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おひとり様ですがナニカ?

作者: 砂礫

久々に投稿…書いたのはだいぶ前なんですが連載の方でなくてすみません(-""-;)

 おひとり様というのが話題になったのは数年ほど前だっただろうか?


 今ではテレビや雑誌などでその話題を見かけることも無くなっているようだが、きっと増殖は続いているのではないだろうか?


 そして私もそのひとりだ!


 だってひとりは気楽である。


 他人に縛られず、他人に左右されず、気ままに自分の時間が使えるのだ。


 休みの日に他人に合わせてなんていられない私はきっと我侭なのだろう。


 自分が世界の中心という訳ではない。逆に自分は中心ではないから他人ちゅうしんといると疲れてしまうんだろうと思う。


 正直、恋愛ですら面倒だと思ってしまう私は末期なのかもしれないが、「まぁ、それでもいいか」と寝て過ごす休日に至福を感じる。


 


「キミ、面白いね?」


 夢?知らない声が近くで聞こえる・・・。


「そうだね。コレは夢だ。」


 くすくす笑いながら答えが返ってくる。


「ねぇ?そんなにひとりがいいなら連れて行ってあげるよ?」


 どこに?といまだ瞼の開かないままに聞けば「ひとりになれるところ」と返ってくる。


「ボクにとっても好都合だしね。そのかわり希望も聞いてあげる。そうだな・・・・3つくらいならいいよ?」


 希望???


「願い事ともいえるかな?やりたい事。欲しい物、技、魔法。何でもって訳にもいかないけど……きっとほとんどは叶えられるよ」


 ふぅん?ひとりになれる場所を教えてくれるなら他に願い事なんてないのに。


 くすくすくすくすと笑い声が聞こえるが今度は返事は返ってこない。


 うーん。じゃぁ、1つ目は親に仕送り続けて欲しいかな。2つ目は・・・友人が心配しないようにで・・・・んーー3つ目ねぇ・・・・・あ、ひとりでちゃんと暮らせるようにして欲しい。


「・・・・・・・・は?」


 なに?だって、ひとりでって言ったって全部ひとりでなんて無理じゃない?食材は買ったことしかないんだから野菜育てることも出来ない(知らない)し、お肉だって動物絞めたり捌いたりするんだよ?無理無理、現代っ子(子供じゃないけど・・)にそんなん無理でしょ。それに生活するのに家だっているし家具やなんかも・・・。


「待って待って。そうじゃない、そうじゃないよ?!」


 ?????


「だってそこは「チートだぜ!」とか「逆ハーキタコレ」とか言うんじゃないの?」


 チートって何?


「え?・・・・えーっと反則的な強さ?使った事もないのに達人の如く武器使えたり、いろんな魔法バンバン撃ったりじゃない?」


 逆ハーは?


「ひとりの女の子に何人もの男が言い寄るって奴だね!ほら、男に複数の女だとハーレムって言うじゃん?それの逆だから逆ハー!」


 ふうん?どっちもめんどくさそうだね?


「あれ?!面白くない?!」


 だって「ひとり」になりたいのになんで言い寄られなきゃいけないのさ?


「ぅ」


 過ぎたる力は災いしか招かんよ?


「キャラ違くない?!」


 面倒事が増えるって意味じゃ同じじゃない?面倒事は嫌いだよ。


「キミはおかしな人間だね。ひとりになりたいと言いながら、願い事は他人事ばかり」


 自分勝手な事ばかりだと思うけどね?


「本当に自分勝手なら、親や友人の事なんて気にしないよ」


 あんな親でも育てられた恩くらいあるからねぇ。死なん程度に金渡すくらいしかできないけどね。


 こんなんでも友人続けてくれてた数少ない奇特な友人なんだ。心配なんぞさせたくないね。いっそ存在自体消去してくれてもいいけどね。さすがに相手の記憶モノを奪う気まではないからなぁ。


 あぁ、死んだって事にしてくれたらいいか。


「はい?」


 死んだんならいなくなっても問題ない。金も遺言・・・ってのはおかしいか。んー、事故死とかなら慰謝料名目でどうにかなるのか?いや、どっちにしろ一過性なもんか。定期的に額の決まった金送る方法なんかあるんかな?


「ぷっ・・・・あはははは」


 なんかいきなり笑い出してどうしたの?


「いや!キミほんとに面白いや!キミを見つけてよかったよ!」


 はぁ?キミは結構面倒くさいのかな?


「ひどいなぁ!?まぁいいよ。キミの願い事は叶えよう!キミは死亡し、キミの母親は死なない程度に収入が入る。そしてひとりで生き抜けるだけの能力ちからを得る!」


 はぁ?なんか全体的に変わってないかい?


「いいや?キミの「死」は友人達へ知らされ「自然にいなくなる」事で「心配」はされない」


 んー…?うん。


「そしてキミの「母親」は「キミの言ったとおり」「死なない程度の収入」を得る」


 まぁ、そう言った…かな?あれ?母親だけだって言ったっけ??


「そして「暮らせる」とは「生きる事」即ち「生き抜く能力」が必要なわけだよ!」


 そう……なのか?


「もちろんじゃないか!」


 なんだかTVショッピング見てるみたいだな。


「お買い得感満載だね!」


 あれ、騙されてる気分になるよね。


「あれ?!同じ値段で2台とかお得じゃないか!」


 売れ残り処分したいだけでしょう?大量生産で単価安く上げたのに売れ残って倉庫圧迫したら赤字にしかならんじゃないの。


「え?!」


 大体なんで2台必要なのさ?それなら1台で半額のがいいじゃないか。使う予定も無い2台目なんて予備と称して物置行きか、タダで人にあげるくらいの使い道しかないじゃない。あぁ、売るって手もあるけどならなんで買ったん?ってならない?


「え…ぅ…たしかに……は!あいつまさか!?」


 というか、良く知ってるね?


「そりゃいつも見てるし…ってそんな事はどうでもいいんだよ!さぁ、心の準備はいいかい?」


 うん?いきなりの方向転換だね?


「いや?もとの方向に修正しただけさ。キミをこれから「誰もキミを知らない場所」へ連れて行く。「たったひとり」で異世界で過ごすといいよ!」


 いせかい?


「そう、生き抜く能力はあるんだひとりでもやっていけるさ。あ、人間が滅多に来ないようなとこに落とすから安心してね!」


 


 その言葉を聴いたのを最後に意識が薄れていく感じがした。


 

読んでいただいてありがとうございました。

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