5月25日 紅白戦4(第2ラウンド)
中間テストの課題ももう少しで終わらすことができそうだった。
ー5月22日ー
4回表。兄弟対決第2ラウンドを迎えようとしていた。マウンドには、ここまでヒット1本打たれた蒼大。そして、ネクストバッターサークルに兄を見つめる雄大がいたのだ。打席には、3番の川崎が入った。3番の川崎は、今のレギュラー陣にも引けをとらないバッティングセンスがあった。
しかし、川崎が守るポジションには、不動の1番である青山がいたのだった。それでも、次期キャプテン候補であり、今の2年生の中では圧倒的存在感だった。ストライク。バッターアウト!!またしても、三振に倒れてしまった。これで、このイニング2つめの三振を奪った。
雄大に見せつけるかのようなピッチングだった。そして、雄大が打席に入った。今度も二人は、真剣な様子。第一打席同様、蒼大は、大きく振りかぶって第1球目を投げこんだ。しかし、雄大は、平然とボールを見送った。判定は、ボール。ホッとした様子に見えた雄大とストライクじゃないかと判定に不服そうな蒼大がいた。
第一打席に三塁打を打っている雄大は、やや余裕があるように見える。そして、2球目もボールとなり、ノーストライクツーボールと雄大が有利なカウントになってしまった。そして、3球目は高めに外れた。これで、ストライクを入れるしかなくなった。やっぱり、第一打席の三塁打が効いているのだろうか。打たれまいと力むから、余計ストライクが入らない。そんな感じがした。一方、バッターの雄大は、きっちりストライクとボールを見極めている。
今度は、ストレートではなくカーブみたいな変化球だった。横から、橘がスライダーと叫んだ。あれは、スライダーなのか?次の瞬間、金属音が聞こえた。打球は、再び、左中間に。さっきの繰り返しか?第一打席と同じようにレフトとセンターが追っていく。雄大は、一塁ベースを蹴った。打球に追いついたみたいだっが、もう既に二塁には到着しそうだった。
ヨッシャー!!!。再び、三塁側ベンチから大きな声が湧き上がった。兄弟対決第2ラウンドも、雄大の勝ちか。蒼大にとっては、なかなか大変な展開になってしまった。しかし、これで倒れないのが兄の威厳なのか。ツーアウト二塁となったが、再び5番の黒田を三振にとり、悠然とベンチに帰っていく姿は、さすがだった。雄大の二塁打は、想定内と言わんばかりのピッチングだった。




