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第一章 第十三話

??「え〜次回が最終回………?え?嘘!私の名前はどうなってるの!最終回でわかるってこと?そ、そうじゃない?それってどういうことよ!ちょ、ちょっと!降板って何よ!ちょ、う、訴えてやる〜(どこかに連れて行かれる)」

十三、

 夜空には満天の星空……………

「綺麗ですね〜」

「ああ、そうだな……………」

 俺の隣にいるのはバレル…………そして、その後ろには他の二人がテントを整備している。

「雪人、実に君は暇そうだね?」

「まぁな、だってほかにすることがないだろう?」

 あたり一面、木々が生い茂っており、ここだけが月光を受け入れている場所なのだ。

「………俺たち、迷子………いや、遭難しているんだから」

―――――

「え〜皆さん、連休だからと言って羽を伸ばし過ぎないようにしてください」

 担任のその言葉に俺たちは確かに頷いた。全員、この計画を発案した誠の席にやってきていた。

「さて、今日から山登りに行くんだけど………皆、山をなめてはいけないよ」

「わかってるって」

 過去に一度、遭難した経験のある俺はそのことを熟知………とは言わないまでもある程度は理解していた。徐々に暗くなっていく周囲に見知らぬ土地………迫ってくるような感じを受ける木々たちに見知らぬ獣の声。次の日、俺は気絶している状態で見つかったのである。

「大丈夫です!私がいますから!」

「………俺は一番お前が不安なんだがな」

 ゴミ箱を探検しようとしていたのか知らないがゴミ箱から抜けなくなってしまったのはこいつの恥部だろう。これで天使になるって言うのだから相当バレルの頭の中はくすんでいるのだろうか?

「ま、その点ではシェルは大丈夫だよな?」

 俺の問いに彼女は自信満々と言った感じで頷いた。

「まぁ、山篭りなら三日ほどしたことがあります」

 三日ほど山篭りをしたぐらいで大丈夫なのだろうか?とちょっとした疑問を覚えたのだがこの格闘家ならそれこそ熊も倒してしまうかもしれんからな。

「で、そっちの無口ちゃんも大丈夫なのか、雪人?」

「スプレ、問題はないよな?」

「…………毛虫は駄目、それ以外は大丈夫」

 そういって俺を見るスプレ……………成る程、苦手なものだってあるのか………

「あ、あ!私も辛いものが苦手です!」

「え、え〜と、師匠!シェルは苦手なものなのありませんよ?」

 何を張り合っているのかわからんが他の二人もそんなことを言い出す。

「…………っとに大丈夫かい?雪人、この三人からは絶対に目をそらさないでくれよ?」

「………わかった。努力する」

 こうして、俺たちは五人は山に行ったのだが…………

 山に登って数十分後、早速迷った。

「バレル、なんだかどんどん獣道に入っていってないか?」

「え?でも地図どおりに……………Sが下ですよね?」

「!?」

 バレルに地図を渡したのが間違いだっただろう……………幸いなことに誰もかけていないのが良かったことなのだろう。

「あ〜こほん、諸君、急いで来た道を…………」


べきっ!!!


「あ、倒木が………」

 戻ろうとしたとき、ちょうど木が俺たちの行方をさえぎる。

「まぁ、この程度ならシェルが飛べます、師匠!ちょっといってきます!」

 そういったシェルの目の前に岩が転がってくる。


ごろごろごろごろごろ…………どごん!!!


 うずたかく積まれてしまった岩石の集まりにシェルは首をすくめる。

「さすがにこれは………無理ですね」

「そうか………まぁ、別の道に出るまで上れば大丈夫だよな?」

 俺がそんなことを誠に尋ねると奴も頷いてくれた。

「ああ、きちんと家の人たちに入ってきているからね………期間を過ぎても帰ってこなかったらすぐに警察に連絡してくれるように頼んでおいたよ」

 念の入れようはすごかったのだが、まぁ、この位しておいたおかげで今回は助かったのである。

――――――

「星空が綺麗だよな〜」

「そうですね〜」

 上記のようなことがあり、俺は…………いや、俺たちは遭難しているのである。そして、とりあえず開けた場所にテントを張って一夜を過ごすことにしたのだ。

「現実逃避なんて二人ともいいから、さっさと手伝ってくれよ」

「だってさぁ、バレルほっとくとまた泣き始めるぞ?」

 迷子になってしまったのは自分の所為だ、私が腹を切って………と何故か切腹を申し出てきたので俺はそれを急いで止めてお空にきらめくお星様たちを見せたのだった。それにいたく感動したのか切腹をやめてバレルは星空を見入っているのである。

「師匠、出来ましたよ!」

「………会心の出来」

 後ろを振り返るとスプレ&シェルの初心者にしては上手なテントが出来上がっていた。はぁ、うまいものだな〜

「ほら、シェルとスプレがテント張ってくれたからはいるぞ?もう真っ暗だし………」

 こんなに平らな土地を探すのに結構な時間を割いてしまっているので既にあたりは真っ暗なのだ。

「私って、どうしてこんなに無力なんでしょうか………ドジだし………」

 おおっ!自分のことがドジだと認識していたのか〜………っと、普段の俺だったら思っていたかもしれないが、今日のバレルにそんなことを言うのはさすがに刻であろうということで、俺はこほんとせきをしてバレルの肩を静かに掴む。

「何言ってんだ、ドジならここまでこれないだろ?今頃躓いてがけから落ちてるぜ?」

「………そうですか?」

「そうそう、誠、そうだよな?」

「そうだね、今頃人類滅亡のカウントダウン栄えある一番目って感じで新聞に載っているだろうね」

 励まし方がおかしいのだが、そこのところは誠仕様だ。無茶振りを見事に返してくれたのを素直にありがとうと思おう。

「………だからさ、バレル、明日がんばればいいだろう?」

 バレルの頭に手を載せ、俺はそんなことを言う。それがどんなに無責任で場合によっては自分も責任を負わなくてはいけないかもしれないという言葉なのだが………俺はとりあえずバレルを元気にしたかったのである。

「師匠、早くバレルを連れてきてください」

「ほら、お前の姉ちゃんもお前を呼んでるぞ?…………スプレだってなぁ?」

 いつの間にか俺に肩車されているような感じになっているスプレは口を開く。

「…………ご飯の味見、よろしく」

「………二人とも………わかりました!私に任せてください!」

 元気を取り戻したようで、俺は安心した。テントへと突撃していったバレルの後姿を見ながらつい、ため息をこぼしてしまう。

「シェル、スプレ、ありがとうな」

「いえ、師匠のほうこそすみません………バレルが迷惑をかけてしまって………」

 スプレを引き摺り下ろそうとしながら俺にそんなことを言ってくれる。こんな生活がずっと続くといいなぁと思っていた俺だったが、世界は常に回っていた。


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