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ひとパ☆  作者: いかや☆きいろ
接客しよう!
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年越しはみんなで 2

 二話目です。このお話からひと月ごとにシリーズが五話〜二十話という書き方になってます。一話ものもありますけどね。まあいろいろありますので楽しんでいただけたら。



 ナオコさんが大荷物を抱えて帰ってきた。なになに?


「いっやー、家に帰ったらさ、湊さんにお世話になってるんだから持ってけって」


 確かに何泊も泊めたりするしなぜか二人の部屋があるけどね。着替えとか持ち込まれてるし。……それで、これは?


 おお、これはみんな大好き……。


「ハムだあー!」


 うちのモンスター、大歓喜である。いや、私も好物だけど。ひとパにいいからね。まるごとのハムなんて久しぶりだな。昔、生ハム原木を買いたいと思ったけどあれは個人で買うものじゃないね、多すぎる。


 全員そろったので鍋のセッティング確認。大袋の粉末出汁準備ー!


 鍋にお湯を注ぎどばー。どばざらー。粉末出汁投下。豪快簡単こそひとパ道。他の鍋にもこっそり。ひとつの鍋は白ワインを沸かせてある。火を緩めたらチーズ全部どばー。


 はいはい、具材を入れていきます。アンナさんが趣旨のよくわかった魚選びをしている。カワハギは絶対だよね。サバとかあるのがよくわからないけど合わなくもない。ブリもいいね!


 肉は鶏肉だけで行きます。味が雑になるんで混ぜるのはおすすめしない。魚と牛とか想像してみてください。野菜もどんどん入れていく。豆腐やしらたきも入れたいところだがここはしらたきで。豆腐は湯豆腐にしますのでー。


「やっぱりこいつがスタンダードとか変だと思ったんだ! 最初から全部やる気だ!」


 にやり。計画通り。思い切り指をさしてわめくナオコさんに感動が止まらない。


「こっちのテーブルのコンロで湯豆腐ねー。こっちはチーズフォンデュ。フルーツはここで食べてねー」


「ちっ、しゃーねーな」


 フルーツ好きか。


「ここはしゃぶしゃぶ。牛肉はここでね。ここは塩ちゃんこ、それでまだひとつあるんでみんなお腹七分といくつか具材を残していてね! お蕎麦もあるんだからね! 大谷さんも混ざる!」


「え、私は……」


「大谷、ここで断るのは無粋ですわよ」


「はっ、では失礼して……」




「じゃあ、今年一年、ありがとうございました、来年もよろしくお願いします! いただきます!」


「いただきます!」


 全員一斉に鍋にかかった。このお魚うまっ! 下処理したのが一流だからなあ。みんなそれぞれが好きな鍋をつついているけど水炊きは人気だ。ポン酢の入った取り皿が人数分ある。ちなみにしゃぶしゃぶもだけど……。牛肉好きだねえ。


 アイちゃんはナオコさんと楽しそうにフォンデュしている。野菜とかこっそり下湯でするのは大変だったぜ。エビフライや果物が多めになってしまった。白ワインはサヨリさんが用意してくれました。だからごきゅごきゅ飲まない!


 塩ちゃんこは魚多めにしたから白ワインは合うと思うけど。水炊きとこっちはアップグレード予定。一応味が抜けてないか出汁の味を見ておく。ちなみにトマトは塩ちゃんこで茹でてる。


 各テーブルのお玉の状況、アラを入れるボウルの溜まり具合を確認しておく。まだ鍋の改造とお蕎麦が残ってるので私はまだ酔えない。ビールだけいただこう。……ぐびぐび。


 まあこの雰囲気を楽しんでおかないと損ではある。ちょっとだけ混ざりましょう。しゃぶしゃぶ行くか。早く行かないとアイちゃんに食べ尽くされちゃうからね!


 アイちゃんの見つけてきたお肉質がいいなあ。さすが食欲魔神ミナト。いや、部活で言われたらしい。アイちゃん食べ方はお上品なんだけどね。クッキーをガバッとつかんでむさぼるみたいなことはしないし。


 フォンデュも一回はやっとこう。串で刺してチーズをくぐらせる。チーズの量が不安だったから専用鍋を買ってしまったぜ。串が大量に溜まってるなぁ……。ナオコさん、肉と野菜も食え。まだバナナかじってるし。デザートから食べたがる子供か。


 さて、だいぶ落ち着いてきたし、二段階目に行きます。塩ちゃんこの鍋は、空いてるね! 大谷さん食べてるー? 親指立ててグッドもらいました!


 コンロを一個用意して、フライパンに牛乳とみりん。最近ハマってる牛乳かえしを作る。一気に沸騰!


「お姉ちゃんの必殺技だー」


「あれか? 秘剣燕返し的な?」


「かえしというのはうどんだしなんかに使われる、醤油、みりん、砂糖を煮詰めてアルコールを飛ばしたもののことを言うのよ。白出汁で割ってめんつゆやうどんのスープを作るの」


 そうそう、これ牛乳だけど。他の料理に足すときに牛乳の香りがちょっと邪魔なのでみりんのアルコールとともに飛んでいってもらう。ちょっと濃くなるし。これを塩ちゃんこにずばー。白胡椒どばー。一味もどばー。味は……、よし、出汁に野菜や肉のものが溶け込んでる。


 こういうの作るから直箸とかされたくないんだよね。うちの子たちは訓練されてるけど。


 肉、魚、しばらく煮込んでアクを取って野菜、モヤシとかも入れるよ。塩を足しておこう。沸騰はさせないけど対流はさせるよ。アクが浮かないから。味は? よし!


 お手軽によくここまで作った。手抜きの達人としてはどうなのってくらい働いた。


「はい、今、食らいつけ」


「ひゃははーっ! 新しい鍋だー!」


 手抜きアカネ鍋とでも呼ぶといい! なんか相対性理論みたいだけど!


「ど、どういうことだ?」


「相対性理論も特殊が先で一般が後ってことでしょう?」


「手を抜かないアカネ鍋があると?」


「……ごくり。ゴクッごくごくごく」


「つばを飲み込んだのかチューハイを飲んだのか……」


「ししょーすごいな。いったい一日でいくつ料理を作るねー」


「お姉ちゃんはずるい! もぐもぐもぐ……白米はおいひい」


 なんでいつもずるいって言われるんだ? お姉ちゃんにはわかりません。






 お姉ちゃんはズルいのです。毎日美味しいものを食べてますからね。



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