4月16日 リレー
今日は、久しぶりに病院に行く日だった。中学時代に怪我をした時からずっと、病院に通院していた。怪我をしてからは、激しい運動はしてこなかったが、昨年の球技大会で真波や颯希とバスケットボールをしてから、また痛みが再発していたのだった。
ー3年前ー
いよいよ午後の部で開催される女子200Mリレーが始まった。このリレーは、各学校4人でバトンをつないでいく。私たちは、4人で集まり声を出し合い、その後、準備に入った。私は、アンカーということもあり、3人の背中を見ながら、足をほぐしていた。
〈八代南中学校〉
1 最上柚月
2 田中優衣
3 瀬戸明日花
4 高田真波
〈八代北中学校〉
1 宮城栞
2 渡邉祐奈
3 大野友紀
4 篠木七海
〈八代西中学校〉
1 湊谷渚
2 杉原美祐
3 大和田沙羅
4 皆川佳穂
〈八代東中学校〉
1 入江未央
2 北尾雫奈
3 土屋陽菜乃
4 五十嵐実咲
〈大森中学校〉
1 室屋結花
2 星野美涼
3 中川楓
4 矢田颯希
そして、各学校の第一走者がスタートの準備についた。私たちの第一走者は、宮城栞。栞は、バスケ部で運動神経が抜群によかった。八代北中学校では、私の次に足が速かった。
審判が声をかける。「位置について、よーい」。審判のスタートの合図が鳴った。各学校の生徒が一斉に走り出した。
第一走者の栞は、号砲の合図と共に勢いよくスタートを切った。私は、栞のスタートとともに、紐を強く結び直していた。私の前にいた、渡邉と大野が大きな声で応援をしている。それに応えるように、栞は、一番前を走る。後方の中学校の生徒も必死に走るも、追いつけない。勢いそのままで、一位で次の最上にバトンを渡した。
走り終えた栞は、つらそうな表情を見せながら、第二走者の帆足の姿を見ていた。渡邉は、バレー部に所属しており、エースの存在だ。県大会で準優勝して、MVPにも輝いていた。最初は、勢いよく飛び出したものの、渡邉を追いかける八代南中学校の選手との距離が段々近くなっている。渡邉も一生懸命走っているが、その差がさらに縮まる。そして、第三コーナーあたりで、渡邉の横を通り過ぎた。
応援していた栞は、「あぁ、抜かれるー!」と大きな声で叫んでいた。一位が八代南中学校、二位が八代北中学校で第三走者の大野へとバトンが渡った。