほほえましいですね。かなり若い子たちです。
「バイトですか?」
「そうなんですよ、アカネさんのあれを見ちゃうとぜんぜん努力してなかったなって」
「まあ、たかがバイトって思っちゃうよね」
「アカネさんもバイトなんですか?」
「私は社員待遇だよ」
「プロだ」
「プロの鑑だ」
「言うほどでもないよ」
「どうしたらあんな声を出せるんですか?」
「考えながら練習することかな? 例えばブレスはそんなに出してなかったりする。それと喉で声を出すと痛めるからお腹の底から声を出すんだよ。肺の空気は八分目くらい。怒鳴ったりはしないこと。もう練習しまくるしかないね」
スズちゃんは練習してるかわかんないけど声出てる。経験値だって必要だ。それにはおんなじパターンにはまらないことも大切。練れてきたらパターン作れなくなってくるからね。
「やっぱりすごいね」
「もっと練習します!」
「がんばろ! おはようございます!」
「いらっしゃいませ! ただいま満席ですのでこちらにお名前を書いてお待ちください!」
「ありがとうございます! またのお越しをお待ちしています!」
元気なだけで可愛いよね、この世代は。
さて今日も二時間労働です。一日労働の日もあるんですよ? ただそこをピックアップするとずーっと働いてるとこだけの描写になるので。
「いらっしゃいませ!」
おっとカズコさん、今日はぞろぞろ連れてきたね。がっしりした人たちだからきっと登山仲間だ。
「お座敷借りるよ。六名ね」
「奥のお座敷へどうぞ!」
今日は忙しくなりそうだ。あれ?
「いらっしゃいませ! お客様何名様ですか?」
「四人、生アカネちゃんだ」
「右側奥のテーブル席へどうぞ!」
「おお、動いてる」
「マジ可愛い」
「おい、迷惑がかかる、四番テーブルいこうぜ」
「噂の四番テーブルか」
「置物はまだ来てないな」
なんだなんだ? なにが起こってる?
カズコさんのテーブルにお冷やを持っていった時もジロジロニコニコ見られたし。
……町内会のイベントだから町内の人しか来ない。→花見なのでみんな撮影してる。→私の挨拶撮影される→アップされる→有名人! ……下手こいた……。ま、まあお客が増えるならいいでしょう。今月から四人シフトだし!
その後もぞくぞくと私目当てのお客様がやってきた。ナオコさんたちが席待ちで名前を書いたレベル。わたしはコノミちゃんと交代したけどこれはヤバイかも?
表に回ってナオコさんたちと合流してからも見られまくってる。
「こ、これはなかなかにハズいな」
「愛されてるわねえ」
「ご、ごめんなさいごめんなさい」
「橋の上の少女は大変だねえ」
「少女ではすでにないかな?」
「いいじゃない。二つ名。私もほしいわ」
「えっ?×2」
「え?」
立派な二つ名ありますよね? うわばみのサヨリ。うわばみなのにサヨリって大人気ですよ?
「二名でお待ちの多田野様ー」
「あ、ごめん、三名になった」
「大丈夫です、奥右側のテーブル席へどうぞ!」
「ありがとスズちゃん」
「ごゆっくり」
いやー、やっと座れる。あそこは視線集まりすぎて怖い。テーブルなら仕切りあるからね。あ、もうアンナさんも来たよ。今日は反省会だね。
ストック尽きたら止まります。




