表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
46/80

5月26日 紅白戦5(唖然)

 中間テストまで、残り5日。あまり、勉強していなかったけど仕方ないと諦めムードの私。スマホの画面を見た時、そんな私を叱ってくれる仲間が私にはいたことに気がついたのだった。


 ー5月22日ー


 ふぅー。大きく息を吐いた。これが、親の気持ちだろうか?私は、親ではないからわからない。しかし、このなんとも言えない複雑な気持ち。いつもこんな気持ちを抱きながら応援していると思うと、なんだか胸が痛くなる。私の気持ちは、無事試合が終わること。それだけだった。どちらが勝つとか負けるとか。この試合では、そんなもの期待してなかった。でも、他の親は違うのだろうか?大事な我が子が活躍している姿を見たいのだろうか?

 4回裏。バッターボックスに入った蒼大は、何か考えている様子だった。白組は、ここまで紅組のピッチャー黒田を打てないで苦戦していた。打者12人、ノーヒットピッチングが続いていた。バッターボックスに入った蒼大は、何かをしようとしている気がした。初球、蒼大は、セフティーバントの構えをしようとしたのだった。しかし、ボール球だったということもあり、すぐさまバットを引いた。おそらく、確実に塁に出ようと考えているのではないか。

 すると、横にいた橘が何かを叫んでいた。考えられることは、ヒットを打って自分の弟がいる白組を応援したいという思いなのだろう。すると、蒼大の打球は、左中間へと飛んでいった。ウォー!!観客席からは大きな声が飛び交った。あそこまで飛ばすバッターはなかなかいないな。橘たちが話していた。一塁を蹴って、二塁へと目指していく。キレイなバッティングだ。しかも、あんなに飛んでいくなんて私も驚きだった。もともと、後ろに下がっていたレフトよりも、さらに飛んでいったのだ。リードしていた弟のキャッチャー雄大は、マスクを取りながら、唖然としている様子だった。二塁を蹴った頃、ようやくボールにレフトが追いついたみたいだった。

 あれは、反則だな。打った我が弟より、打たれて唖然としていたキャッチャーの雄大の方が心配だった。三塁を蹴って、そのままホームに帰ってくるボールは、ショートの今田に渡ったが、ホームベースまではかなりの距離があった。サードベースを回った蒼大は、ホームベース前で少しスピードを緩め、立ったまま帰ってきたのだった。ベース前ですれ違った雄大は、何を思うだろうか?二人の心境を想像した私だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ