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骸骨軍団  作者: ブルーベリージャム
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4話 騎士団寮入口

ラムデスを下僕にした事で、俺の中にラムデスの記憶の一部が読み込まれた。


この街の名はデ・ルー。

ル・ゴール帝国ノールデア領の第三の都市。

執政官はルー伯爵。

そして、伯爵直属の騎士団員が150人ぐらいいる。


これは良い情報だ。


魂を吸い取り、我が骸骨軍団を作り上げるのだが、やはり魂の質が問題だ。

その点、騎士や兵士の魂は戦闘向きだ。


ラムデスは元々はこの街の守備隊に所属していた。

彼の魂も中々に質が良い。

片足を失い、扉番として暮らしていたが、その魂は腐っていなかったようだ。

俺の下僕の屍人となり、痛みを感じなくなった足で、颯爽と俺の前を進んで行く。


ラムデスの案内で、騎士団寮の裏口まで辿り着けた。


寮内の1階には明かりの点いている部屋がある。

大きな音は立てたくないが、裏口の木戸は鍵が掛かっている。

ふむ。


「ラムデス。お前はここで裏口を押さえていろ。」

「はい、マスター。」


俺は建物に沿って庭を通り抜け、正面に廻った。



正面の入口前には2本の魔光灯が周囲を照らし、2人の男が見張りに立っている。

槍を杖代わりに使い、腰には片手剣を提げている。服装は皮鎧の軽装備だ。


「ん?誰か居るのか?」

どうやら手前に立つ男が俺に気付いたようだ。


「どうした。」

「庭に誰かいるようだ。おい、誰だ貴様!」


距離は15歩ぐらいか。

俺は盾を上げ、剣先を向けて駆け寄って行く。


「なに!?」

「だ、誰だ!?」

対応が遅いな。

このような状況は初めてらしい。


手前の男は手に持った槍を捨て、腰の剣に手を伸ばした。

後ろの男は槍を水平に構えた。

「なっ、骸骨!?」

「ま、魔物が、なんで。」

驚いて動きが止まった。

魔光灯の明かりが、俺の白い骨を闇の中に浮き出す。


俺は進路をやや左に逸らした。

手前の男がこちらに向くが、後ろの男の槍先が邪魔になる。


俺は盾で槍の柄を抑えると、手前の男に剣を突き出す。

「くっ。」

手前の男は咄嗟の横移動で避ける。

俺の剣は、奴の右肩に切り傷を刻む。

その剣を、大きく右に振る。

手前の男は、そのまま横移動で剣先を避け、地に倒れ込む。

俺は、その勢いのまま、身体を廻し、剣の横撃を槍の男に食らわす。


剣先は、やや前屈みになっていた槍の男の首に食い込んだ。

その切り口から盛大な血しぶきが上がり、槍の男は膝を突いて、前のめりに倒れる。


「吸魂」

すかさず、俺は魂を吸い取り、

「授魂」

魂を死体に与える。


「くらえ!」

手前の男が剣を上段に構え、俺に迫る。

が、その時には、槍の男が既に目覚めていた。

槍を持つ人間の名はオルガ。

こいつはスキルとして武技「槍の速突き」を持っている。

加速した槍先が、手前の男の胸に突き刺さる。


「な、なんで。」

男は剣を取り落とし、胸に刺さった槍と、それを握っている仲間の顔を見た。


俺は、槍に突かれたまま、まだ息のある男の胸に剣を刺す。


「吸魂」

「授魂」


サイクスとオルガ、二人の屍人騎士を得た。

彼らは、剣を手にする。

二人の瞳は血の様な赤い光を放っている。


彼らの記憶では、今夜の夜警当番は6人。

残りの4人は1階の宿直室で仮眠中だ。

そして、2階と3階の各部屋に騎士団員が眠っている。

都合の良い事に、各部屋の扉には鍵が付いていない。


「では、二人とも良いか。」

「はい、マスター。」


俺は二人を前衛に、騎士団寮に侵入した。




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