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異世界魔術札 ~ 運命のカードと異界の勇者 ~   作者: 兎壺 かずーら
第1章:『魔術札の勇者』
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TURN.2 『騎士見習い・出会う』

私の名前はシャーリー・ガーネット。

ここファストランド王国に仕える王国騎士だ!(まだ見習いだけど)


私の働くこのファストランド王国・王都スターティアは人々の活気に溢れている。

この王都に済む人々を護るのが私の務めだ。


「シャーリーちゃん今日もパトロールかい?良かったらこれ持っていきな!」

声をかけてきたのは馴染みのフルーツ店のおじさんだ。いつも余ったフルーツをおまけしてくれる。給金がまだ少ない私としては正直ありがたい。


「おじさん、ありがとう!いつもすみません・・・」


「いいってことよ!いつもうちのミリィと遊んでくれてありがとうな!!」

おじさんはニコニコした笑顔で返してくれた。


「シャーリー!きいてきいて!ミリィおねえちゃんになったんだよ!!」

そういっておじさんの隣から話しかけてきたのは、ミリィ。このフルーツ店のおじさんの娘さんだ。


「あら!じゃあもしかして産まれたんですか!!」


「おう・・・昨日な。元気な男の子だったぜ。」

おじさんは少し照れ臭そうに答えた。


「ミリィちゃん、お姉さんだね。弟をしっかり守ってあげるんだよ♪」



「うん!がんばる!!わたし、おねえちゃんだから!」


「じゃあ、私はこれで。また赤ちゃん見に行きます!!」

私はそう一瞥してその場を離れた。

おじさんとミリィちゃんは手を振ってくれた。



しばらくパトロールを続けていると3人の男が噂話をしているのが聞こえてきた。


「・・・同盟国のセカンダリィ王国がついに滅ぼされたらしい。」

「まじかよ!?山挟んで隣の国じゃねえか。この王都は大丈夫なのかよ?」

「ここは鉄壁の城塞と精鋭部隊に守られている。戦が得意で有名なフォースガルド帝国でも簡単には落とせないはずさ。」

「いやいや、そりゃあ人間相手の話でしょ?ぼ、僕の聞いた話じゃ相手は七大魔王らしいよ?」



「(セカンダリィが滅んだ・・・?しかも七大魔王が相手ですって・・・!)」


七大魔王。数年前から突如この世界【ユニティア】に現れた魔王を名乗る謎の存在。

魔物の軍勢を従えて世界中の国を侵略・・・いや破壊していると言った方がいいのか。

それが七人もいて、互いに争う訳でもなく私たち人間の国だけを攻撃してくる。


時を同じくして、この世界を守護している女神様の加護を受けた女神様の使いが何人か現れたとも聞くが、同時に全員魔王に敗れ去ったという噂も聞いた。


この世界は未曾有の危機に瀕しているといってもいいだろう。

幸いにもこのスターティア周辺はまだ攻撃を受けていないが、いつ攻め込まれるか・・・。


「・・・もしここに魔王軍が来たら・・・私が皆を護るんだ・・・!」




◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



― 市場・フルーツ店



「おじさ~ん☆このリンゴちょーだい。」


「まいどあり!姉ちゃん見ない顔だね。」


「ちょっと仕事でね~☆あ、領収書ちょうだい。宛名は異世界リクルート(株)でぇ」

ちょっと変な口調のその女性はそういって、領収書を受け取る。昼ご飯を経費で落とすつもりなのだろう。



「ここに転移させたつもりだったけど、いないなー。」

「ちょっと座標まちがえちゃった?てへ☆」




◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆




― 王宮・騎士団詰所


「騎士団長!!只今戻りました。」


「パトロール御苦労。ガーネット君。」

そう答えたこの男性は、アレックス・サザンデル。

ファストランド王国最強の英雄にして王国騎士団の騎士団長を務めている。


「それで、何か変わった事はあったかな?」


「いえ!特に問題は・・・ただ、隣国のセカンダリィ王国が魔王に滅ばされたという噂が広まっているようです。」


「もう広まっているのか・・・」

騎士団長は顔をしかめた。


「ではあの噂は・・・」

私は恐る恐る聞いてみる。


「ああ、真実だ。ここにもいつ攻めてくるかわからん。」


「そんな・・・」


「現在、至急この王都防衛の布陣を敷いている。周辺の街や村にも守備隊を配備している。」

「有事の際は君たち、騎士見習いは民の避難を最優先としてくれたまえ。」


騎士団長は基本的に明るい方だが、今までになく重い空気を纏っていると感じた。

それほど事態は切迫しているのかもしれない。


「かしこまりました。それでは失礼します。」


「あ、そうだもう一つ仕事を頼まれてくれるかな?人員不足でね。」


「もちろんです!なんなりと。」




◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆




― 王宮・地下牢


私は騎士団長の指示で王宮の地下牢へ向かった。

なんでも王宮に入ったコソドロの取り調べを担当してほしいのだとか。


「ここね・・・」


「まったく、こんな時に王宮に忍び込む者がいるとはね・・・あなた名前は?」

そういって牢屋の中にいた男に声をかける。


「!」


私に気付いた男は近づいてきて檻にしがみついた。


佐久良さくら 礼央れおといいます!!僕は無実なんですうううううう!!!!!!!」

その男は目に涙を浮かべてそう自己紹介をした。

【※読者の皆様へ】

今回もお読み頂き有難うございます。

まだ導入部分になります。

少しテンポ遅いかもしれませんがお付き合いください。


「面白い」「続きが気になる」と思ってくださったら広告下の【☆☆☆☆☆】やブックマークで応援していただけますと幸いです!

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