表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界魔術札 ~ 運命のカードと異界の勇者 ~   作者: 兎壺 かずーら
第1章:『魔術札の勇者』
9/21

TURN.9 『魔王・嘲笑う』

少し時は遡って・・・


レオ&シャーリーと別れて行動していた、ユリエルとサザンデルは今後の方針について話し合っていた。



「私はこの王都スターティアを脱出して、ネクスティアまで移動するのが賢明かと思います。」


「ネクスティア・・・我がファストランド王国2番目の都市か・・・。」


「はい、ここを放棄してネクスティアを新都とし王国を建て直すのです。王都はこの有様・・・陛下さえご無事ならばいくらでもやり直せるはずです。」



「ふむ・・・その案が良さそうだな。このまま王都と民達を見放すのは心残りだが・・・」



「お気持ちは分かりますが・・・民を救うには体勢を立て直さなければ。」


「この度の襲撃で王国騎士団は壊滅。先ほどから切り捨てている魔物共の数、この王都全体が魔物に蹂躙されていると見るべきでしょう。」

騎士団長サザンデルはユリエルと会話しながら、拾い物の剣で魔物を次々と切り捨てている。



レオ、シャーリーが別行動をした後、デモリウス配下の魔物達がユリエル達に気付いて襲撃をかけてきている。

今は魔物の群れに襲撃されている真っ最中であった。


「サザンデル騎士団長。あまり無理はするな。そなたも先の魔王に負わされた手傷が痛むであろう・・・。」



「お気遣い痛み入ります。」


「・・・ですが、これこそが・・・陛下を、この国を護る事こそが!!」


「・・・騎士の本懐であります!!」


サザンデルは怪我人とは思えない程の強さで魔物達をなぎ倒していく。



「ご苦労。しかしサザンデルよ、ネクスティアに行くだけではまたスターティアの二の舞になるだけであろう。私にはもう一つ考えがあるのだが・・・」



突如、空からこちらを嘲笑うように声が響く。


「・・・王サマよ!」




「!?・・・この声は・・・」

ユリエルとサザンデルが上空を見上げる。



「・・・そんな計画が通ると思うのか?・・・このオレ様を前にしてなあ!?」

闇夜に黒翼が蠢く。

七大魔王・デモリウスが再び目の前に現れるのだった。



「七大魔王!!先ほどは後れを取ったが次こそはここで仕留めてくれる!!!」

サザンデルが剣を構え臨戦態勢に入る。



「はん!学習能力がねえのか?デカブツめ。もう一度ボコられなきゃわからねえか・・!」


「何とかできるものなら何とかしてみろや!!」


デモリウスが手を掲げ呪文を唱え始める。



「・・・大気に眠りし火の精霊よ。我が命に従い幾百の炎を生み出せ・・・」



「・・・火炎のファイア・レイン!!」


サザンデル達の上空に飛行しているデモリウスの周りに無数の火球が出現し・・・次の瞬間炎の雨となって降り注ぐ。


「サザンデル騎士団長・・・下がれ!私がシールドを張る!!」



「いえ、陛下!ここは魔力の温存を!!」


「ウォォォォオオオオオッ!!!!!!!」

サザンデルはユリエルの盾となり、激しい雄叫びと共に降り注ぐ火球を切り払っていく。



「!?・・・相変わらず人間離れした強さじゃねえか・・・ムシケラにしては褒めてやるよお!!」



「ほざいてろ!!強化魔法:『ジャンピング・ホッパー』!!」

サザンデルは脚力強化の魔法を使い、圧倒的な跳躍力で上空に跳ぶ。


「・・・覚悟!!」

そして一瞬で間合いを詰めてデモリウスに斬りかかる。



「ちぃっ!!だがな!!」


しかし紙一重の所で躱され、剣は空を切る。



「・・・自由自在に空を飛べるオレ様になあ!!」


すかさずデモリウスはサザンデルにカウンターの回し蹴りを叩き込む。



「・・・ぐはっ!!」




「・・・ただ飛び跳ねるだけのバッタが勝てるわけねえだろお!!」



サザンデルは地面に叩きつけられ、すさまじい土煙が舞い上がった。




「・・・ちっ・・・視界が塞がっちまったか。」




◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



「サザンデル騎士団長・・・大丈夫か?」



「申し訳ございません。不甲斐ない事です・・・一度ならず二度までも・・・」

サザンデルは傷だらけになりぐったりしている。



「建物の陰に咄嗟に隠れたが・・・見つかるのも時間の問題だろうな。」



「あの空を自在に移動できる翼・・・あれがある限り奴の絶対的優位は揺るがない・・・何とかせねば。」



「『ヒール』・・・」

ユリエルが回復魔法をサザンデルに使用する。


「おお・・・体の痛みが引いていく・・・!?」



「私のとっておきだ・・・。応急処置だがな。」

回復魔法は体の傷を癒す聖なる魔法。使える者はこの世界に数える程しかないと言われている。



「陛下がまさか使い手が希少な回復魔法をお使いになられるとは・・・」



「希少な力は狙われやすいからな。私が回復魔法を使えるのは皆には秘密にしていたのだ。」



「そんな貴重な魔法を私めに使っていただけるとは・・・!!有難き幸せです。」

サザンデルは感極まって涙を流していた。



「おいおい、それは流石にオーバーであろう?」


「ところでサザンデル騎士団長。もう一度あの魔王と斬り合う元気は残っているか?」


「は!奴を倒すためなら何度でも立ち上がりましょう!」



「そうか・・・では、あのカトンボに一泡吹かせてやろうではないか。」


ユリエルはニヤリと笑った。

【※読者の皆様へ】

今回もお読み頂き有難うございます。

次回から王様達の反撃開始です!


「面白い」「続きが気になる」と思ってくださったら広告下の【☆☆☆☆☆】やブックマークで応援していただけますと幸いです!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
★★★小説家になろう 勝手にランキング★★★
↑読者の皆様の応援お待ちしております。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ