5月27日 紅白戦6(一服)
期末テストまで残り4日。私は、課題を終わらすために勉強にうちこんでいた。勉強して、もう2時間になるというのに、なかなか課題は終わらなかった。
ー5月22日ー
ランニングホームランを打ったピッチャーの蒼大は、何も気にせずマウンドに上がっていた。打った勢いか二者連続三振にとり、大きな声を出していた。白組の打線は、意気消沈しているみたいだ。蒼大は、落ち着いて投げている。まるで、練習で投げているようだ。ベンチから声を出す雄大は、バットを持ちながら、タイミングを測っていた。おそらく、次の回に回ってくる。今日は、2打数2安打。三塁打に二塁打。あと、ヒットとホームランが出れば、サイクル安打にもなる。そんな余計なことを雄大が考えてなければいいのに。
レフトフライでスリーアウトチェンジとなった。蒼大は、みんなとハイタッチしながらベンチへと帰ってきた。ここまで、1対0で紅組が1点リードした状態で5回裏を迎えようとしていた。横にいた橘は、スマホを見ていた。完全に飽きてるみたいだ。私も少し疲れたのは事実だ。お茶を飲み、一服することにした。
橘 「篠木さん!!」
私 「どうしたの?」
さっきまでスマホを使っていた橘は、私の方を向いていた。
橘 「弟の進路決まった?」
私 「あぁー、進路ね」
おそらく、聖徳に行くのだろうけど弟のことを詳しく言うのは避けた。
橘 「うん」
私 「聖徳って言ってたけど、その後は知らないな」
橘 「また、決まったら教えてよ」
私 「なんで?」
橘が聞いてくるのは意外だった。
橘 「有名らしいよ」
私 「なにが?」
橘 「どこの高校行くか」
私 「どういうこと?」
わけがわからない。
橘 「どこの高校に行くかで、周りの子も高校変えるみたいだよ」
私 「えっ、ホント?」
橘 「らしいよ」
私 「なんで?」
こっちが聞きたい。
橘 「みんな勝ちたいからじゃないの?」
私 「あぁ、そういうことか」
弟についていけば、勝てるという算段なのか。
橘 「凄いよね」
私 「でも、私はその考え好きじゃないな」
橘 「なんで?」
真っ直ぐ見てきた。
私 「だって、結局人頼みじゃん」
橘 「たしかにな」
私 「そんなんだったら、どこにいってもレギュラーなれないよ」
私の厳しい一言に橘はひいているみたいだった。




