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5月31日 紅白戦10(オプション)

 中間テスト初日。私は、50分間きっちり時間を使って問題を解き終えたのだった。解答用紙が回収される直前まで悩んでいた。正解は、一つ。どうにかしたら、答えが導き出せるはずと意気込んでいた。明日は、テスト2日目に入る。


 ー5月22日ー


 5回が終わり、紅白戦は、終盤の6回に入っていた。このまま、蒼大のいる紅組が勝つのだろうか?紅組は、5回に4点を取り、5対0という試合展開だった。マウンド上には、蒼大から山城が入った。そして、蒼大は、キャッチャーではなく、レフトに入ったのだ。


 私 「なんで、蒼大は、キャッチャーじゃないの?」

 橘 「オプションじゃないか?」


 言っている意味を理解できなかった。英単語か?


 私 「オプション?」

 橘 「うん。つまり、キャッチャーじゃないところでもいけるかっていうこと」


 ああ。"option"ということか。


 私 「なんで試すの?」

 橘 「詳しいことはわからないけど、今日だったら源田の調子がよかったらベンチに下げるのもったいないだろう?」


 山城は、先頭バッターをサードゴロに仕留めた。橘くんは、試合を見ながら、きちんと説明してくれた。


 私 「ああ。そういうことか」

 橘 「他にも、雄大が調子よければ、キャッチャーで使うこともできるんだよ。そっかぁ」


 そうなると、蒼大と雄大が一緒に試合に出ることもありえるんだ。


 私 「なるほどね」

 橘 「チームスポーツだとこういうことはよくあるよ」


 私は、チームスポーツと無縁だったから、そういうことは全く知らなかった。


 私 「奥が深いんだね」

 橘 「レギュラー争いも激しいけどね」


 たしかに、そうだな。


 私 「弟は、どうなの?」

 橘 「櫂衣?」


 普段から、橘くんはあまり弟のことは語らない。そこに何か意味はあるのだろうか?


 私 「うん」

 橘 「まぁ、頑張ってるんじゃないの?」


 意外だった。橘くんは、てっきりもっと評価しているのかと思った。


 私 「上手くないの?」

 橘 「アイツらの代だと、蒼大がいるからね。みんな蒼大を目標としてるんじゃないの」


 つまり、橘くんも蒼大には、一目置いているということなんだ。私には、その凄さはまったくわからないけど。


 私 「そうなんだ」


 打球は、セカンドが処理してツーアウトとなった。

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