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ひとパ☆  作者: いかや☆きいろ
接客しよう!
36/188

梅の花の咲く頃 5

 接客はお店とお客のつながりです。



「それじゃ、コノミちゃんの研修明けを祝って乾杯!」


「かんぱーい!」


 仕切りはナオコさんに任せて注文しますか。


「すみませーん、注文お願いしまーす」


「はーい!」


「みんなビールでいい? 生中五つ、刺身大、串盛り、唐揚げ大、天ぷら三種ふたつ」


「はい、ご注文くりかえします、……、以上でよろしいですか?」


「お願いします」


「はい、少々お待ちください!」


 さすがにスズちゃんベテラン。まあ自分ちだしね。スズちゃんはたぶんテレポートしてる。


「お前が言うな」


「あんな動きできませんわ」


「うーん、でも特別速くは動いてないですよ。早歩きだしすぐに立ち止まれる速さですから」


「あれでですかー」


「うちもあこがれてます」


「はいお待たせしました生五丁」


「五丁でいいんすか?」


「決まりはないよ?」


「はいこちら突き出しです」


「は、はやっ……」


「スズちゃんもたいがいだよなあ」


「この店はこれが人気ですからね」


「え? 普通の接客ですよ?」


(出たよ無自覚)


(小説の主人公みたいですわね)


(私はいつも脇役でーす!)


(うちもがんばるッス!)


 またこそこそと。今日の突き出しは、小さいけどスズキのみりん焼きだ。贅沢な突き出しだなあ。大将にしてみるとついでに作れるってことだけど。うん、小さくてもパリふわだ。ビールビール。……んごくっ、ごくっ、ごくっ、……っ……くうぅー!


「アカネさんは美味しそうに飲むッスねー」


「ししょーは自分が楽しむことには余念がないですよー」


「師匠?」


「ひとパ師匠でーす。今度うちに来るといいですよー」


「??」


「まあ、みりゃわかる」


「見ないとわかりませんわね、ごくごく」


「わからないからな! うんうん、って言ったとかわからないからな!」


「だんだん飲み音会話を極めてきたのでーす」


 お、恐ろしい人だぜサヨリさん。ついに伝わってしまった。


「はい、刺身盛り大になります。ほかのメニュー少々お待ちください!」


「唐揚げー、六番」


「あいよー!」


「唐揚げ揚がってきたな。酒を決めとくか。うーん、変わり種はやめとこ、ライムで」


「レモンでお願いします」


「ひいぃっ」


「トラウマか! ほかは」


「私もレモンでーす」


「うちはライムで」


「私もライムでお願いします」


「そういや誰もサワー頼まねえのな」


 私もあんまり注文取った記憶がないけど、居酒屋の常連になるような人が今さら弱い酒は頼まないよね。カクテルならわかるけど。


「はい、天ぷら三種盛りふたつです。こちらでよろしいですか? 串盛りは少々お待ちください」


「あ、しまった、各種盛りにするんでした」


「あー、五人だと串盛りはちっと少ないよな」


「いくらでも頼めばいいですよ」


「お財布にして申し訳ないでーす」


「おお、この方が噂の神様仏様サヨリ様!」


「やめてください?」


 なんか彼女の中ではサヨリさんはもう成仏してそうである。さて、どんどん飲もう。


 これは仕方のないことだけど、氷が入ってる分サワーや酎ハイはすぐに空いてしまう。やはり家飲みをしたくなるんだよね。


「またうちで集まりますか」


「当然?」


「貯金してるお酒をおろしに行きますわ」


「飲んだやつは返せませんよ?!」


「そんな野暮なことはいいませんわ」


「サーバー四台も送るとかすごすぎるでーす」


「は? サーバー四台も? うちもついに幻覚が?」


「事実なんだなあ……」


 札束ではるどころか潰れるまで札束を流し込まれそう。


 そうだ、やることがあるんだった。


「ほら、刺身、焼き鳥、唐揚げ、全部食べてみて」


「は、はい。……うまっ!!」


「自分がなにをする者か、は知っておいた方がいい。これをこころよくテーブルにお伝えするのが私たちの仕事だよ」


「う、刺身も、焼き鳥もうまい。天ぷらも唐揚げも」


「飲め、そこだ!」


「飲まなければここにいる意味はありません!」


「う、うおお、ごっ、ごっ、ごっ、ごっ、ごっ、っっ……ぷっはあー!! このために生きてる!」


 居酒屋としてはそれが正解だよ、コノミちゃん。


「んでんで、ここだけの話時給いくらになったんだ?」


「え、え、いやあ。ここだけの話ッスよ? ……1000円ッス」


「? 多いのかそれは」


「微妙ですわね。いきなり1100円もおかしいですけど」


「スキルとしてはスズさんのはるか下ッスからね……むしろもらいすぎな気がします」


「アカネ基準が変だからな? こいつは戦士だから」


「そうねえ。むしろ適正なのかも」


「私も先生やめてここで働きたいですー」


 まあお給料のことは私は言えません。1500円にしようか聞かれたとか言えませんね。たくさん入りたいから断りましたが。ぶっちゃけ正社員待遇ですし。


 そのあと家飲みの予定を立ててパーティーは終わ……らずに飲み会が閉店まで続いた。


「ブラックカードスラッシュ!」


「やた、タダ飲みやー! ありがとうございますサヨリ様!」


「今度はコンシェルジュを召喚して見せますわ」


「うわっ、めっちゃ会いたい!!」


 それは私も見てみたいです。






 さて、あとはSSとなっております!



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