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第一章 第七話

??「題名もきちんと本編に登場してよかったよかった…………私の名前が出てこないのはおかしい!」バレル「いえいえ、おかしいのはあなたの頭ですよ〜」??「言ったわね〜!というより、何であんたが前書きに来てるのよ!」バレル「勿論、皆様に評価感想をお願いしにきたんですよ!皆様、よろしくお願いします!」

七、

 カタツムリの愛弟子だった天使候補生であるシェル・バレット…………彼女が一週間のうちに人間界で学んだこととは忠義心と身を守る術だったそうだ。

 そして、その話を聞いた俺はおもった…………カタツムリ、あなたの存在が俺の人生を変えてしまいましたと…………

「……………いい人だったんだな?」

「ええ、いい人でした………これからよろしくお願いします………えーと、名前は?」

「生野雪人だ。呼び方は………」

 何でもいいといおうとすると遠くからよく知った声が聞こえてくる。

「あ、マスタ〜!」

「ん?」

「バレル?」

「兄さん?って何この惨状?」

 春華もやってきており、壊れたコンクリートの壁なんかを見つめている。

「あれ?シェル?」

「やはり、バレルか………久しいな?シェルは元気だったぞ?」

 一人称が『シェル』とぽけーっとしたこの二人は知り合いだったようだ。

「…………なぁ、二人は知り合いなのか?」

「ええ、まぁ…………知り合いというよりは姉妹ですね。一歳年上の私のお姉ちゃんです…………あ、ちなみにまだ上がいますから」

 似てないな、やっぱりおねえちゃんだからかシェルのほうが頼りになりそうな感じなのだが?いや、姉がしっかりしたから妹がぽやぽやになってしまったのだろうか?

「それより、バレル………師匠とは知り合いなのか?」

「師匠?師匠ってマスター………いや、雪人様のことですか?」

 バレルがそんなことを言うとシェルは頷く。

「ええ、私のマスターですけど?」

「む?やはりか…………まぁ、しょうがないな…………師匠、学校に行く途中ではなかったのですか?早く参りましょう」

「え?ああ?」

 もう話は終わったといわんばかりにシェルは俺の手をとると歩き出した。

「え?し、師匠ってどういうことですか!マスター!」

 バレルがなにやらあせった風にそんなことを言い始める。

「え〜と、それはだな…………」

 信じてくれるかわからないが…………さて、カタツムリがしゃべるのと目の前に天使候補生が現れるの、現実的に考えたらどちらが確率的に大きいだろうか?俺はどっちもどっちだとおもっているのが皆はどうだろうか?

「…………マスター、カタツムリはしゃべりませんよ?だって、そんなのおかしいです!」

 バレルが俺にそんなことを言う。自分の存在も充分おかしいくせしてな。

「そうねぇ、兄さん………カタツムリはしゃべらないとおもう」

「やっぱ、そうなるよな………」

 だが、俺はこの目で、耳で確認したのだ……………

「師匠、この二人に言っても信じてもらえないとおもいます」

「え?」

「こほん………とりあえず学校へと向かいましょう」

「あ、ちょっとシェル!私がマスターと一緒に学校に…………」

「師匠、失礼します」

 シェルは俺の手を掴むと、あっという間に二人の前から姿を消したのだった。

―――――

「ふぅ、ここならばあの二人も追ってこれないでしょう」

「………まぁ、確かにそうだが………もうちょっと場所を考えてもらいたかったな」

 そこは男子トイレの個室だった。おいおいおい、こんなところを警察に見つかったらタダじゃおかないんだぞ〜?

「バレルからこの光翼閃輪偽天争………天使昇格試験についてどういったことを聞きましたか?」

 俺は昨日の知識を引っ張ってくる。

「え〜と、その期間中ずっとここ………人間界にいればいいんだろ?悪魔とかそういうのからも逃げるとかそういうことしないといけないとか…………」

 ええ、その通りですとシェルは呟く。

「では、師匠………先ほどシェルが呟いた光翼閃輪偽天争の意味を教えたいとおもいます。どうせ、バレルからは聞いてはいないのでしょう?」

 頷くとため息をつくシェル。

「こほん、シェルの妹が師匠に詳しく話していないというのは由々しき事態ですね、まぁ、バレルの場合はきっと知らないのでしょうが………ですが、すみません」

「いや、謝らなくていいって…………そもそも、あわないはずだったんだし………」

「ええ、そうですね……さて、光翼閃輪偽天争についてこの、昇格試験の本当の意味………それは、偽の天使を探すことです」

「偽の天使?」

 俺はそんなことを知らず知らずの内に呟き、首をかしげる。

「どういう意味だ、それ?」

「偽の天使とは………実は、この光翼閃輪偽天争の中に一人だけジョーカーと呼ばれる者が混じっているのです」

 彼女が口にしたことを俺はまったく理解できなかった。

「ジョーカー?」

「引いてしまうとアウト!ということです…………ジョーカーがいない年のほうが多いのですが、今回はどうやら見事に当たってしまったようなのです。すさまじいほどの戦闘能力を持ち、あったが最後……………やられてしまうでしょうね。噂ではS級の悪魔とかはたまた魔王だとか言われていますね」

「う〜ん、例えるならゲームのラスボスみたいなものか?」

「いえ、ゲームのラスボスならばダンジョンの奥でおとなしくしているでしょうがジョーカーはどこに出るかわかりません。スライムとか、そういうのにラスボスが混じっている感じですね」

 それは怖い。しかも、シェルがつっこむところがそこかと俺はおもいたい。何?やっぱりバレルの姉もゲームが好きなのか?

「ちなみにジョーカーの姿は不明です」

「自由に姿を変えることが出来るってことか?」

「いいえ、一度も見たことがない存在………というより、会ったものが全員行方不明になっているのでわからないといったところでしょうか?見事にジョーカーに当たった天使候補生たちは徒党を組んだそうなのですが、ある年は全員が行方不明になったと聞きます」

「…………」

 天使候補生、全員が行方不明?それってどのくらい相手が強いのだろうか?まぁ、俺にはあまり関係のない話かもしれないが………

「そして、もう一つ………シェルは危惧していることがあります」

「え〜と、何だ?」

「これもまた噂なのですが………今回はジョーカーがもう一体、存在していると聞きます

「マジで?」

「ええ、ジョーカーがどういったものか私にはさっぱりわからないので実感がわきませんが………シェルと一緒にいる師匠にも危害を加えるかもしれません………それでも、シェルを傍に置いてくれるでしょうか?」

 そんなシリアスな展開へとバレルはもっていかなかったな………そんなことを考えていて、俺はため息をつくしか出来なかった。

「既にバレルがいるからな…………いまさら一人増えたところで構わないとおもうし、二人いればなんとかなるんじゃないのか?」

 そういうとシェルはありがとうございますと頭を深々と下げた。

「………ジョーカーが現れたら天使になれなくても、師匠を護りたいとおもいます」

「…………まぁ、もしかしたらあわないかもしれないからさ………とりあえず、学校へ生かせてくれ、俺を」

 遠くから始業のチャイムが鳴り響いてきたのを俺は確認するとため息をついた。


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