6月26日 受け入れ
お父さんの発言は、正しいように思えた。たしかに、簡単に諦めるの早い気がする。高校を卒業した時、今のままでは絶対に納得できない気がする。だったら、残りの半年間いろんなことに精一杯挑戦しようと思っていた。当然、みんなは受験で忙しいと思うし、一人でしかできないこともある。それでもいい。それでもいいから、自分で納得のいく答えを見つけよう。じゃあ、その納得のいく答えってなんだろうか?お父さんからは、何かやってみないとわからないと言われていた。もし、今やれるとしたらあれしかない。
それは、ランニングだった。前から、ずっと考えていた。怪我をしてから、部活をすることはしなかった。でも、心のどこかで今のままの自分を受け入れることはできていない。もし、もう一度いつか走れたら、何か変われるんじゃないだろうか?中学校の時に怪我をしてから、約3年。あれから、長い距離を走ったことは一度もない。もう一度、医者に診てもらって、どれくらいの距離なら可能か探ることはできるんじやわないかと思う。医者に診てもらうということは、再び絶望の谷に突き落とされるかもしれない。それでも、いいのか?自問自答するとそれを受け入れることができない自分もいる。
正直言えば、あの事故の背景にもいろいろあることが最近になってわかってきた。この前の山﨑、淮南高校の南坂たちは、きっと何かを知っていることだろう。でも、それを知ったからといってどうなるのだ?真実を知れは、自分がなにか変わるのか?それは、大きな間違いだ。蒼大は、私が怪我をした様子を見て、自分もこうなるかもしれないと教えてくれた。それでも、私のように凛としている人でありたいと話してくれたのを今でも覚えている。本気でやれば、スポーツでも他のことでもそれだけリスクがあるということだろう。じゃあ、私がやることはそれをどうにかして受け入れること。
現実を受け入れることは、そう簡単じゃない。それは、真波にしても颯希にしても同じ。私たちは、"BIG3"といういらぬ肩書きがついているから、尚更だった。でも、その肩書きに助けられてきたのも事実だ。そう考えると、尚更頑張らないといけなかったのだ。真波は、今バスケを頑張っており、颯希は勉強に本腰を入れている。そんな中、私だけ頑張っていないというのは紛れもない事実。今の現実を受け入れ、今日から体を動かしてみよう。そうすることでしか踏み出せない一歩だった。




