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5月12日 決勝戦

 GWが明けた今日は、午前中授業が終わり、すぐにこのスタジアムに向かった。決勝ということもあり、大きなスタジアムに大きな歓声が上がっていた。決勝の対戦相手は、園田学院中学校。こちらも、準決勝の道和中学と同じで中高一貫校だ。

 今日は、劣勢の展開が続く。序盤にセンターの新田のエラーから失点をした後、なかなか点がとれない。5回が終わり、0対1。1点が重くのしかかっていた。決勝のマウンドには、我が弟、蒼大が立っていた。序盤の1回に点をとられたらしいが、頑張って投げているらしい。

 私がスタジアムに着く頃には失点していたけど、私には、いつも声をかけてくれていたのは、青山さんがいた青山さんの息子さんは、1番セカンドで試合に出場していた。急いできた私に、現状を伝えてくれた。3回頃に着いてから、蒼大は頑張って投げているように見えた。毎回、ランナーを出す展開だったが、コーナーに投げ分け失点を許さずにしていた。家ではクールな蒼大だったけど、グランド内では何度も大きく吠えていた。そんな蒼大を応援せずには、いられない。再び拳に力が入っていた。

 

【八代北中学校】

 1番 青山晴人 二塁手

 2番 新田大容 中堅手

 3番 橘櫂衣  遊撃手

 4番 篠木蒼大 投手

 5番 脇直哉  左翼手

 6番 源田雄二 捕手

 7番 古山透  三塁手

 8番 空田豊  一塁手

 9番 深北星矢 二塁手


 6回表、八代北中学校の攻撃は、1番の青山からの打順となった。高崎中学校のエース戸山は、これまでの勢いを止めないと言わんばかりにストライクを連続して投げていく。青山は、簡単にツーストライクに追い込まれてしまっていた。

 時折、私は、青山さんのお母さんを見ながら、バッターバックスを見つめた。青山さんのお母さんは、祈る様に見つめていた。カキーン"。打球は、センターとライトの間を抜けていく。打球の速度と比例する様に野球部の声援も大きくなっていた。青山さんのお母さんは、ランナーコーチャーのように手をぐるぐる回していた。これが、母の思いなのだろうか?三塁についたころには、大きな拍手が鳴り響いていた。

 手と手の肌が触れ合った。青山さんの母さんは、私にハイタッチを求めてきた。ノーアウントランナー三塁。これは、大きなチャンスだ。ゆっくりと左バッターボックスにだったのが新田だった。すると、向こうの方から、男の子が何人かやってきたのだった。

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