4月17日 リレー2
今日は、日曜日ということもあり、カフェでプログラミングの学習をしていた。すると、真波と颯希のグループLINEに連絡が入った。颯希が、あの日の陸上競技大会の写真を送ってきていた。偶然にも、3人がきちんと写っていたことに驚いた。
ー3年前ー
私たちは、中学校生活最後の陸上競技大会に、来ていた。お昼休憩に、私と同じ中学校の栞と八代南中学校の生徒とモメてしまう場面があった。しかし、八代南中学校の一人の生徒が仲介してくれたことで、場はなんとかおさまった。
そして、午後の部から始まった200Mリレーでは、ここまで、栞、帆足へと繋いできた。そして、リレーは、後半を迎えた。帆足から第三走者の大野へとバトンが回された。
大野は、バスケットボール部に所属。普段のクラスでは、静かにしているが、部活動では、みんなを引っ張るしっかり者のキャプテンだそうだ。
先頭を、八代南中学校に抜かされた状態で、バトンを受け取った大野。大野は慌てずに、先頭を走る八代南中学校の選手の背中を追いかけた。大野が追いかけていた生徒は、先ほど、私たちのところにきた瀬戸という女の子だった。大野は、一生懸命走るが、なかなか距離は縮まらない。
このままだと、3位の八代東中学校の土屋に抜かされる。私は、テークオーバーゾーンというバトンパスをもらう範囲のところで、大野を待っていた。大野は、少しツラそうな表情をしているように見えた。だが、次の私にバトンを渡そうと歯を食いしばっていた。最終コーナーを回ったところで、3位だった土屋に抜かされて、私たちは、3位に転落したのだった。
1位でもどってきた八代南中学校は、高田へ。高田は、とても可愛らしい顔をしており、先ほどモメていた栞の相手の子の近くにいた生徒だった。高田に関しては、午前中、大野から話を聞いていた。高田は、大野と同じバスケット部で、県ナンバーワンの選手らしい。大野からは、賞賛の声しか聞いてなかった。
そして、2位になった八代東中学校は、五十嵐へ。五十嵐は、ロングヘアで、今は、ポニーテールになっていた。160cmほどの長身ということもあり、他の生徒より、頭一つ分ほど大きく見えた。先ほど話をした瀬戸や高田と知り合いの様子で、彼女たちが話をしているのを見た。
五十嵐がスタートする頃、大野が戻ってきた。大野は、必死に手を伸ばし、バトンを渡してくれた。私がバトンをもらった時、小さな声で「ゴメン」とささやいた。
4位の八代西中学校は、皆川へ。ポニーテールで、額にサッカー選手がつけるヘッドバンドをつけていた。
5位の大森中学校は、矢田へ。矢田は、高田同様とても可愛らしい顔をしていた。高田は、優しくほがらかな愛嬌があるような可愛さ。一方の矢田は、顔が整っていて、姿勢や所作が美しく気品があるような可愛いさだ。
私と1位までの差は、約2秒ほど走りだした。その時の私の表情は、鬼のような目つきをしていたことだろう。それくらい気合いが入っていた。