銀河英雄伝説に対して
言わずと知れたSF歴史小説ですね。
個人的に謎なんですが、銀英伝って何でこんなに同じものを何回も作るんでしょうね?
昔原作通りにきっちりOVAで制作して完結まで文句無しの出来栄えで終わりました。
漫画もキルヒアイス死亡まで描かれて完結。その後も何故か違う作者で同じ場面までで完結した漫画もある。
なのに数年前にまた藤崎竜が銀英伝を連載。そして劣化テレビアニメ。
同じ作品を何度も何度も繰り返して制作して、創竜伝でも似たようなことやってた時期もありました。
……意味分かりません。
熱烈な田中芳樹ファンがいることは知ってますが、まだまだ利益を叩き出すほどの売上になるのでしょうか?
その割には一応今も連載続いている薬師寺涼子は放置されてますね。
そこまでして田中芳樹をヨイショしたいのでしょうか?
私は昔のOVAを見てましたが、まだまだ理解力が低く子供だったので銀英伝の魅力を理解しきれたとは言えませんでした。
なので改めて物語を読んでみると……田中芳樹節全開だなあと思います。
資本主義・君主制の汚い所を見せつけ、その醜悪な面を全力で皮肉って踏みつぶしていくラインハルト。
人間の汚さを理解していているからこそ、距離を取りながらも結局戦争で勝つせいで英雄として担がれるヤン。
どっちもある意味人間らしいなあと思います。
まあ痛快なのはラインハルト側ですけどね。
特権階級を盾に自分勝手に道徳心の欠片も無い貴族を処分していくんですから。
でも子供の時はそれが痛快でしたが、大人になってみると……貴族とは言えどもここまで馬鹿ばかりになるとは思えません。
また同盟軍側も政治家が酷過ぎる。
選挙再選できそうだから派兵。焚きつけておいて自分は責任被らないように必死。もしくは辞任したら終わりでのうのうと生きてるんですけどね。
あれで数十個もの星系から排出されるレベルの人間?
まあ現代日本の政治家も同じレベルかそれ以下がいますが。
選民思想以前に犯罪行為してるのに、権力で事実を隠ぺいして議員やれて、議員辞めても高額な議員年金ももらってるんですから。
特に安倍の時は酷かったですね。まさしく権力にしがみついて都合悪くなったら病気になって辞職する。よくもまああそこまで醜悪になれるもんです。っと話がずれました。
さて銀英伝に話を戻します。
改めてヤンの立場で物事を考えてみますと……そらやる気出る訳ねーよ。
実際真面目に考えると、ヤン自身も正直軍人というか社会人としてみれば、そこら中で不和齎します。
「給料分だけ働けば十分」 ……いやまあ気持ちは分かるけど、それを公言する?
政治に対して文句は言うけど、代替え案は無し。
田中芳樹が政治家大嫌いですから、ヤンが代弁してるとも言えますが、ぶっちゃけヤンは指示されたから行動するか、もしくは自分がやるしかない状況に追い込まれたから行動しただけ。
フレデリカと初めて接した時も、喉詰まらせた時にコーヒー出してくれたことに対して、紅茶が良かったとか。冗談で済むかわからんのに初対面の人に言う台詞か? という感じにも思えます。
ラインハルト達と戦ってる時も、あくまでも軍人だから仕事してるだけ。
担ぎ上げられてからも、別に本当の意味でやる気見せたことありません。
てか、別にヤン非難してる訳じゃありませんよ?
だって基本ヤンは天涯孤独で子供だった時は、金が無くても学べる場所に行くなら軍人になるしか生きる道が無かった事。軍人になって辞めれるようになったとしても、その時代に安定した食い扶持は結局軍にしかなかったのです。
現代でも食っていくために嫌々働いている人は多数だし、もしヤンが民間で働き口見つけても結局は徴兵されています。
だって民間でまともに働けるとこが無いから。自分達の選挙の為に派兵させる議員がいる限り戦死者は増えていくのですから。
結果として嫌々働いてるところでやる気出るわけ無いし、そこで担ぎ上げられるほうが迷惑ですよ。
そんな職場だと、自分の平穏と身近な人以外はどうでもいいのです。
対してラインハルトはまさしく自分がやりたい事が特権階級を貪る奴らの殲滅と姉を救う事。
同時に皇帝自身も結果的に破滅を望んでいたということ。
それが合致していたからこそ、ラインハルトは願いを成就できたのです。
勿論才覚があったことは大前提ですが、結局は皇帝の後ろ盾があったことを忘れてはいけません。
でなければ、ローエングラム伯どころか少将になる前に潰されていたでしょう。
でも田中芳樹がそこまで考えて銀英伝作ったかと言われたら……私は無いと応えますがw
ま、結果的にラインハルトが実権を握ってからですが、陰謀はありましたが、そこからはぶっちゃけ国家に関する内政関連の話ってありましたっけ?
私が覚えてるのはアムリッツァ開戦と反乱で軒並み、まともな指揮官がいなくなり、ヤンは前線指揮官としての仕事はやる気無いなりに働いて、何度も敵を撃退。
その間に別動隊が同盟軍首都を陥落。
ヤンを特別視したからラインハルトは出張ってましたけど、普通に考えたらラインハルトは後ろでどかっと構えとけよ! 総大将が前線出るなんて臣下止めろよです。
ヤンの方もラインハルト追い詰めた時に同盟軍降服聞く。
シェーンコップは撃てというけど……ヤンの立場考えたら「やってらんねー」「何のメリットがある?」というふうにしからならんわ。
元々やる気ないのに、勝手に英雄扱いする割に散々自分の足引っ張りまくる味方。
食ってくために仕事してるけど、命の取り合いしてる以上敵が来たら戦うしかない。
今の状況でラインハルト殺した後はどうすんの? 最早同盟も降服した状況で統治者がいきなりいない状況になったら、完全に無法地帯になるでしょうね。
……何だろう? 無茶苦茶馬鹿馬鹿しい気分になりますね。
ヤンがその後念願の退役しますが、私だと「こんな職場でやってられっか!」になります。
実際その後誰も関わってこなければ、ヤンはフレデリカ・ユリアンと普通に生活して一生を終えていたでしょう。
ただラインハルトはどうなんでしょうね?
才覚がとんでもないから何やっても成功するから、ぶっちゃけ精神的にはガキなんですよね。
地球教・おぞましい同盟議員・ルビンスキーなどの陰謀が無かったら、違った意味で暴君になってたように思えます。
というより田中芳樹自身が政治に対して、極端なまでに清廉潔白・聖人君子の理想を求めすぎて、清濁併せ吞むは無かったなあと思えます。
水清ければ魚棲まずだけど、ある程度の必要悪も断罪する感じでしたし。
政治関連で噛みついてこないでください。