5月28日 紅白戦7(中途半端)
今日は、朝から蒼大と雄大のお弁当を作り終え、お父さんの朝ごはんを作り始めた。
ー5月22日ー
橘 「厳しいね、七海ちゃんは」
私 「そうかな?」
自分が厳しいことを言ったつもりは全くなかった。
橘 「みんな自分だけでは勝てないのわかってるんだよ」
私 「そりゃあそうだけど」
言いたいことはなんとなくわかる。
橘 「凄いピッチャーとかバッターいたらそれについていく。意外と普通だよ」
私 「そうなの?」
私の問いに対して、橘は何か思ったみたいだ。
橘 「そうだよ。北條さんだってそうでしょ」
うっすら笑みを浮かべた。
私 「えっ?」
私は、動揺してしまった。
橘 「なになに?」
私 「うーん。知ってるの?」
クソぉ。コイツに主導権を握られてしまった。
橘 「どうだろうね?」
私 「うわぁ。最低」
相変わらず、コイツの情報量はさすがだった。誰かに言わなきゃいいけど。怪しいなぁ。
橘 「なんで、最低なんだよ」
私 「どこから知ったの?」
橘は、真顔になった。
橘 「そんなの教えるわけないだろ」
私 「えー、もうー」
こういうのが一番困る。
橘 「はははははは」
この笑顔は、よく見たことがある。いつも、野球部のメンバーたちとふざけている時に出るやつだ。
私 「じゃあ、ノーコメントしないとね」
橘 「もう、遅いけどな」
その通りだ。もう遅い。
私 「でも、私は蒼大にはどこで野球してもらってますかまわないけどね」
橘 「なんで?」
そんなのは決まっている。
私 「別に公立でも私立でも、何かが変わるっていうことはないと思うし」
橘 「本気でやるなら私立の方がいいでしょ」
橘の質問に対して答えは、決まっていた。
私 「そんなことないよ。私は、本気でするなら公立でも私立でも一緒だと思うよ」
言い切った。
橘 「なんで?」
まだ、納得がいかないみたいだ。
私 「私立だから、野球に集中できるなんて嘘だよ。その程度なら、私立でもレギュラーはとれない。中途半端な奴はそのくらいの結果しか出せないよ」
橘の言う通り、傑もそうだった。中途半端な努力では結果なんて絶対に出ない。
橘 「うーん。どうだろうな」
5回表、再び打席に雄大に回ってきた。




