6月18日 背番号
私は、野球部の話をドリンク作りながら聞いていた。今日は、大事な背番号発表の日。エースの橘が「1」、橋本が「2」、川中の「3」、八幡の「6」。ここまでは、野球部じゃない私でも理解できた。問題は、残りの数字だ。たしか、"聖淮戦"のベンチ入りは、20人って若林が言っていた。佐伯の「5」と山里の「8」は確定のよう。となると、あとはレギュラー番号はセカンド、レフト、ライトの3つかぁ。あれは、定本か?定本といえば、3年4組。
真波と一緒だ。たしか、セカンドを守っていると若林が言っていたな。チラリと見えた背番号は、「4」。ってことは、レギュラー番号を勝ち取ったのは定本か。残りは、「7」と「9」。誰がもらったんだろう?私は、野球部の話を聞き耳を立てた。しかし、なかなかその話は出ていない。よく見ると、早川が「12」、田畑が「18」、山田が「19」を持っているのがわかった。早川や山田は、まったく嬉しそうな表情は見せない。やっぱり、レギュラー番号じゃないことに納得はしてないんだろうな。
橘は、竹田の方に近づきピッチャーの番号だということがわかった。おそらく、竹田が「10」、葛西が「11」。残りは、飯田と永谷かぁ。すると、私の後ろからゆっくりと歩いてきた。あれは、永谷だ。しかし、永谷は、背番号は持っていない。その代わり、飯田が持っていた。二つ持っているな。「15」と「17」。どちらもレギュラー番号ではないみたいだ。ここまで、みんな持ってないとなると2年がレギュラー番号なるのか。
若林「全部できた?」
私 「うん」
慌てて、返事をした。
若林「背番号気になるの?」
私 「そうね」
若林「安田と小山が一桁番号らしいよ」
そうなんだ。やっぱり、3年じゃなかったんだ。
若林「あとは、向井、塩尻、小山が入ったよ」
私 「相変わらず、よく知ってるな」
若林「だって、見てたからな」
見てたの?相変わらず、何してるかわかんないな。
若林「でも、もっと驚いたことはあるよ」
私 「何それ?」
若林「あとで言ってあげるよ」
私 「早く言ってよ」
ゆっくり言う若林にハラがたった。
若林「俺らも明日、勝たないといけないからな」
満面の笑みを浮かべて私の方を向いた。でも、若林の言う通り、私たちも明日は負けられない戦いがあるのだった。




