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大昔、いなかの実業高校での国語の授業を、こんなふうに、やったことがあります

作者: マボロショ

大昔、いなかの実業高校で、国語の授業をした体験、思い出などを、自分なりにまとめてみました。

身辺を整理して置かなくてはならない年齢になっています。


いろんなメモなどを片づけていると、特に目立つのは、実業高校に転勤になって以後の、メモが多いことでした。 でも、こんなタイトルだと、読む気も起こりませんか?


きわめて、特殊な例に見えますか?

 

もし、そう、お思いなら、以下、お読みになるのは、時間の無駄です。おやめ下さい。


希望もしていないのに、転勤させられた所は、いなかの実業高校。生徒は、卒業資格さえもらえれば、勉強はしないで済ませたいという子が大半。


そういう実態に即した国語の授業を、手さぐりしながら、やってみて、満点とは言えないまでも、どうにか手ごたえを得た感触があります。


国語教育は、どうあるべきか。 そういう、大きな問題を考える一助ともなれば、と、公開を思い立ちました。


現代文でも、古文、漢文でも、むつかしいのを理解したい時、どう取り組むのが、いいでしょうか。


私の見聞するところ、原文を少しずつ理解しながら、最後まで行こうとする、そういうタイプの国語の先生ばかりでした。

私は、生徒であったころから、そういう方法には疑問を感じていました。

先生に頼らず、自分で、先に理解しようとしました。

それで、たどり着いた方法は、全体像を、まず、つかめ、そうすれば、部分的なことがらも、確かめ易くなる、ということでした。 100%とまでは申しません。ほんとうに、あらまし。8割でも、十分。


例えば、源氏物語。いきなり、本文に ぶつかるより、解説書などで、主人公の生き方、考え方を、あらかじめ、調べておいて、その上で、原文に当たるのです。適当な現代語訳があれば、それを先に読んでおくのです。そうしたら、原文の、どこに、どういう言葉があるから、そういう訳し方になるのか、分かり易くなります。


具体的な例を挙げた方が、分かってもらえると存じますので、挙げてみます。

ほとんどの例は、すでに、ネット上のどこかに公開済みのものです。それから、つまみ食い的に引用させてもらいます。


資料 1 を御覧下さい。


源氏物語の若紫の巻に、若き日の光源氏が、鞍馬寺のあたりに、お忍びで出かけて、のちの紫の上になる少女を見い出す場面が、教科書には、原文で載っていました。確かに有名な場面ではありますが、高校生に原文を突きつけても、内容は、把握出来ません。

そこで、ウチの学校の生徒でも、8割方理解出来るだろうという程度の、わかりやすい現代語訳をこちらで用意します。それをプリントにして、各自に与えたわけです。


それを通読させ、話の内容が、あらまし つかめてから、現代語訳のどこと、原文のどことが対応しているか、考えさせます。探させます。古文の文法とか、そんな細かいことは、いっさい気にしません。

その程度だったら、ウチの学校の生徒でも、あまり苦労せずに、そして、嫌がらずに、出来ます。

古典に、興味関心を見せる生徒さえ出てくるのです。

実業高校での国語の授業は、それで十分だろうというのが、私の考え方です。


大学に進学しようという者が、ほとんどいないからこそ、大胆に、そんなことが出来るのです。瑣末な文法の説明などは、省略出来るのです。


大きな進学校で、一つの学年を、複数の教員が分担している場合は、進度をそろえたり、全てのクラスに、同じ試験の問題を出そうとしたり、気兼ねが必要になります。


ウチみたいに小さい学校では、私が、好きな進め方で進んで、好きな問題を出していいのです。

そうさせてもらって、わがままな私としては、大いに救われる面がありました。


さて、この、わかりやすい現代語訳、ネットに公開していたら、どこかの高校生が見てくれたようです。

他の現代語訳では、分からなかったことが、この訳では分かって、期末考査の勉強する時、とても助かったとコメントをくれました。 それくらい、分かりやすいのです。 資料2 を御覧下さい。


大きく作品の全体像をつかむのがいいという考えから、光源氏の一生を、黒板に一覧表のように書いて見せたりもしました。何歳の時に、どの女性と付き合ったか、その女性の特色は、簡潔にいうと、どんなだったか、などと。

原案は、私がまとめておきます。これをノートに書き写すだけなら、偏差値の低い高校生だって、簡単に出来ます。

例の、現代語訳を使った年とは、違う学年でのことでした。

そして、定期考査の問題として、「光源氏の生き方についてどう思うか、簡単でいいから、感想を述べなさい」という課題を与えます。

その時の解答を転記したものが、資料3です。


物語全体を通読したかのような感想も、見られます。



同じように、小林一茶の晩年の年表を、黒板に書いたこともあります。

そして、この出来事の時に、この句が出来た、と、句も書きます。

この一覧表を見ただけで、生徒たちは、心を動かしています。それを文に書いもらったのが、資料4です。


進学校のような講義式授業では、生徒の心を引き付けられませんので、自然、対話式になることがあります。例えば、授業中、生徒たちと、どんな対話をしていたのか、例を見て頂くのが、一番 分かりやすいかと存じます。

資料5として、そういう対話の実例を提示します。エピソード1から29までが、女子クラスでの実例、

31から53までが、男子クラスでの実例です。

必ずしも、時間順とは限りません。そのおつもりで、御覧下さい。



定期考査などのペーパーテストだけでは、合格点を取る自信がないという生徒には、何でもいい、作文を書いて提出すれば、400字詰め原稿用紙1枚につき、1点を加算すると約束します。

他のテーマでもよいのに、私の授業に関連することを書いて来る子もいます。そういうのを読むと、授業の雰囲気が分かりやすいと思います。資料6として、3つほど、添付しておきます。


私が出題する定期考査の問題は、符号で解答するものはありません。

必ず、、何かしら、文を書かなくてはなりません.そういう問題の例と、それに対する解答の例を、いくつか、お目にかけます.資料7を、御覧下さい。


なお、これらの資料は、すでに、ネットで公開しているものです。 それをプリントアウトして、まとめております。 特に写真など不鮮明な所は、元のサイトを直接見て頂いた方が、クッキリして分かりやすいかと思います。サイト名「趣味人倶楽部」も、「小説家になろう」も、会員登録していなくても、閲覧は可能です。御面倒でも、そうして頂ければ、クッキリした映像が見られると思います。

念のため、申し添えます。「趣味人倶楽部」は、ほとんど、高齢者ばかりのサイトです。反対に、「小説家になろう」の方には、高齢者は、ほとんどいません。

両サイトとも、ハンドルネームは、「マボロショ」を使っています。趣味人倶楽部のプリントには、私の書いた「日記」に、会員さんからのコメントやメッセージが たくさんありますが、そこで、マボロショとあるのは、すべて、私のことです。

SNSの世界ですから、私も、他の会員さんも、お互い、相手の本名も、こまかい住所も、知りません。

そのおつもりで、御覧頂きたいと存じます。


総じて、勉強なんかキライという高校生にも、国語の時間は、楽しく勉強してもらおう、という傾向が、強く出ていると思います。うまく脚本化出来るなら、朝ドラにだってなるんじゃないか、とさえ思います。

そういう観点から、もう一つ、つけ加えたいプリントを、資料8として添付します。

教科書にあった横光利一の「蝿」という小説を、私が詩にしてみたものに、生徒が曲をつけたりした話です。それをテープに入れて、出張で不在の私の引き出しの中に置いてありました。

他の生徒(後輩たち)には、聞かせないように、と、メモを置いて行ってありましたが、早速、卒業した先輩がこんなテープを持って来てくれたよ、と、後輩たちに聞かせました。……………

とにかく、生徒も、自分も、楽しくなるように、工夫していたら、ユニークな個性の花が咲いたような気がします。

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