SS 大将シリーズ 一日
SS三話目です。
みんなのお父さんこと定食、居酒屋、仁の屋台骨、大将、八尾神ジンの一日を見ていこう。私と一緒に、レッツ・フューチャー。湊アカネです。
このSSは光里家の協賛でお送りしております。撮影機材などは光里家からお借りしております。
居酒屋仁の大将の朝は早い。五時半には魚市場へと車を走らせている。閉店の六時間半後のことである。今日は調子がいい。店員がずいぶん顔が広いようで太客が集まっている。
市場ではあちこちから声がひびく。じっくりと目をこらして魚を選んでいく。当然外せないのがアジだ。アジフライは仁でも当然の人気メニューである。
サバなども買い込み、パワフルに小型トラックに運び込む。このあともホッケや焼き鳥の具材などを行きつけの店で買い込み、ようようと帰路につく。ここからが大変である。
店につけばすでに起きて待っている婦人と仕込みに入る。
一日の客数を想定し、多めに仕込んでおく。もし足りなくなったりすれば大変だ。仕込みと片付けが終わればようやく就寝、かと思えば帳簿をつけはじめる。まだ寝る気はないようだ。買い込んだ魚を民宿などに卸す魚屋の仕事もしているらしい。
八時、ようやく就寝。一日を終える。
九時、大将が起きてきた。婦人は店内の清掃とメンテナンスの予定を立てている。その横で遅い朝食。トーストにコーヒーだ。
「やっぱり和食ばかりは飽きますか?」
「飽きませんけどね、トーストで気持ちをリセットするというか」
笑った顔は意外とおちゃめである。今日の朝一番の接客担当は娘さんのすずらんさん。まだ二十歳になったばかりの可愛いお嬢さんだ。
「お父さんは好きですか?」
「え、お父さ、はい、尊敬しています」
十一時、定食屋としての仁の一日がはじまる。娘さんの可愛くよく通る声が上がる。
「いらっしゃいませーっ!」
一番に店に訪れたのは壮年の男性。常連客のようで大将に話しかけている。
頼んだのはホッケ定食だ。肉厚で脂ののったホッケがデカデカと盆を占領している。
「こちらへはよく来るんですか?」
「いやあ、ここで定食を食べないと生きてる心地がしなくて」
十二時、ピークがはじまる。娘さん一人が接客に走り回る。まるでワープしているようなスピードだ。しかし、これで走ってはいない。
「走ると怒られるんで」
二時、定食屋としての仁の一日が終わった。アイドリングタイムに座敷に寝転がる大将。娘さんは美味しそうにまかないを食べている。小魚のフリット? 和食屋の大将らしからぬラインナップだ。
「美味しいですか?」
「んふっ……はい」
五時まで休むといよいよ本番、居酒屋、仁。スタートである。
相変わらず異次元の動きを見せる娘さん。
「仕事は楽しいですか?」
「うくっ……楽しいです」
十一時。こうして居酒屋仁も再び眠りにつく。娘さんに挨拶をしておこう。
「お疲れ様でした」
「は、はい。ププッ!」
取材班はここで帰還した。
美味しい食卓と、幸せを貴方に。光里家の提供でお送りしました。健康な生活は食事からですよ!
(なにのりだよ! 最後ほぼスズちゃんのインタビューじゃねーか!)
「いやー、おっちゃんばっかり撮ってたら疲れちゃって」
そういうわけでレッツ・フューチャー。ごちそうさまでした。
夜に新章を投稿予定です。どんどんコメディーになっていきます。よろしくお願いします。




