6月28日 上手くいかなさ
いつものように屋上で外を見つめていると、諏訪が話しかけてきた。私がいないとなるとここに来るのは習慣だろうか?諏訪は、本来一人で問題を解決する力があるのに私なんか頼ってしまって大丈夫なのだろうか?時々思ってしまう。
私 「なるほどねー」
諏訪「もう、めんどくさいよ」
呆れて言葉が出ないと言った感じなんだろうな。
私 「たしかに、そうだね。じゃあ、野間たちはモメてるの?」
諏訪「まぁ、そんな感じ」
あぁ。クラスに戻りたくないな。でも、荷物もあるしな。必然的に戻らなければならない状態だった。
私 「何が理由なの?」
諏訪「なんか、練習するかしないかみたいな?」
私 「そりゃあ、めんどくさいね」
諏訪「でしょ?」
体育祭に向けた練習をするかしないかで大きくモメているみたいだ。本当にどうでもいいというのが私の本音だった。決してこの本音を伝えるわけにはいかないけど、
私 「どうなったの?」
諏訪「あれから、私は見てないけど。やりたくないなら、辞めればいいのに」
私 「そうだねぇー」
諏訪の言う通りだ。でも、それだけで決めつけるのは違う。きっちりと、野間たちの言い分も聞かないと。
諏訪「七海は、いくの?」
私 「だって行かないとおさまらないんでしょ?」
諏訪「たぶんね」
私が行って、おさまるのならそれでもいいかと思う自分がそこにはいたのだ。それが、私に与えられた役割なのかもしれない。
私 「ホントに困ったものだね」
諏訪「だねぇ」
明日が体育祭というのに、みんなは呑気すぎる。それがいいのかもしれないけど。
私 「野間とあと誰がいるの?」
諏訪「いつもの横山、中村かな」
恒例のメンバーかぁ。
私 「野球部は?」
諏訪「さっさと練習いったよ」
私 「マジで?」
グラウンドに目をやると、たしかにアイツらは野球の練習をしている。見た感じ全員という感じでもないのかな?
諏訪「ホントに困っちゃうよね」
私 「えらいね。諏訪は」
諏訪「どこがよ?」
私 「ちゃんとしてるよ」
私は、こういうのに対してちゃんとできていなかった。この上手くいかなさをなんとなく放置してしまいがちだ。
諏訪「早く行って、解決しようよ」
私 「わかったよ」
諏訪が進む背中を見ながら、私も歩き出したのだった。




