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4月15日 大事件

 私は、いつものように机の中に、スマホを忍ばせ、プログラミングでわからないところがあった時に調べていた。すると、少し太もも当たりに、痛みが走った。おそらく、私の足に残る傷跡が原因だろう。普段、この傷跡は、見えないようにしている。この傷跡は、中学校3年生の時に怪我をしたものだ。あれから、もう3年が経とうとしていると考えると、不思議な感覚になっていた。


 ー3年前ー


 お昼ご飯の時に起きたケンカの止めに入るため、寺崎と更衣室前に来ていた。私たちは、栞をなだめるも、栞は、言うことは聞かない。栞によると、奥にいる生徒は、八代南中学校の子らしい。


 寺崎「もぅ、栞。帰るよ」

 栞 「嫌だ」

 寺崎「どうしたら、帰るの?」

 栞 「どうしたらって、あの子が謝ってくるまで」

 寺崎「そんなの、いいじゃん。帰るよ」


 栞はヘソを曲げて、帰ろうとしない。すると、向こうの生徒のところに3人ほどの女の子がやって来て、何か話をしている様子だった。寺崎は、栞に呆れて、少し離れた私の方にやって来た。


 寺崎「七海、どうする?」

 私 「完全にキレてるね」

 寺崎「だよね。スイッチ入っちゃってるよ」

 私 「そもそも、何が原因でモメてるかわからないしね」

 寺崎「そうなんだよね。もう少し、わかっていたらね」


 私たちが二人で話をしていると、後ろの方からショートカットの女の子が声をかけて来た。


 女の子「すいません、今大丈夫ですか?」

 私  「はい」

 女の子「私、八代南中学校の南野です」

 

 声をかけて来たのは、八代南中学校の子だった。


 私 「八代北の篠木です」

 南野「どうも、うちの学校の砺波がそちらの生徒とケンカしたみたいで」

 私 「あそこにいる子ですか?」

 南野「そうです」

 私 「何が原因だったんですか?」

 南野「私も詳しいことはわからないんですけど、スマホを触っていたそちらのサイトに、うちの砺波がぶつかって、そちらの生徒のスマホの画面が割れたみたいで。そこから、口論が始まったみたいらしくて」


 栞は、いつもスマホを触っているので、画面が割れたとなると怒っても不思議ではなかった。


 私 「そうだったんですね」 

 南野「砺波には、戻るようにお伝えするので、そちらの生徒にも戻っていただけるようにしていただけますか?」

 私 「そうですね、ここで争っていても仕方ないですもんね」

 南野「ごめんなさいね」

 私 「いえいえ、こちらこそありがとうございます」


 南野は、お辞儀をしながら、私たちの所を去って行った。


 寺崎「さっきの人、いい人だったねぇ」

 私 「そうだね。ありがたいね」

 寺崎「もう一回、栞のところ行って戻ってくるように言ってくるわ」

 私 「わかった。じゃあ、私は、先にみんなのところ戻っとくね」


 そう言って、私たちは、別れた。私は、西野と大野がいる体育館前にもどった。しかし、この判断が後の大きな事件になるとは誰も思っていなかった。

 


 

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