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第一章 最終話

??「あ〜あぶねぇ!名前がこのままでもいいから出させてくれって言ったら出してもらえた………こほん、この小説を読んでくださった方、ありがとうございます………別に殴り合いなどありませんでしたが、この小説を完結させることが出来ました。えっと、実のところ第二章も書くつもりだったそうなのですが………別の小説、そうですね、名前は………(カンペを確認しながら)『月ヲ喰フ者』で続編をやるそうです。ではでは、今までありがとうございました!そっちこそこの??が登場するらしいので、ファンだったか、絶対に読んでね!」

十四、

「ん〜………トイレ」

 俺は夜中にトイレに行きたくて目を覚ましてしまった。外は暗くて怖いのだが、そうも言っていられない……立ち上がり、テントの外に出る。

「うをっ!?」

 テントを出ると緑色の淡い光に包まれた女性が立っていた。その女性には見覚えがあり、俺がバレルをゴミ箱から出したときにいた女性だった。今回も、その女性は俺から見て反対方向に立っており、さかさまの顔は今回は笑っていた。

『お勤め、ご苦労様』

「は、はぁ………」

『お話があるんだけどよろしいかしら?』

「え〜と、ちょっとトイレに行かせてもらいます」

 相手を待たせておくのもなんだが、このままでは確実にもらしてしまう。俺は木陰に入って立ちしょんを終えた。

「え〜と、それで話とは?」

『終わりを告げにきました』

「終わり?」

 俺はわかっていながらも惜しむかのように…………いや、違うことの終わりを求めて彼女へと聞き返した。

『この天使昇格試験………光翼閃輪偽天争です』

「………」

 やっぱりか………と俺は思いながらため息をつく。もう、あの三人は俺の前から姿を消してしまうのだ。

「で、俺のところにいたあの三人は天使になれるんですか?」

『勿論………それにもう残っているのはあの三人だけです』

 驚愕の事実を言われて、俺は言葉を失った。

「あ、あの三人だけ?どういうことなんですか?」

『私は女神ではないのですけど………女神様が放ったジョーカー………偽天使に残りは倒されて天界に戻ってきています。皆さん寝ている間にやられちゃったみたいで驚いた顔をしている人が半数近くですけどね』

 つまり、あの三人は見事に生き残ったというわけか………

『まぁ、そのジョーカーもこちらへと向かってきています。いえ、あなた方の周りに既に潜んでいます。簡単に言うならあなた方が寝静まるのを待っていたといっていいでしょう。不自然な倒木に岩が転がってくることなんてありません』

 近くの茂みからガサリという音が聞こえてくる…………

「え?ご、合格って言ったのにジョーカーが来るってどういうことですか?」

『どうやら、ジョーカーも馬鹿ではないようですね…………人間界と天界を繋ぐ時間の間にあの三人を倒そうと考えているようです。ああ、やられちゃった取り消しです』

 成る程、それは確かに頭がいい…………

「ええっ!それじゃもしかしたら合格にならないってことですか!?」

『その通りです………あら?あなたが二体目のジョーカーだったんですか?』

「え?」

 ガサリという音が段々近づいてきて…………ズボンの右ポケットが光り始める。

「あ、これってバレルからとったあのときのジョーカーのカード?」

『ええ、実は二体目のジョーカーは天使にお願いしようとしていたのですが、どうにも使い方を誰も知らなかったようですね?』

「と、とりあえず………このカードがあればジョーカーと戦えるということですか?」

 俺は淡くひかる女性に尋ねる。

『ええ、ジョーカーとまったく同じ力を所有しているカードです。それに、あなたはジョーカーの素質がおありのようですし………ジョーカー初心者といえど、対等に戦えます。あの三人を天使にしたいのなら時間を稼いでください』

 こちらも全力を尽くしますといって彼女は消え去った。

「…………」

 俺の目の前に現れたジョーカー……月光が照らすも、その存在は闇に覆われているようだった。

「!」

 俺を見て、動きを止める。どうやら、ジョーカーのカードに反応しているようだ。

「かかってこいや!!」

 俺の挑発に相手はのることなく、まっすぐテントへと向かっていく。

「逃げるのかよ!」

 相手の前に回りこみ、押さえ込む。

「!?」

 相手は驚いたように俺を押しのけようとするが、どうやら俺はまったく同じ力を持っているようで見事に動かなくなった。

「…………ま、マスター!」

 後ろからバレルの声がしており…………だが、俺は相手と取り組み合っており振り返ることは出来ない。

「バレル、今までありがとう…………っと、まじめな天使になるんだぞ?………扉が開いたんなら早く行け!」

 やっぱり、ジョーカー暦が短いからなのか、俺は徐々に押され始めている。

「そ、そんな!マスターをおいていけません!」

「おいおい、俺を天界に連れて行く気か?くっ………っと、俺のことを見守ってくれればそれで結構だ!早く、行け!」

 闇を纏ったジョーカーの姿が未だに確認できないのだがめちゃくちゃ怖い………トイレに言っておいて良かった気がする。

「師匠!だ、大丈夫ですか!今加勢に………」

「おっと、シェル……お前がジョーカーの話をしてくれてよかったぜ?そのおかげで、今まともに時間稼ぎが出来てるんだ」

「こ、これがジョーカー?」

 シェルは驚いたようにそう呟いている………

「ちなみに、俺もジョーカーだぞ」

「し、師匠………う、嘘ですよね?」

「いいや、ジョーカーは本当はバレルがやるはずだったんだ………だが、途中で俺がその………なんだ、よくわからんがジョーカーに変わっちまっていたらしい」

「…………」

 絶句してしまったシェルに俺はかける言葉がない。

「お前なら、わかってくれるよな?扉が開いてるんならさっさとバレルをつれて天界に戻れ!そろそろ手がしびれてきてギブアップを求めたい!」

「わ、わかりました………ほら、バレル!」

「い、いやです!」

 バレルはどうやら踏ん張っているようなのだが………

「…………シェル、なんとしてでも連れて行け」

「すいません、師匠…………」

「い、いや…………」

 二人の気配が見事に消え、俺が相手を押さえるのもそろそろ限界のようだった。

「…………主、加勢は?」

「必要ない、お前も早く行け」

 スプレの声がすぐ近くで聞こえてくる…………

「わかった…………天使にしてくれて、ありがとう」

「気にするな、お前が一番手のかからん奴だった………まぁ、短い間だけだったがな」

 さようならとスプレは呟き………とうとう三人全員の気配が消えてしまった。まさか、こんな風な別れ方をするとは思っていなかったのだが…………あの三人が立派な天使になってくれればそれでいいだろう。

『見事にあの三人は天界に戻ってきましたよ』

「そりゃどうも…………で、俺はいつまでこいつとこうしていないといけないんっすか?」

『いつでも…………いったんはなれ、バレルが落としてしまっていった光の矢を使ってください。ジョーカーは間違いなくあなたを殺そうとします』

「…………わかった」

 俺はジョーカーからはなれ、近くに転がっていた光の矢を掴んだ。相手もどこからか似たように鋭い槍を取り出して俺へとつっこんできた。

「………………!!!」

「くそっ…………!!!」

 つっこみ、両方とも避けると思ったのだろうか?見事に俺とジョーカーは…………


 相打ちとなった。


 体から何かが抜けていく気がしていく…………紅い液体が俺の足をぬらしていく………後ろを振り向くと、黒いやりは見事に俺を貫いており、俺はもう…………

「ごふぁ………」

 口からも似たような紅い液体が吹き出し、力がはいらない。

「…………」

 ジョーカーも黒い霧が噴出していき………力を失っていくのが俺にもわかった。

「ま、まぁ………ごふ………相打ちってのも………」

 悪くないかもしれないといおうとして俺たちの体は地面に転がったのだった。

――――――

再び光翼閃輪偽天争は例年通り行われる………


 一つの書類には軽く『生野……』と書かれており、この書類を手にした天使はそのものの場所へと向かうのだろう…………


 バレルと雪人が一緒にプレイしていた恋愛シュミレーションゲームは問題となり、今では伝説のゲームとなっていた。


 第三十七回光翼閃輪偽天争を合格した三体の天使は生きた伝説となっていた………ただ、三人は人間界とはまったく関係の無い場所で動くことになっているので彼らが慕っていた一人の人間のことを知る由がなかった。


 一年後、とある公園で一人の青年が呟く。

「また………この年になったな………なつかしいもんだ」

〜END〜


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