5月24日 紅白戦3(センス)
今日は、弟が6時に家を出ていくことになっていたから、いつもより早めのお弁当準備だった。こんな生活がいつまで続くのかと思うとなんとも言えなかったけど踏ん張るしかなかった。
ー5月22日ー
第1ラウンドは、雄大の見事な三塁打で勝利した。
橘 「もう一人の弟もやるじゃんか」
私 「どうだろうね」
もう一人の弟かぁ。そう言えば、昔から雄大の方が手にかかる弟だったなぁ。
橘 「あんなヒット打てるんだから」
私 「でも、野球センスだけだ言えば、もともと雄大の方があったのよ」
試合は、3回裏を迎えようとしていた。
橘 「そうなの?」
打球とともに、大きな声が聞こえてきた。
私 「野球始めた時から、雄大はセンスが凄かったの。後から始めたはずなのに、あっという間に蒼大を追い抜いてしまってね。残酷だよね。センスって、、、」
そう。蒼大は、遅咲きなのだ。だから、彼の努力が実るように応援してるのかもしれない。
橘 「なんか、わかるなー」
私 「わかる?」
橘 「そりゃあ、わかるよ」
だんだん野球にも飽きてきたみたいだ。
私 「橘くんでも、センスとか相手に感じるんだ」
橘 「俺のことバカにしてるんだろ?」
下を向きながら答えた。
私 「ハハハハ。冗談、冗談」
橘 「野球で言えば、俺もセンスないからな」
橘でもそう思うことに驚いてしまった。
私 「それ、他の人の前で言ったら怒られるでしょ。一応エースなんでしょ?」
橘 「そういう設定ではあるけどな」
ある意味、自分の実力がどんなものか知っているみたいだった。
私 「センスねー」
橘 「それで言えば、七海ちゃんもセンスでしょ?」
私 「えっ、私が?」
自分にセンスなんて感じたことはなかった。毎日、弟たちの面倒見て、学校行ってとかしてたら大体一日は終わる。
橘 「そりゃあ、そうだろ。勉強できて、スポーツできて。おまけに可愛いってきたらね。女の子から恨まれそうだけど?」
たまーに言われるセリフ。なんか、BIG3っていう括りに入れられてからそういうのよく聞くようになったな。たしかに、颯希や真波は該当すると思うけど、私は違うかな。
私 「そんなこと考えたことないな」
橘 「でも、よく言われない?」
私 「たまに言われるかな」
チェンジになって攻守交代となる。




