第一章 第六話
??「さて、今回の話からようやくそれっぽいことになっていくことでしょう!そして!今回も新キャラが登場!ちなみに、私ではありません!残念!」
六、
見ると、そこにはカタツムリが…………死んでいた。
「センパイ!カタツムリが死んじゃいましたよ!」
「あ〜………」
「ふむ、カタツムリか………最近はぜんぜん見なかったけど………小さい頃は良く見たなぁ〜」
里香ちゃんに怒られてしまった…………それと、誠に言われて思い出したのだが俺も小さい頃はよくカタツムリを見たものだったな。
「まぁ、今でもよく見るけどね〜」
「どっちなんだよ…………」
「それは里香のウィンクさ」
片瞑りね…………しょ〜もないな。
「………とりあえず、里香ちゃん……俺、このカタツムリの墓を作って学校行くからさ、先に二人でいっていてくれないか?」
「センパイ!私も手伝いますよ!」
「いや、いい………遅刻したら里香ちゃんの皆勤に傷をつけてしまうからな」
「わかった、まぁ、終わったらすぐに追いついてきてくれよ?」
俺は頷き、二人の背を早く追いかけるためにアスファルトから離れて土のところへ持っていく。
「…………少年、少年………」
「!?」
カタツムリがしゃべった!と、おもったのはなぜだろうか?
「………見事、私を打ち破った…………」
「は?」
そして、さらに驚いたことが起こった…………
「師匠!し、ししょ〜う!!大丈夫ですか!」
ブロック塀を粉々にしてなんと、ぼさぼさの髪を後ろで縛った女の子が現れたのだった。少々その足が浮いているのはなぜだろうか?
「おお………我が愛弟子………シェル………お主が天使になった姿を人目でも………」
「!?」
天使?天使だって?
「しょ、少年!」
「え?あ、はい!」
何故か敬語になってしまったのだが、そのことはどうでもいい。
「この子を………この子を天使にしてやってくれ!」
「え?」
「頼む!私を見事に打ち破った貴殿の実力を信じてのことなのだ!」
俺がしたことといえば、カタツムリを踏んづけてしまったことぐらいなのだが?
「しかも、倒した相手の墓を作ろうとするような器の大きさ…………私の愛弟子をおぬしに託したいのだ!」
俺は困惑するばかり…………隣の少女はさっきから師匠!師匠と連呼している。近所迷惑もいいところだろう。
「は、はぁ?ええと、残念ながら俺は…………」
「そうか!やはり………実力で愛弟子を倒して私から奪って見せたいというのだな?」
「だ、誰もそんなことは………」
「いいのだ!この私の最後の華として………主らの戦いを見届けたいとおもう………」
「はいっ!師匠…………このシェルに任せてください!いざ参らん!」
なにやら拳法のような型を取る相手…………シェル。
「あの〜…………」
俺、そういうことできないとおもうんですが?と、相手に伝えようとしたのだが瀕死のカタツムリは何も聞き入れてくれなかった。
「それでは!試合開始!」
マジか?気がつけば見世物とでも勘違いしたのか学生さんたちやおばちゃんたちが俺たちの周りを囲んでいた。何だ、このストリートファイトは?警官もものめずらしそうに見ているのだが止めなくていいのだろうか?
「はぁぁぁぁぁ!せやっ!!」
「のわっち!!」
恐ろしい勢いの拳が気がつけば迫っており、それをぎりぎりで避けた…………のだが、そのまま相手の拳から衝撃波が発生!?衝撃波はコンクリートの壁を打ち砕いて消滅した。え?じゃ、今の食らってたら俺が消滅してたとか?
「い、いやじゃぁぁぁぁぁ!!!」
「てりゃっ!はぁぁぁっ!!」
また、ためが来た!こんなの食らったらお陀仏であるから俺は学校へ向かおうとして…………走り出そうとするが、ギャラリーがいるので逃亡は出来ないようだった。
「どうした!このシェルの攻撃に成す術を失ったか!」
「…………」
どう考えてもこれは一方的な攻撃だろうに………失うどころか初めから術をもっていないのだ。
「せやっ!!!」
「うおっ!」
衝撃波が何のエフェクトか知らないが突風をまとって俺のすぐ近くを通り過ぎる。
「次は当てるぞ?確実に!」
「くっそ…………」
殺気のようなものを相手が発する。俺は頭が回らない、体が動いてくれない…………すると、自然と動きが緩慢となる。
「だぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!せりゃっ!!」
「……………あ」
俺は本能的か、目の前で腕をクロスさせる………俺もコンクリートが衝撃波を食らったように消滅してしまうかとおもったのだが腕に切り傷が出来たぐらいで大丈夫だった。
「え?」
「なんと!?防いで見せたというのか?………ならば、次は最大限の力を振り絞って…………だぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
大気が震え、地鳴りが始まる…………なんだなんだと周りの人たちがさらにシェルのほうへ視線を移す。
「く………」
さて、どうする?俺の頭は動くようになった、体も何故かきちんと動いてくれている……………そして、俺は相手の弱点に気がついた。
「………思えば、溜めてる間は無防備だな?」
そうと決まれば俺は相手との距離を急いで縮める。相手が溜め始めたときからそうしておけば殴り合いまでにはもっていくことが出来るはずだったのだ………今までそれに気づいていなかった俺って馬鹿だな。
「うぉぉぉぉおおおおお!!!」
走り出し、相手に飛び掛る…………
「く………何!?」
強襲が成功したようで、相手はそのまま俺と一緒に地に倒れる。
「そこまでっ!!!」
「はぁ…………はぁ……………」
相手のマウントを取って興奮のあまり…………こほん、疲労のせいで呼吸が荒くなっていた。
「………し、シェルが負けただと?」
相手は愕然としており、俺は馬乗り状態を続いているのもあれだったので立ち上がった。
「…………どうだ、シェル?この少年なかなか強いとはおもわないか?」
「…………そのようです」
白い服を着たシェルと呼ばれた人物は死にそうなカタツムリにひざまづく。
「………お前と過ごした一週間………楽しかったぞ………少年、我が愛弟子を頼んだぞ?」
「し、師匠〜!!!」
カタツムリはこうして、弟子に息を引き取られながら死んでしまったのだった………その後、俺はシェルと共にカタツムリの墓を立てて手を合わせたのだった………




