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6月21日 3区(聖淮戦)

 2区が終わって約15秒差。私たち聖徳高校が淮南高校を追う展開は変わらなかった。1区の二宮、2区の藤井と大崩れをすることはなかったが、少しずつ離されてきていた。現在は、3区の吉見が走っている。この先、どういう展開になるかはわからないけど、若林が言う1分差を守れればという淡い期待を寄せていた。ここから見ていたサッカー部は、どうやらアディショナルタイムに入った様だ。沢田、宝来、工藤とヤンチャな選手が揃っているだけにどういう試合になるかはとても興味深かった。

 もう一つ、サッカー部に興味がある理由があった。それは、"南坂萌音"の存在だ。彼女の存在を知ったのは、この前のミーティングの時だった。生徒会長兼サッカー部マネージャーだということは、朝知ったのだ。


 ー6月19日 ー


 久しぶりだね?私の目の前には、凛とした女の子が立っていた。聖徳高校にはいないような女の子。話し方、顔、服装全てが綺麗だった。真波や颯希も凄いけど、そこに割って入れるくらいの実力があるんじゃないかと思ってしまう。


 私 「どうも」


 立っていたのは、南坂萌音。淮南高校の生徒会長ぁった。私の挨拶に手を振っていた。


 南坂「聖徳のグラウンドって広いよね?」

 私 「そう?」

 

 いきなりグラウンドの感想かぁ。何者なんだろうな。この人?


 南坂「私のこと覚えてる?」

 私 「うん。この前のミーティングにいた?」

 南坂「そうそう」


 私たちがここに居合わせたことは偶然なのだろうか?必然なのだろうか?


 南坂「何部なの?」

 私 「私は、マネージャーだよ」

 南坂「マネージャーなの?」


 彼女が何を言いたかったのかはわからなかった。


 南坂「私、あなたのこと知ってるよ」

 私 「え?」


 何をしっているの?少し怖かった。


 南坂「BIG3で中学校の時は陸上部」

 私 「そうだけど」

 南坂「凄いよね!BIG3って」


 話をしていると、だんだん苛立ってきた。


 私 「私は、そういうの興味ないから」

 南坂「そうなんだ。ふーん」

 私 「用がないんだったら、私行くけど?」


 完全に苛立っている私は、なんとなく制御不能になっていた。


 南坂「用ならあるよ」

 私 「何の用?」

 南坂「今年の"聖淮戦"で勝った方が来年の開催場所っていうことにしてよ」


 もう、ほんとにめんどくさい。

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