4月13日 ケンカ
今日は、教室内が異様な雰囲気に包まれていた。私が来た時には、何も起きていなかったが、佐藤が私のところに来てくれて、事情を説明してくれたのだった。
話を聞いてみると、朝からケンカが起きていたらしい。高校3年生になって、3日目でケンカが起きるクラスというのもどうなんだろうなと思ってしまっていた。クラスの委員長は、先ほど、私のところに話しかけてくれた佐藤。彼女もどうしたらいいのか困っていたんだと思う。
ケンカをしたのは、野間と八幡らしい。男の子同士のケンカということもあり、佐藤や私では対応しにくいんじゃないかと思っていた。野間はバスケ部で八幡は野球部。それぞれ、同じ部活の横山と橘がいたので二人を呼び出した。
私 「八幡、怒ってる?」
橘 「うーん。怒ってるかな」
橘と横山は、私の机の前にやってきた。
私 「野間は?」
横山「野間は、そんなにかな」
私 「そうなんだ。そもそも、なんでケンカなったの?」
横山「なんか、ボールが当たったかなんか」
横山は、投げるふりをして答えた。
橘 「そうそう。橘と俺でボール投げてて、それが近く歩いてた野間に当たってブチぎれたみたいな」
横山「今日、朝練あって、野間は機嫌悪くて」
橘 「朝練あったんや」
横山「そうそう。もうすぐ春の大会あるから」
橘 「そうなんや」
橘は、さっき使っていたボールを上に投げながら遊んでいた。
私 「で、ボール当たったあとはどうなったの?」
話がそれたいたので、私は話をもどした。
橘 「そりゃ、野間が八幡にパンチくらわして」
横山「でも、八幡が怒ったん意外だったな」
橘 「いや、俺も見たことなかったからビックリした」
横山「八幡って、野球部でも怒らんの?」
橘 「怒らんね。めっちゃ優しいからな」
横山「よっぽど腹たったんかな?」
橘 「そーなんよ。まぁ、悪いのは橘なんやけどな」
横山「野間は、ケンカっぱやいからな」
橘 「いや、まじで、野間は怖いわ」
横山「野間もエエやつやねんけどな」
クラスが異様な雰囲気に包まれていたのは、野間がブチぎれて八幡と殴り合いになったからだという結論に落ち着いた。
私 「で、仲直りしてないの?」
橘 「してないよ。二人ともケンカしたあと、どっかいったよ」
私 「だから、来た時、静かだったんだ」
橘 「そうそう。みんなビビってたもん」
私 「誰かケンカとめに入らなかったの?」
橘 「いや、俺と横山でとめにはいったんだけど、野間がブチぎれてて、なかなかとめられんかったからな」
野間は、怒らすと本当に大変らしい。昨年もケンカになっていたし。
私 「はぁー。そっかぁ。大変だね」
橘 「まぁな」
私 「横山は、野間を。橘は、八幡を。探してきて」
橘 「おっけぇ」
横山「うん、いいよね」
私 「なんとか、ホーム始まるまでに見つけてねー」
私は、笑顔で答えた。
橘 「頑張る」
横山「見つけたら、お菓子な」
私 「ふふ。いいよー」
横山と橘は、教室を出て、野間と八幡を探しに行った。横山と橘が探しに行ったこともあり、二人は、ホームルームまでに戻ってきた。




