表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界転生したのでPMCはじめます  作者: 天津風
第1章 幼少期編
7/27

第6話 可能性

ラーニャが魔法を習い始めてから1ヶ月ほどが経った。

ラーニャは一応俺とログナンと一緒に剣術の練習をしている。

まだ体力がないので剣術は無理かと思っていたのだが、獣人族であるためか身体能力が元から高く、練習についてきている。

そして肝心の魔法だが、これに関してはかなりセンスがあるだろう。

ラーナは魔術師Ⅲ級以上のセンスがあると言っている。

魔術を習い始めたのは俺より後だが、もうすぐ追いつき、そのまま追い越していく勢いで学んでいる。

この勢いだとどこまで行くのだろうか。



▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼



俺はこっちの世界にやってきてから1つ気になっていることがあった。

それは、なぜかは知らないが前世の記憶を引き継ぐと同時に、何やら兵器の設計図らしきものが記憶に刷り込まれていた。

それに気がついたのは大体2歳くらいの頃で、家の中をウロウロしている時の事だった。

本来の赤ん坊には備わっているはずのない知識と思考力を持っている俺はラーニャやログナンの目をかいくぐり、あっちこっちの部屋へ行っていた。

本格的に文字を学ぼうとしだしたのは3歳頃だが、それより前から一応ウロウロしていたのだ。

そして、俺は父ログナンの部屋へ入った。

そこには、ログナンの剣が置いてあった。

ログナンは剣を3本ほど保有しており、いつも剣を一本腰からぶら下げている。

残りの2本は部屋に置いてあり、それを俺は見つけた。

その剣を見て、俺は思った。


この世界の兵士は皆剣を持っている。

それは、元の世界では銃に当たるものになる。

俺は元自衛官だ。

自衛官の時に使っていた銃は89式小銃、それは俺の剣にあたる。

つまり何が言いたいか、それは剣の代わりに銃を使いたいということだ。

ここは剣と魔法の世界、その世界で銃を使えばどうなるか。

多分強い。

しかしどうやって作るのか。

普段から使っていたとはいえ、詳しいことは知らない。


そう思い、いろいろ考えていると、ふと頭のなかで何かが出てきた。

俺は意識を自分に向け、目を閉じた。

すると、何やら武器の図面のようなものが頭に浮かんできた。

しかしそれだけでは何の武器なのかわからない。

俺はさらに集中した。

すると武器の名前が色々浮かんでくる。

なんというか、巨大な武器のデータベースをPCで見ているような感覚だ。


(89式5.56mm小銃)


俺は心のなかでそう言った。

すると、89式小銃の図面らしきものが浮かんでくる。

そして、その寸法を見たいと考えてみる。

すると詳細な寸法が浮かぶ。

浮かんでいる画像の各部品に意識を向けると、その部品のデータが出てくる。

材質、寸法、重量など。


そして、俺は89式小銃のすべての部品のデータが頭に入っていることがわかった。


その後、数日かけて色々と考えてみた。

89式小銃以外の銃を考える。

そして、89式以外の銃のデータも知っていることがわかったのだ。


その脳内にあった武器のデータベースについてを色々と考えてみると、大体どのようなものかがわかった。

まず、武器のデータだが、銃だけではなく、戦車、航空機、水上艦艇、野戦砲などの別の武器のデータもわかるようだ。

次に、いつの年代あたりの武器までがわかるのか。

それは、大体第一次世界大戦前後の武器から、2000年代の兵器といった、近代兵器に限ったものだった。

最後にわかったことは、計画だけの武器は設計図が出てこないということ。

つまり、制式採用や販売がされているようなもの以外はわからないということだった。


(恐らく、転生した時になにやら別の記憶が紛れ込んできたのだろうな。)


俺は、その兵器の脳内データベースについて、そう結論した。



▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼



今日俺は家の庭にいた。

たまには休日を挟んだらどうかと親に言って色々相談した結果、7日に一回休日を入れることとなった。

俺だけの頃は良かったが今はラーニャも一緒に剣術と魔法を学んでいる。

そのため、いかに身体能力が高くても体力がまだないラーニャを俺と一緒のようにすると疲労がどんどん蓄積されていってそのうち事故をおこすかもしれないからということでそうなった。

そして今日はそのハーシュタ家の日曜日(仮)なので、朝からいつものような剣術の練習をしないこととなっている。

ログナンは庭で普通に剣を振るっているが。


「おおアルバ、どうした、今日は休日になったんじゃないのか?」


「いや、逆に父さんはなんで剣の素振りをしているのさ。」


「まぁ、俺はこのような生活を何年も続けてきているから、やめろと言われてすぐやめられるようなものじゃないしな。」

「それで何だ?お前も剣の素振りをやりに来たのか?」


「いや、せっかくの休日にそんなことするわけ無いじゃん。」


「そんなことってお前......。」


「それじゃぁ行くよ、ちょっと魔法で試してみたいことがあるから。」


「なんだ、剣術はそっちのけで魔法だけやるのか......。」


なにやらいじけてブツブツ言っているログナンを傍目に俺は庭の隅っこへ行った。


俺は土を掴んだ。

手のひらに載せた土に対して魔力を送る。

イメージしているのは鉄の塊。

そして、手の上で重さが増していく。


そして出来た。

手のひらに乗っているのは鉄の塊。


(よし、どうやら鉄は作れるようだ。)


そう思った俺は次の実験をした。

次にイメージしたのは5cm四方の鉄板、厚さは1mm

前世での俺の父親は金属加工の町工場を経営していた。

俺は小さい頃からそこへ出入りしていた。

そして、小学校高学年から、高校に入って少したった頃までそこで手伝いをしていた。

反抗期に入って父と喧嘩していたが、その工場の従業員の人達は小さい頃から色々優しくしてもらっていたので工場には通い続けた。

高校に入って勉強が忙しくなってからは行っていないが、それまでのおよそ10年間、家の手伝いであったとはいえ、金属加工に携わっていた俺は金属については多少わかっているつもりだ。


鉄の硬さは魔法が勝手にイメージするのではなく、自分でイメージして作ることが出来るため、その分有利な点もあるだろう。


そして俺は硬さをイメージし、魔力を注ぎ込んだ。

手から魔力が出て行く感覚、手の上で土が鉄に変わってゆく。

そして出来た。

だが、出来上がったものは表面がなめらかではなく、厚さもまばらなものだった。

前世での5年間、こちらの世界での4年間、合計9年間金属に触れていなかったためか、想像とは違ったものが出来上がった。


(まずは感覚を取り戻す必要があるな。)


9年空いても幼少期から金属に触れていたのでなんとか出来る。

そう思った俺はその日から休日に土から鉄板を作る練習をしていった。



▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼



    1ヶ月後

俺はついに鉄板を作ることに成功した。

昔作っていたその鉄板のイメージを取り戻すことに成功したのだった。

ちなみに練習の時に出来た鉄屑は近所の鍛冶屋に売っておいた。


そして俺は次のことを考え始めた。


(鉄のイメージは取り戻した、次は何とかして89式小銃を作れないものか。)


俺は脳内兵器データベースの中から俺は89式小銃のデータをピックアップした。

まず、ちゃんと小銃が作れるかどうか、それを試さなければならない。


この世界で戦っていくためには俺は使い慣れたこの小銃がいい。

剣術を教わってはいるものの、それらで戦うより、銃を使ったほうが強いに決まっているのだ。

剣と魔法の世界で銃を使う。

誰もが一度は考えることだろう。

そして、俺の場合、頭のなかに銃だけでなく、近代兵器のデータが網羅されているのだ。

これを使わない手はない。


(さて、最初に部品から作り、組み立てていこうか。)


こうして俺の異世界での銃の製作が始まったのである。

どうも、天津風です。

今回は異世界で銃を作るための解説かな。

ちょっと文章書くのに手間取ってました。

リアルの方も忙しくなってきましたからね。

誤字などがあればまたご指摘ください。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ