4月23日 マネージャー
昨日に続き、今日も部活に顔を出していた。陸上部での私の役割は、タイムを計測することが主となる。今日は、長距離の若林、二宮、早木、利根たちが走っていた。一番早くスタートをしたこともあり、若林が走り終えた。しかし、なかなかタイムがあがっていなかった。
若林「あー、疲れた」
私 「お疲れ様ー」
走り終えた若林は、腰に手をやりながら、下を向いていた。
若林「あっー、もう」
どこか苛立ちを見せた。そんな若林に、私は、タオルをかけた。
若林「ありがと」
私 「キツかった?」
若林「うん。なんか、今日は、タイムも遅いし、体もダルいわ」
若林は、水を飲みながら、答えてくれた。
私 「最近、どれくらいのタイムで走ってたの?」
若林「3kmを12分くらいかな」
陸上選手が1kmを3分くらいで走ると考えると、遅い。若林は、1500mがメインなのでもう少し速く走る必要があった。
私 「どこか調子悪いの?」
若林「うーん。どこか痛いわけではないけど、筋肉痛みたいな痛みがひかんのよ」
私 「そうなの?」
若林「うん」
ペットボトルを地面に置き、私の方を見た。
私 「じゃあ、病院行った方がいいよ」
若林「まぁ、なんとかなるよ」
私 「ダメだって、もしかしたら怪我してるかもしれないし」
若林「たぶん、気のせいだと思うよ」
私 「そうかもだけど、とりあえず行ってみてよ」
つい、昔の私を重ねてしまった。
若林「うーん」
私 「はい、今日帰って行ってくださいね」
若林「えぇ、どうしよっかなー」
ニヤつきながら、トラックを見ていた。
私 「はい、行ってきて」
若林「行ったらご褒美あるの?」
私 「はぁ?なにそれ」
若林が何を考えているか、よくわからなかった。
若林「そんなこと言ったら、"北條"さんに怒られるか」
私 「えっ?」
若林「ハハハ」
私 「ん?」
なぜ?私の中に疑問が浮かんだ。
若林「誰にも言ってないから大丈夫だよ。フフフ」
私 「なんで?」
若林「篠木さんの頭があれば、わかると思うよ」
私 「えっ、なんで?」
若林は、私の質問に聞かずに立ち上がった。
若林「じゃあ、部室戻るね。二宮来たら、部室に行ったって言っといて」
私 「あっ、、うん」
若林は、タオルをかけながら、部室へと戻って行った。




