5月29日 紅白戦8(第3ラウンド)
中間テストまで残り2日。私は、数学の課題をや終えた。まだまだ、課題自体はたくさんあったが、少し先が見えた感じがしたのだった。私は、ペンを置き、洗濯していた服を干すことにした。この前見ていた、ドラム式洗濯機だったら、自動で乾くから早いのかな?最近、洗濯機や食洗機など家電のことを考えることが多くなった。高校生でこんなことを考えているのは私くらいだろうか?でも、私は悲観的では全くなかった。いずれ終わる弟たちの家事ができることは喜ばしいことだと思っていたからだ。
ー5月22日ー
打席に入った雄大は、大きくなったなと思わせられる。ピッチャーの蒼大ほど、まだ堂々とはしてなかったけどこの舞台に立てていること自体、私は嬉しかった。蒼大と雄大の兄弟対決3ラウンド目の幕が上がった。蒼大は、ワインドアップから第一球目を投げた。雄大は、綺麗に見送った。審判からストライクのコールが告げられも、全く動じなかった。一方、ピッチャーの蒼大は、何かを考えているみたいだった。あんなに凄い球を投げられるのにまだ考えるのか?弟ながら頭が上がらないな。
第二球目を投げる前に、雄大は、一度打席を外した二度ほどバットをスイングした。兄の蒼大ほど力強さは感じなかったものの、何かしてくれるんじゃないかという期待を抱いてしまった。そんな中、蒼大は、二球目を投げこんだ。ボールは、外角低めに決まった。ボールと言われてもおかしくないところだったが、判定はストライク。少しばかりか、雄大の顔が歪んだように見えた。これでノーボールツーストライク。蒼大有利になった。ここから、どうなるだろうか?兄弟対決3ラウンド目。
やはり、蒼大の顔が気になる。どこか引きつっているように感じたのは私だけだろうか?全体的に力が入り過ぎてるのか。バッターボックスに入った雄大の方がリラックスしている気がする。2安打しているせいなのだろうか?そんな二人の表情を見ていると、なんだかドキドキしてしまっていた。蒼大が投げた三球目を雄大が綺麗に打ち返したのだ。長打まではいかなかったが、きっちりセンター前へはじき返し、これで3打数3安打となった。
一塁ベースを回ったところで、ゆっくりと戻ってくる雄大はしてやったりといった表情だろうか?一方、打たれた蒼大は、少し落胆している様子だ。さすがに3安打されたらへこむのか?蒼大も。私は、ヒットを打った雄大に向かって拍手をしながらマウンド上にいた蒼大を眺めていた。




