「あのね、ほんとはね。」
ものすごく暗い話です。気分を害される場合も有るかも知れません。それを御理解の上読んで下さい。
登場人物
木下 心(18)…主人公
狭山 優(21)…主人公の恋人
木下 愛(21)…主人公の姉
谷本 翔(27)…姉の恋人
主人公の母
主人公の父
主人公の妹(12)…未来
その他
「あのね、ほんとはね。」
心の中毎日、毎日、言いたいことがたくさんあるの。
でもね、言えないんだ。
怖くて、恐くて、誰かを他の人を私の一言で酷く傷つけてしまうんじゃないかって、
言いたいことを考え過ぎて、言えなくて、その人に嫌われるんじゃないかって、そんなことないのに、
「そんなことないよ。」
って言われても、
「そうだね。」って言って嘘ついて、平気なふりして笑うんだ。
「大丈夫だょ。」
って本当はぜんぜん大丈夫なんかじゃなくて、
声を出したくても出なくて、喋りたいのに、怖くて、他の人に合わせないと変だよ。
嫌われてしまうよ。って自分で思ってしまって、自分の感情とか思いを抑えようとしてしまうんだ。
もう子供じゃないんだよ。大人なんだからって、他の人を困らせちゃいけないんだって、そんなことないのに、
ありのままでいいよっていうけど、どれが本当の私かわからないんだ。
頭おかしいんじゃないのって思われたくなくて。頭良いんだよ。正しい事しか言っちゃダメだって、
他人を混乱させちゃダメだって、否定されるのが怖いから言い出せないし、言っても自分が納得しないし怖いから言えないんだ。
だから、いつも、考えているんだ。今日は良い事をしようって、でも出来ないって思ってしまう。
だから反対に良い子じゃなくていいやって、いつまで演じているのって、もういいんだよ。
って思っても悪い子って何?ってなれないでしょうって思うんだ。私は誰にもなれないでしょうって。
私は私だけど心も身体も頭の中も自分が、怖い恐いって震えているんだ。他の人も嫌い、自分も嫌いって怯えて、誰も知らない何もわからないって、
だからいつも涙をずっと我慢して堪えているんだ。
泣いたってダメなんだよ。何も変わらないんだよってわかっているのにわからないんだ。
こんな自分が大嫌いになって、それさえも思っちゃっダメなんだって。
だから、全部を好きになれって、でも好きに何てなれないって思ってしまう。
思ってダメの繰り返し、そんな悪循環の繰り返しの毎日、頭痛は酷くなってまるで頭の中をかきむしられている様な痛み、
頭から鼻にまでくる痛み、治し方がわからなくて誰にも言えない、
恥ずかしくてそんな自分が嫌で嫌で堪らないけど、そんな自分を知られたくなくて、
大声で叫びたいのに、泣きたいのに、笑いたいのに、出来なくて、もどかしくて、歯痒くてどうしようもない。
世界中の人に嫌われたくなくて、嫌いたくなくて
だから、私は嘘つきだよ。
自分にさえ嘘をつくんだ。毎日、毎日。
でも、そのときまでの私は、自分が思っていたけど、やる気もあって元気で、ハキハキしてて自分の中で一番明るかったし、他の人が見ても輝いていたと思う。
その時までは。
でもその前から、子供の時から他人を拒絶する癖はあった。
感情を抑えよう閉じ込めようって。それで良いんだって思ってた。私は傷つかないし、他人も傷つかないから凄く楽だし、楽しかったし幸せだったから何にも知らずに笑ってたんだ。
これからもずっとそうなんだって思いこんでた。
でも、その時は来たんだ。こんな日が来るなんて思ってもいなかった。いずれは来るけど来るなんて思いたくもなかった。
苦しい毎日私にとっては病気的になるのは、私が覚えているので、余りに酷いのは今度で4度目。
一度目は小学生の6年生の時だった。生理がくるまえに憂鬱になって怖い夢を見て。
お金が無いから学校に行かない、それで良いんだって自分に言い聞かせて大人になったら働くんだって夢みてた。でも、家にいると学校に行けないし、
家に居ても恐くなってトイレに入ると家族に殺されるんじゃないかって被害妄想が酷くて凄く怖かったし自分自身怖いぐらい暗かった。でもその時は一年位で治った。
それから生理がくるたび少し前に酷く憂鬱になって、余りに酷いときは怖い夢を思い出して誤魔化していた。
でもそれ以上に酷いときは死にたいって思ったぐらい酷かった。
針で自分を刺そうとしたけど痛いと思ったし踏み止まって止めたり。
ご飯を食べずに死のうと思ったり、でもその時は考え治してお腹が空いてご飯を食べたら元気になった。
いつも私の鬱は一年位で治ってしまう。けど、4度目は今度のだけは私の中では治らないと思う。
今までは人の目なんか気にすんな気になんかならない、なんだって出来るって思って治ってきた。
けど今度のは酷過ぎる頭痛は酷いし、イライラするし、喋れないし、ちょっとした事で泣きそうになるし鬱過ぎるし酷過ぎる。
こうなったのは自分のせい。今までは誰かか、何かのせいにしてた。
私が自分で思うんだけど、元気で調子が良かった頃は、何をやっても上手くいってた。自分は天使なんだって、神様にもなれるんだって過信してた。
もう一人の強い自分が私の中にいた。まるで覚醒したみたいに。やる気になったらまるで火が着いたみたいに、燃え尽きるまで完全燃焼みたいな感じで。でも、それも長くは続かなかった。
もう一人の自分が離れていくのを感じた。魂が抜けるように、だんだん、だんだん、徐々に気力が抜けていってしまった。
もう一人の強い自分がさよならって手を振っていた気がした。行かないでって必死に言ったけど届く筈なんてなかった。
それから私の毎日は辛くなったんだ。もう一人の強い自分とさよならするまでは、
笑顔も本当の最高の笑顔だった。まるで毎日が天国で、仕事も最初からやる気に満ちてて、自分の好きなことだけして好きな物食べて凄く幸せだった。
でもその付けが今頃、最悪最低な形で私に全部のし掛かってきた。誰かのせいにする気力も、もうでないぐらいに。
考えても答えなんか出なくて、でも考えて考えて考えるのも嫌になって考えない様にしようって思ったら余計に考えこんで嫌な考えのドードー巡り。
胸が痛い、病気になって早く死ねばいいのになんて思う時もある。そんな簡単には実際死ねないよね。
父親が仕事で夜にいない時に死のうって思ってた。時もあった。
けどそうゆう時に限って母や姉が遅くまで起きて長話し、しているから死ねないじゃないって思ってた。
お風呂場でカッターナイフで手首を切ろうってそしたら死ねるかなってでも恐くて痛いよねって思って思うだけ。
家族に心配かけたくないし、でも私が死んだら悲しんでくれるのかなとか泣いてくれるの?って思う。
だいぶ長くなったから話を変えるね。
私の初恋について話すね。あのね私のほんとうの初恋の相手の名字は、きちんと覚えているんだ。名前は覚えていないんだけど。
その人は学年が1つ上で。茶髪で金髪のまだらだったんだ。私の中では少し不良かな。って思ってた。何年か前に兄弟で転校してきて、その人が卒業する前に私に告白してきたんだ。
だいぶ前だからもう記憶もあやふやだけどね。これはまだ告白されてないとき、
その人の友達の家が私の友達の家の近くで私の家も近くて、友達と外で遊んでた時に一度私の友達の家を通ったんだ。
その時はドキドキして怖いのと恥ずかしくて友達の後ろに隠れて通り過ぎるのを待ってた。でも通り過ぎても少しの間ドキドキが止まらなかったんだ。
それからもう1つ覚えている事がこれも告白される前、教室で昼休み中にその人が追いかけっこをしてたみたいで、
私の教室に
「入らして下さい」って言ってたから
「どうぞ〜」(^o^)/って面白く言って入らしてあげたのそれは覚えているんだ。
若かったからノリでと言うか調子が良かったから。めっちゃ明るかったよその時はまだ子供だったから。それから少したって告白されたんだけど。告白された時はびっくりしたよ。友達と学校の帰り道で後ろから5〜6人の男の子がいて、
その中の一人が私の肩を叩いて
「あんた心さん?あいつがあんたの事好きなんだって」って言われて、びっくりしたのと恥ずかしかったから。
友達に何も言わずに帰ろうって言って帰りに
「さっきのはひやかしだよ」って言って、友達は笑ってて何にも言ってこなかった様な気がするはっきりは覚えてないけど。
私的には学生だし恋なんかまだ早いって思ってたし勉強の方が大事だし。それより本人が私に直接言ってよって思った。
それからは完璧にその事を忘れてた。それから何年か後に友達と遊んでた時にその人に会った。
その人は友達と何処かに行くみたいで少し離れた所を通ってた。けど私を見たからかな、引き返して私の側を通って少しの間近くで止まってた。そしたら遊んでた道具がその人の側に飛んで行ってしまったけど私は知らん顔をして道具をとって遊んでた。
だって声かけれるわけないよ。友達がいたしそれになんて声をかければいいかわからなかったんだもん。それでその人と会ったのは最後だった。
それからは告白された後で、その人の弟とその友達に一度だけ帰り道に大きな声で名前何回も呼ばれて。
「なんでや」とか
「なんでなん」とか言ってたけど私の友達に早く帰ろうって言って、その弟と友達に
「うるさい」とか
「いいかげんにして」って言って走って帰った。それからその事も忘れてて。
何年か後にその弟がいた近くを通っててまた大きな声で名前呼ばれて。恥ずかしいって思ってたら。その弟の友達が誰?って聞いたら
「兄貴の好きな人」って言ったから余計に恥ずかしくなって、
なんでそんなはっきり言うかなって思って顔を反らして、全力疾走でその場を離れた。それでその弟と会ったのも最後だよ。
それからまた何年か後にその人の事を思い出して涙が出るほど恋しくなって、お姉ちゃんに話して
「本当に好きだったんだよ。今でも好きなんだよ。」
て言ったら
「だったら捜せば良いじゃん」って言われたけど、
「それは出来ないっ」て
「恥ずかしいし今更どうしようもないよ」。ってでも、小さな手紙に好きでしたって書いて隠してた。それでまた忘れてしまった。
でも期待は少し、してた家の近くで働いてたら逢えるかもしれないって、でも仕事が凄く面白くて毎日が充実してて、たまに思い出していつしかその事を忘れかけてたけど、
一緒に働いてる人が
「心ちゃんに逢いたい人がいる」って
「一生懸命働いてるからいいな」って言われて、
もしかしてあの人かもしれないって勘違いをしてしまって、会ってみたら違う人で、
どう対応していいのかわからなくてこういうのも初めてで、ご飯をおごって貰ったからお礼のメールをしても返事がこなかった。
そりゃそうだと思う、ものすごく真面目な文章を書いたしメールするのが遅かった。でもそれで良かったと思うその人の事は、私的には相手の人は遊び慣れてそうに見えた。
そのてん私は仕事場の人とご飯を食べるのも初めてなくらいだった。その時は楽しかった。仕事も大好きだったし仕事場の人も皆いい人だったから。
でもそれからすぐに仕事を辞めた。なんだか居心地が悪くなってしまったから。
あの時もしも会うのを断っていたらとか、明日遊びに行こうっていう誘いにのっていたら、メールをもっと女の子らしく打ててたらとか少し思ってしまった時もあった。
それから隠してた手紙も結局捨てた。もう会えないんだってわかってしまった。期待してもダメなんだって
そりゃそうだよね相手にしてみれば私は酷い人で自分勝手な人だよね。
小学生の時なんて好きでもないのに名字が一緒だからって大人になったら結婚しようって
名字が変わりたくないってそれでバレンタインのチョコをあげたこともあった。私にいわしてみれば義理チョコみたいなものだね。
それから大人になって初めて付き合った人が優だった。彼女になったのも でも私達を知っている人は付き合って別れたっていうけど、
私の中でこれは付き合ったとも、彼女っていうのとも言えないし、言いたくもない。
私は馬鹿だよ。浮かれていたんだ。何も考えずに。そんな簡単じゃないのに。告白してくれたからまいあがってしまったんだ。でも本当に好きじゃなかった。
優は誰にでも優しいよね。私にだって優しい。お姉ちゃんにだって優しい。皆に優しいよね。
だから嫌いになれなかったんだよ。お姉ちゃんに先に告白してお姉ちゃんに恋人がいるって振られたら私に乗り換えたんだよね。普通で考えても嫌だよね。
私には好きな人がいなかったんだよ。それを知っててお姉ちゃんにいって振られて私はよく考えもしないで軽い気持ちで告白を
「大丈夫だょ」って受けたんだ。
その日から私の苦痛が始まったんだ。
優と私は職場で知り合ったんだよね。優は私よりこの仕事が長くて私はやっと慣れたっていう感じだったね。
優は誰とでも喋れて気が利きすぎるぐらい気が利くよね。最初は頼りないお兄さんみたいな感じだったよ。おっちょこちょいで、でも助けて欲しい時は助けてくれるとってもいい人だったよ。
ぶつかってしまった時もあって。ハプニングはあったね。でもタイミングは合わなかったよ。フィーリング(相性)もね。
ただ無理して合わせようとしてた。仕事場で気まずくなりたくなかったし どちらにしても気まずい事には変わりなかったけどね。
優はベタベタしてくれる彼女が欲しかったんだよね。私は昔からベタベタするのが嫌いだし苦手なんだ。
他の人が優があなたにベタベタして欲しいって言ってるよ。って言われてもそんなこと出来ないって思ってそういうの聞くのさえも嫌だった。
最初の頃は楽しかったよ。でも少しずつ疑問が浮かんできて増えてきたんだ。
お姉ちゃんの事まだ好きなんじゃないかとか元カノ元カノっていうから今も元カノが好きなんじゃないかって疑い出したら止まらなくて。
不安になって私の何処が良いんだろうって暇なときはそんなことばっかり考えて仕事もちゃんとしなきゃどうしよう出来ないよ。ってだんだん自信をなくしてしまったんだ。優が自信もってとか仕事なんだからとかそんな風に言うと余計に嫌になってた。私が自信を無くす疑問をもってしまったのは優の言葉なんだよ。
付き合う前に私が一生懸命働いてたらその時私自身は凄く楽しかったし最高だった。
でも優は言ったんだ
「疲れない?」って
「真面目だね。」って悪気はないと思うけどわたしは傷ついた。受けとりかたが悪かったのかもしれない。
真面目でなにが悪いの?疲れないもん全然楽しいんだから自分だって真面目にやってるじゃんって思ってた。
でも優と付き合ってわかった。私は他人を拒絶してるって優本人にも言われたよね
「バリアを張ってる。」 「近ずくな」って態度とかで分かるって。 でも私の態度はどんどん酷くなっていったんだ。自分でもどうしようもないくらい。
怒った顔をいつもしていた歯痒くてイライラして堪らなかった。
優は喋らなきゃダメだよって怖いかもしれないけど喋ってみたら大丈夫だからって言ったけど
私は優や家族と喋るのさえ恐くなってしまったんだ。人の声を聞くだけでイライラする。メールは最初から嫌だった。いつでも送って来なよって言ってくれたけど。
仕事中は迷惑だって思って仕事が終わったら連絡してくれるだろうって思ってた。待ってた時もあった。二人とも思い込みをしてたんだよ。相手がしてくれるって。自分からは出来ないって、どぉいう風に書いたらいいかわからなくて。メールじゃ伝えきれない気持ちもあるんだよ。
初めから無理な恋だったんだよ。だって私は酷いよ、優に連絡先の紙を貰った時正直少し嬉しかったけど気持ちは凄く複雑だったんだ。
それなのによく考えもしないで返事を書いて送っちゃったんだ。相談できるはずの姉に相談出来ないんだからどうしようもなかったんだよ。
最初からメールを続ける気なんてなかったんだよ。それ以前にメールの返事の返し方さえわからなかったんだ。
兄弟でさえメールが来てもほとんど無視してた。し、たまに送っても文章は短いんだよね。
だからメールを送らなくてどうしてメールくれないのってきたとき、どうしようって思って混乱した。
ほぉっておこうって思ったけど、仕事で顔を合わすのに気まずくなりたくなくてごめんって返事を 返したよね。
そしたら優は分かってくれたんならいいよって許してくれたんだよね。
でももうその時には手遅れだったんだ。優からメールがくるのが鬱陶しくなってたし顔も見るのも嫌になってた。
それなのにメールを待ってたし、くると少し嬉しくて少し怯えていたんだ。どぉ返事を書こうって どぉしたら優みたいに大人なメールを書けるのかな?って思ってた。
けど時は待ってはくれないし止まってもくれない。自分らしく書いたら子供ぽくなってしまって、返事を出すのも嫌になってた。
けど自分らしく書こうって思って送ったら優の返事は敬語で、真面目な文章だから見るのも嫌になってたし、
頻繁に俺の事どぅ思ってるって聞かれるからどう言っていいか、どうしていいかわからなかった。
私はいつもはぐらかしていたよね。自分でもどぉ思っているのかわからなかったんだよ。分かっていたとしてもその感情に触れようとしなかった。私はわがままだよ。
離れてしまうのは寂しいのに傍にいて相手が近づいてきたら怖いし嫌なんだ。
だから無理して相手が離れてしまわぬ様に笑顔で誤魔化してた。心は可愛いねって優が言ってくれても、嬉しくなかったし笑顔が素敵だよって言ってくれても心がもやもやしてたし。
心の中で私なんてちっとも可愛くないし、笑顔なんかじゃない本物じゃないもん全部偽物で偽りだよって思ってた。
なんにも出来ない臆病で優しくなんかないし仕事だってきちんと出来ない役立たずだよ。って思ってずっと、どぉすればいいんだろうって考えてた。
優は言ってたよね。
「今のまんまの心で充分素敵だよ」って
「頑固な所も可愛いよ」って私は誉めてもらっても、ちっとも嬉しくなくて、強がって
「そぅ?ならいいや」ってこのままで良いんだって、
優がそう言うんだから良いんだってでも
「見てなよどうなるかなんて知らないんだからね」って優に言ったんだよ。
私は知らなかったんだ恋がこんなに人を傷つけるなんて。何処かでこんなことが書いてあったのを覚えてる。
恋をするなら傷つく勇気と傷つける勇気をもってしないとダメだって、その勇気がないなら恋なんてしてはいけないって。
そのとおりだと思う、軽はずみに告白を受けてはダメだって後から知った。
私はどちらの勇気ももっていなかったしよく考えもしなかった。本当に愚か者だよ。
最初の別れは私が切り出したんだよね。お姉ちゃんに
「どうなの?」って言われて
「鬱陶しいから嫌だ」って言ったら、
なら
「別れなよ」って言われて、
「別れたい」って言ったら
「心は初めてだから別れかたもわからないよね」って、だから
「携帯貸して私がメールしてあげるから」ってメールしてくれたよね。
でも優は分かってくれなかったよね、何で?どうして?理由が分からないって言って、キスしようとしたから嫌になったんじゃないかって思い込んで。
ごめん、ごめんって謝るからってそればっかりで私の気持ちひとつも知ろうとせずに自分の気持ちばかり押し付けてきてたよね。
まぁそれはお互い様だけどね。私は私で自分の時間を奪われるのが嫌で、相手の事で頭がいっぱいになったり、仕事が手につかないのが嫌になってた。
今思えば優の気持ちはたぶん元カノの事を引き摺ってて、それを私に分かってほしくて愛して欲しかったし、愛に餓えていて寂しかったんだよね。
でも私はわかってあげられなかったんだよね。
私自信もそうだったから、愛して欲しい愛してくれるのが当たり前だって思ってた。
でもそうじゃなくて、
愛は与えてあげないと貰えないし一方通行じゃ成り立たないんだよね。付き合うきっかけは優からだったよね。
「そんなに彼女は欲しくないんだけど」って照れて頭を掻いて
「付き合ってくれない」って
「返事は考えてからで良いから」って
何度かドライブや食事に行った帰りにそう言ったよね。私はびっくりしてしまってでもその時は少し嬉しかったんだよ。
でも私はよく考えもせずに簡単に
「良いよ、大丈夫だょ」って軽く返事をしたんだよね。
優は凄く喜んだよね。私はそんなに喜ぶ事なのって不思議に思ってた。けどその後にお姉ちゃんに言われたんだ
「何でそんな簡単に返事をするの」って
言われて。怒られて何でって言われても嬉しかったからって言ったの。
それに好きな人もいないし付き合ってる人もいないから断る理由がないよって言ったらお姉ちゃんは怒って黙ってた。
私はその時はお姉ちゃんが怒る理由がわからなかったんだ。
それからこんなこともあったね。
付き合い初めてまだそんなに経っていない時に、優がお店で指輪を見てたら店員さんが来たから焦ってどうしようって思って、その場から早く離れたいって思って優にまだ早いよって言ってその場を離れたよね。
でもほんとうはね、その時指輪よりも優に触れたかったんだ。腕を引っ張ったり、それよりも優の着てる服を後ろから引っ張ってまだ早いし良いからって言いたかったんだよ。
そんな事一人思って恥ずかしくて、出来なくてキュンって胸が痛かったんだ。
それからほんの少したって優から、そろそろいいかなぁって思ってって言われて何の事だろう?って思って少し予感はしてたけど、鈍いから案の定やっぱり指輪の事で、今度は優が買う気満々だったから何にも言い出せなかった。
だって優が照れて嬉しそうに言うんだもん。
「友達と下見したんだ、だから今度は大丈夫だょ」ってそんなの聞いて断れる筈なんてないよ。
だから嬉しいって嘘ついて笑って
「大事にするね」って精一杯偽ったんだ。でも嬉しかったよ。でも心はとても複雑だったんだ。どうしようってだから。
帰ってお姉ちゃんに指輪を見せて私が
「断れなかった」って言ったらお姉ちゃんは怒ったんだよね。でも私は怒られる意味がわからなかった。逆に腹がたって
「何で私が怒られなくちゃいけないの」って
「友達と下見したとか言われたから断れなかったっていうのは酷いよ」ってでも私はどうしたらいいのかわからなかったから、お姉ちゃんも嫌いって心の中で思ってた。
皆嫌い大嫌いって私も大嫌いって、でもどうしようもなくて心が助けてって言ってるのに何もしようとしなかった。
ただ時間が過ぎて行くだけで優は前の彼女の事があって焦っていたし。私は仕事も手につかなくなって人と接するのが怖くて他の人が喋っていたらイライラして悪口を言われているんじゃないのかって気が気じゃなくなって。
そんな時に一緒に働いている人に言われたんだ。私が優と別れたって言ったら
「許せない」って
「どうしてあんなに良い人をふるの」
って私は何にも言えなかった。
それから人を見るのも怖くなって怯えて悲しくなって涙が出そうで泣いちゃダメだ。今泣いたりしたら皆に迷惑がかかるって思って我慢して、帰ったら泣こうってでも帰ってなける筈なんてなくて。
どうしようもないのに誰にも言えなくてだんだん気力がなくなって、仕事があんなに楽しかったのに嫌になって辞めたくて何か楽しい事ないかなぁ っていつも考えてた。
今までは本が大好きで、たまに音楽を聴きながら絵を描くのも大好きで、それが唯一のストレス発散方々でリラックスや私の生き甲斐だった。
けどそれも長くは続かなかった。辛いときは本を読んで誤魔化していたり、
まだたくさん読んでない本もあるし自分が大好きって思う本にきっと会えるって思っていたけどそうじゃなかった。
私は一番大事にしなくてはいけない人間関係や感情とか気持ちを蔑ろにして無視してきたんだ。一番人間に必要な事を嫌って逃げてきてしまった18年間も長い間。
これからのほうが長いのに今まで好きかってし過ぎて普通とかそういう事がわからなくなってどうしていいのかわからない。
前に他人に言われた言葉があった。
「ロボットみたい」って、でもその時は気になんかしてなかった。これが普通なんだって思ってた。
けどお姉ちゃんに
「人形みたいだね」とか
「無表情」って言われた時はショックだった。どうすればいいのかわからなくて。
腹がたって無表情じゃなきゃ良いんでしょって思って作り笑顔とか怒ったり作った感情を表現していたら。一人になると虚しくなってイライラしてしまう。
でもそんな事やどうでもいい事でも気になってイライラしてその後悲しくなって自分自身を失ってしまった。
優とは時々あっていたよね。食事に行こうって誘われても、今日は行けないって、でも本当は話はしたかったんだよ。でも言えなくて後ろ姿を見つめて悲しくて虚しくて。
夜の海岸に行って散歩をして少し話をしたよね。その時も本当はもう少し一緒にいたかった。でも言い出せなかったんだよ。
お互いに行き詰まった時に喧嘩をしたよね。優は凄く怒ってたよね。でも私はそれどころじゃなかったんだ。
頭が痛くて辛くてでも優は自分の気持ちぶつけてどうなの?どうするのって。
そして優は言ったんだ。
「心はどうして俺の前で笑うの?」
「心はどうして俺と付き合ったの?心には好きな人がいなかったよね。だから?付き合ってる人がいなかったから?誰でも良かったんじゃないの」って怒って言ったんだ。
追い詰められた私はどうしていいのかわからなくて、頭が真っ白になって目の前が真っ暗になったんだ。
だから何にも言えなくて黙ってたんだ。でも
「誰でもよかったんじゃないの」って言われた時は凄くショックで
「違う、違う」って言ったけど、
自分でも何が違うのって言い訳だよって思ってた。だから居心地が悪くなって
「もう無理だよ」
「もう友達にもなれない」って言ったんだよ。
私の傍にいてもこの人は幸せになれない、私も幸せになれない。それなら傍にいない方がいいって思ったんだ。
そしたら優は
「分かった。心の気持ちが分かったからよかった。もういいよ」って、でも優は分かってなかった。
私もだけど二人とも寂しかったんだよ。それを誰かに埋めて欲しくて、だから物をくれたり優しくしたりしたんだよ。
でもそうじゃないんだよ。だから続かなかったんだよ。真実の愛は無償の愛だっていうよね。偽りじゃ成り立たないし、ありのままの自分をさらけ出せる相手ではないとダメなんだって。
でも私にはとても難しい。愛なんて欲しくないと思う鬱陶しいってでも寂しいんだとても孤独で家族といても居心地が悪くて自分の居場所がないんだ。
外に出るのも怖くて家にいても落ち着く場所なんてないどうする事も出来ない。自分しか治せないのに
自分が病を造り出して、もがいているんだから救いようがないよ。私はお姉ちゃんみたいに なりたかった。誰にでも優しくて、人懐っこくて、言いたい事を言える素直な明るいて可愛い人に 私はなりたかった。
優もそんな人だったよね、だから私はそうなりたくてでもなれなくて。いつしか自分自信歯痒くて、優を見たり、お姉ちゃんを見たり笑ってる人や自分らしくありのままでいる人を見ると、
歯痒くなる自分はなれない。何がそんなにおかしいの何笑ってるのって馬鹿じゃないのってでも私も声に出さずに笑ってるんだ心と裏腹で。頑固で馬鹿なのは私自身なのにね。
お姉ちゃんが言ってた。
「自分を愛せない人間は他人を愛せない」
「自分が変わらなきゃ何も変わらないし気の持ちようだよね」
「でも笑って心で泣いてる人もいるんだよ」って
「そうだね」って私はわかったようなふりして笑ったんだ。
そうやっていつも笑うんだ。生きてるから生きるしかないから死ぬ勇気何てないし生きる勇気もない
人の目ばっかり気にしてどれが正解か正義なんてわからない。私が一番手に入れたかった欲しかった自由さえも果てしなく遠い。
まるで足に鎖を繋がれているみたいにね。
この話は実話です。名前は変えています。 以上。。。。。
最後まで読んで頂いてありがとうございます。