第一章 第十一話
??「あ〜もうなんだかこの??って名前が定着しちゃった気分だな〜。あー、こほん、知りたいと言う人がいたら教えてあげ・・・・・え?駄目だって?」
十一、
「犬語はさすがに天使でもわからんだろうな?」
「………天使候補生」
「そうだったか?」
俺としてはどっちももう一緒なのだが…………
「それより、助けてくれてありがとうな?」
「…………主を護るのは当然」
「でも、助けてくれたのは事実だ………オイデの飼い主は俺だし」
「…………」
昏いイメージのする相手だ………顔は可愛いのにな。
そんな話をしていると声が聞こえてくる。
「マスター!」
「師匠!大丈夫ですか!」
戦闘態勢………光の弓を装備したバレルに拳に指ぬき手袋を装着したシェル。
「ええと、悪魔はもういなくなったんですか?」
「師匠が倒したんですか?相当強い奴が来たとおもったんですけど………」
二人とも未だに臨戦態勢のままであたりを見渡すが当然のように悪魔の姿はない。
「いや、俺が倒したんじゃなくてこっちのスプレさんが倒してくれた」
「…………スプレで結構、主」
「す、スプレ!?」
「ま、マスター、今スプレっていいましたか?」
「え?ああ…………」
ぎょっとしているシェルにおびえているバレル………なんだ?この空気は?
―――――
「通称、憑き人スプレ…………戦闘能力に特化してますが、一人で走りがちなうえに彼女が天界にいたころ使えていた主は大怪我を負ってます」
「へぇ、そんなジンクスがある天使候補生なんだな〜」
俺はシェルが話していたその話を半分ぐらいしか聞いていなかった。俺が向ける視線では犬と戯れる物静かそうな女の子が映っている。和む光景だ
「………こほん、師匠!」
「あ?な、何だ?」
その視界上に面白くなさそうな顔をしたシェルが姿を現す。
「スプレが師匠のことを主と呼んだ気がします」
ああ、そういえば話すのを忘れていたな………
「きっと、犬のことをいったんじゃないのか?」
「いえ、確実にあのスプレは師匠のことを主だとおもっています」
「あわわわ…………」
バレルは完全におびえて俺にひっついて振動を俺に与えまくっている。
「そうはいってもな………」
オイデが名前も呼んでいないのになにやら封筒を持ってやってきた。新聞とかはよくもってくるのだが、封筒ははじめてだ。しかも、俺宛のようでオイデは座って待っている。
「ん?何だ?」
「封筒ですね、どこから…………あ、師匠…………それを開けては………」
言われたときには既に封筒を開けており、中には『権利を譲渡する』という書類に犬の肉球が押されていた。
そして、気がつけばスプレが近くにいたのだった。
「……………これで、自分の主」
「え?」
犬も頷き、用は済んだとばかりにスプレと共に出て行ったのだった。
「あ、あわわ…………」
バレルは俺にしがみついてはなれないし、シェルはため息をついていたのだった。
「………とりあえず、シェルは師匠が傷つかないように努力します」
「わ、私も………マスターのためにがんばります」
震える足を何とか立たせてそういったバレルに対して俺は首をすくめるしかなかった。
「実感わかねぇからな………」
―――――
「ここにいたのか?」
「……………」
あれから母さんにスプレのことを話すと母さんは構わないわと言ってこの家に住むことを許可したのだった。
しかし、夕食時に完全に黙っているスプレについて俺は色々と母さんに放している途中で彼女は退出…………難しい年頃なんだといっておいたら母さんは納得したのだが妹は兄さんに何がわかるのよ?ともっともらしい言葉を言われて反論できないでいた。バレルは震えており、シェルは面白くなさそうだった。
そして、俺は出て行ったスプレを追いかけていった結果、屋根の上にいる彼女を発見したのである。
「…………あの二人と仲良くしてやってくれないか?」
「それ、自分に対しての命令?」
「いいや、お願いだ」
「…………あの二人が自分のことを怖がっている、嫌っているから無理………」
表情変えずに沈む夕焼けを見ているスプレにどういった言葉をかけるべきか悩んでいる俺だったのだが、強引に話題を見つける。ジョーカーについてのことだった。
「あ〜あのなぁ、ちょっと………」
しかし、その話題を振る前に俺は上を見上げるはめとなった。
「って、あれは何だ?」
上空には何かが浮かんでいた。羊とヤギをたしたような感じの生命体で、俺とスプレを見ると、にやりと笑う。羊ヤギが笑った瞬間に俺たち二人は気がつけばぜんぜん違う場所にいた。そこは紫色の煙に囲まれている場所だった。
「…………やられた」
「え?やられたってどういう意味だ?てか、ここはどこだ?」
「さっきの奴の頭の中…………自分たちを取り込む気」
「こいつを知っているのか?」
「…………自分はナイトメアと呼んでいる。天界にいたころからずっとこいつに追いかけられていた」
煙を見ているとどんどんと何か騎士のような形をとる。それは俺よりも1.5倍ほど大きい。
「…………排除」
スプレは銃を取り出すとそれを相手に撃ち込む………だが、それは見事に貫通してどこかに消えてしまった。
「ぐあ!」
「!?」
弾丸は俺の右肩を打ち抜いた。
「………ど、どうなってんだ?」
穴は開いたのだが、血が流れない………そんなおかしい状態に陥っており、俺は混乱していたが…………
「大丈夫?」
心配そうな顔をしているスプレに肩を押さえられると、混乱していた頭も冷静さを取り戻していく。
「…………飛び道具が通用しないなら打撃は効くかも知れん!」
「あっ…………」
俺は飛び出し、相手にけりを食らわしてみたのだが………
「あれっ?」
煙となり、体を貫通して………
「ぐおっ!!」
俺に戻ってきて見事に顔面へと俺がけったぐらいの威力のあるけりが戻ってきた。
「あいたた…………」
振り下ろされそうになった剣をスプレが銃で受け止めようとするが………彼女の右肩に当たる。
しかし、彼女の右肩は切れず……そう、代わりに食らったのは俺だった。




