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5月23日 紅白戦2(第1ラウンド)

 期末テストまで残り1週間。できる限りのことはしようともがいていた。


 ー5月22日ー


 注目の兄弟対決が始まろうとしていた。マウンド上には、兄の蒼大。打席には、弟の雄大。どんな結果になるのか。どちらも真剣な顔をしている。そんな姿を見せてくれるだけで姉の私としては嬉しかった。

 グラウンド上からは、大きな声が聞こえる。キャッチャーのサインに頷いた蒼大は、左足を下げ、振りかぶった。打席に立つ雄大は、蒼大に合わせるよう足を上げたを蒼大のボールは、ど真ん中にきた。しかし、雄大は、振らなかった。

 ストライク!!!。審判の声が聞こえた。ワンストライク。蒼大は、いつものように淡々と投げているイメージだった。再び、大きく腕を振りかぶった。足をあげ、前に踏みこんだ。今度は、インコースだ。バッターボックスの雄大は、またしても見送った。しかし、雄大は、表情一つ変えず蒼大の方を見つめているみたいだった。

 わすが2球で追いこまれた雄大は、どんな気持ちだろうか?バッターの雄大は、いつものようにバットを構えた。今日ばかりは、雄大に幸運の女神が微笑んでいたのだろう。3球目のボールを強く振り抜いた。打球は、左中間を抜いていきレフトとセンターはボールを取りに行く。バッターの雄大は、一塁を蹴って二塁へ向かって進んでいく。打たれた蒼大は、笑顔のまま三塁に進んだ時のためにベースカバーに向かっていた。悔しい中でも、どこか嬉しそうに見えた。

 レフト、センターは、まだボールに追いついてない。ひょっとしたら、、、、。三塁のランナーコーチは、右手をグルグル回し、三塁ベースまで走るように指示したのだった。ようやく、ボールに追いついたレフトだったが、ショートにボールを返すのがやっとだった。三塁ベースに到達した雄大は、あふれんばかりの笑顔で下から上へと拳を挙げた。

 シャー!!!白組のベンチからは大きな歓声が上がった。打たれた蒼大は、マウンドへと戻っていく。悔しいはずなのに、どこか嬉しそうに見えたのは、兄だからな気がした。こうして、兄弟対決第1ラウンドは、雄大に軍配が上がったのだ。これが、兄弟対決か。何とも言えない雰囲気だったけど、見に来てよかったとだけは思えた。しかし、圧巻だったのはここからだ。5番黒田、6番星村、7番橋川を三者連続三振で切り抜けたのだった。これには、三塁ランナーにいた雄大もあっけにとられているみたいだった。

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