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異世界転生したのでPMCはじめます  作者: 天津風
第1章 幼少期編
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第4話 魔術師

この世界には魔法が存在する。


とは言っても、誰でも使えると言うわけではないらしい。

この世界では魔法使いは《魔術師》と呼ばれ、大体のランクがこのようにわけられているらしい。


    Ⅴプラス級


    Ⅴ級


    Ⅴマイナス級


    Ⅳ級


    Ⅲ級


    Ⅱプラス級


    Ⅱ級


    Ⅱマイナス級


    Ⅰ級


それぞれのランクがどの程度の強さなのか説明すると。

Ⅴプラス級は、エルフ族の中でも昔から純粋なエルフの血のみを受け継いでいる《ハイエルフ》と呼ばれる種族と、ハイエルフと獣人の血が混ざった《ダークエルフ》と呼ばれる種族がそれにあたり、数が非常に少ない希少種族なのでまず見かけることはないと言われている。

また、強力な古代魔法を唯一扱うことが出来る。


Ⅴ級はエルフ族出身の者だけなることが出来る。

ちなみにエルフ族は生まれた時から最低でも魔術師Ⅳ級以上の才能を持っているらしい。


Ⅴマイナス級は、エルフ族以外の種族の魔術師の中の本当に僅かな天才だけがなれる存在で、この世界には3桁も居ないのではないかと言われている。


Ⅳ級は魔術師全体の一握りだけがなれる存在で、天才しかなれないと言われている。

数は大体数千人ほどと言われている。

万も居ない。


Ⅲ級になると、Ⅳ級以上とは違い、ずっと人数も多い。

Ⅲ級は、通常の魔術師の中でも優秀な人がなれるランクだ。

魔術師であるならば、訓練をすれば魔法力的にはⅢ級になれるらしいが、個人のセンスの問題もあるので、なれない人は多い。

そのため多いとは言ってもⅣ級以上と比較してのことなので全体的に見るとやはり少ない。


Ⅱプラス級、Ⅱ級に戦闘魔法を扱う魔術師の大半が入るらしく、数も多い。


Ⅱマイナス級は、魔法を扱えても戦闘に転用できるほどの魔法力を保有していない魔術師がこれにあたる。

彼らは主に後方支援などのサポート役に回るらしい。


Ⅰ級はそもそも魔法を扱えない人たちのことを言う。

つまり一般人のことだ。


人口における魔術師の割合としては


Ⅲ級以上が3%、Ⅱプラス級とⅡ級が合わせて27%、Ⅱマイナス級が15%、Ⅰ級が55%

Ⅲ級以上だけを詳しく見ると、Ⅴプラス級が1%、Ⅴ級が3%、Ⅴマイナス級が1%、Ⅳ級が10%、Ⅲ級が85%となる。


更に、魔術師適正と呼ばれる潜在的な魔法力の量は種族によっても変わるらしく、大体で分けると


エルフ族>竜人族>獣人族>ドワーフ族>人間


となるらしい。

もっとも、それは大体の目安であって、たまにとんでもない魔法力を持った人が生まれることがあるらしいが。


要するに、魔術師ランクと言うものは人の潜在的な魔法力の量の目安ということだ。



次は、魔法についての説明だ。


魔法には以下の種類が存在する。


    ①攻撃魔法

    ②防御魔法

    ③補助魔法

    ④治癒魔法


更に、攻撃魔法には以下の属性が存在する。


    ①火属性

    ②水属性

    ③氷属性

    ④風属性

    ⑤土属性

    ⑥光属性

    ⑦闇属性


種族などによってこれらの属性の得手不得手も分かれてくるそうだ。


攻撃魔法とは文字通り、攻撃を行う魔法で、相手に対し何かしらのダメージを与えるものを言う。


防御魔法とは、結界を発動させて相手の攻撃を阻む魔法である。


補助魔法とは、体の一部を魔法で強化し、戦闘力を高めたりするものをさす。


治癒魔法とは文字通り回復させる魔法だ。


ちなみに光属性の魔法は普通の魔術師は扱わないらしい。

どこで扱っているかというとトロムス教の神官戦士団に所属する魔術師だけらしい。

闇属性の魔法もまた、普通では扱わず、扱うのは暗殺者などの一部だけらしい。


あと、古代魔法は強力すぎるのと扱う種族が希少なために別枠となっているそうだ。



一応魔術師のランクとは別に魔法自体にもランクが存在し、それを下から順に分けると


    初級魔法


    中級魔法


    上級魔法


    聖級魔法


    神級魔法


となる。


この魔法のランクは攻撃魔法の7属性と防御、補助、治癒の各魔法合計10種類別々に分けられている。

そして、より上級になればなるほど高度な技術を要求され、扱える人は減っていく。

なぜ高度な技術を要求されるかというと、それはその魔法それぞれに必要な魔法力の量が関わってくる。

当たり前かもしれないが、魔法は上級になればなるほど消費魔力が多くなってくる。

神級までなってくると使える人が居ないんじゃないかと言うくらい消費魔力が多いらしい。

しかし、その消費魔力は技術である程度抑えられるらしい。


この世界の魔法は、体内の魔力を放出して発生させる現象のことを言う。

故に魔法を発動する度に体内の魔力が消費されていく。

ゲームなどで言うMPに当たるものだろう。

そして、魔力が切れると魔法が使えなくなる。

つまりMP切れだ。

そして大抵の場合、魔法を発動するときにその魔法が必要とする魔力以上に魔力を放出してしまうらしい。

わかりやすく説明できるかわからないが、まず自分がMPを100持っていたとする。

そしてある技を使うためにはMPを10消費する。

それであれば、自分はその技を10回使えることになるが、この世界ではそううまくいかない。

実際は必要ないにも関わらず10MPに加えて5MPほど無駄に消費してしまう。

MPを魔力として考えてもらったらわかるであろう。


しかも、その無駄な消費魔力(魔力ロスと言うらしい)は上級魔法になり消費する魔力が増えるとそれに比例してどんどん大きくなっていく。

そのため上級ならまだしも、消費魔力が爆発的に増える聖級や神級にまでなってくるとそのことは見過ごせなくなってくる。

そして、その魔力ロスの問題を解決する方法は二つある。


1つは、魔力ロスを無視してそれがどうしたと言えるほどの莫大な魔法力で魔力ロス分を補う方法。

しかし、この方法を使えるのは極々一部の人たちだけに限られてくる。

そのため現実的ではない。


そしてもう1つは自身の魔力をコントロールして、魔力ロスが極力出ないような技術を身につけるという方法だ。


そう、その技術を身に付ければ、高度な魔法を扱うことが可能になるのだ。

魔術師たちは皆、ある程度魔力をコントロール出来るようにするらしい。

しかしそれでもまだ魔力ロスは発生する。

その魔力ロスをさらに減らすことが出来るとより高度な魔法を扱える上に、より多くの回数魔法を使えるようになる。

しかしその技術を身につけるのは容易なことではないので、それを身につけられる者はごく僅かだという。

そして、その技術を身につけた人たちが大抵ランクⅣの魔術師となる。

Ⅳ級魔術師が天才にしかなれないと言われている所以はそこだ。


もっとも、実際魔物などと戦闘するときは魔法一発あたりの威力より、どれだけ魔法を使えるかと言うことのほうが多いらしく、実用的な魔法は大体強敵相手でも上級ほどの魔術までしか使わないらしく、聖級や神級を使用する状況はめったにないらしいが。


つまり、魔術師としてのランクが低くても、その技術を身に付ければ、身につけても使用する種類を1つに絞れば、魔法力総量の低いⅡ級魔術師でも聖級火魔法を扱えたりもするわけだ。


それでもやはりⅣ級以上との間には越えられない壁があり、聖級の魔法を扱えるⅡ級魔術師とⅣ級の魔術師が戦うと


    Ⅱ級魔術師


    火属性 聖級

    水属性 中級

    氷属性 中級

    風属性 初級

    土属性 未習得

    光属性 未習得

    闇属性 未習得

    防御魔法 中級

    補助魔法 初級

    治癒魔法 初級



    Ⅳ級魔術師


    火属性 聖級

    水属性 聖級

    氷属性 聖級

    風属性 上級

    土属性 上級

    光属性 未習得

    闇属性 未習得

    防御魔法 聖級

    補助魔法 上級

    治癒魔法 上級


といった根本的な違いがあるため勝てないそうだ。

確かに超えられない壁がある。

これに加え、Ⅳ級魔術師などは幾つかの魔法を同時に発動させる複合魔術(聖級魔法を添えて)を扱ってくるらしいので、本当に戦闘力が桁違いらしい。



▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼



ある日、俺は母ラーナにあることをたずねてみた。


「母さん前に世界の歴史と一緒に魔術師の話をしてくれたけど、母さん自身は魔術師なの?」


「ええ、そうよ。

一応はⅢ級の魔術師だからそこそこの魔法は使えるけど、最近は殆ど使っていなかったからうまくいくかわからないわ。」


一応Ⅲ級って・・・それ一応と言っていいのか?

母が魔術師でしかもⅢ級であるということに内心驚きつつも俺は聞いた。


「じゃあ一回魔法を見せてもらっていい?」


「わかったわ、それじゃあ久々に魔法を使ってみるわね。

ついてきて。」


そう言われて俺はラーナの後についていき、庭へと出てきた。


俺が見ているのを確認すると、ラーナは右手を空に向け、空を見上げると何やら呪文を唱えた。


「この世のすべてを凍らす存在、氷剣アイスソード!」


そう言うと突然ラーナの空に向けた右手の手のひらの先に長さが1mほどの氷の棒が現れ、空へと飛んでいった。

おお、凄い。

俺は人生で初めて魔法を見た。

かっこよく、俺の中二心をくすぐった。

俺もやってみたい。

そう思った俺はラーナに聞いた


「母さん、これって僕にも出来ないかな?」


そう聞くとラーナは一瞬迷ったが


「あなたはまだ小さいから出来るかどうかわからないけど、やれるかどうか試してみますか。」


そう笑顔で言われた。



「まず、さっきお母さんがやったみたいに空に向かって右手を上げてみて、それからさっきの魔法を詠唱してみて。」


「さっきの魔法ってどんなのだったっけ?」


「この世のすべてを凍らす存在、氷剣アイスソード!よ。」


うーむ、やってみたいとは言ったものの、実際にやってみるとなると中二病っぽくて恥ずかしい。

別に高校時代に中二病発言をしてクラスの皆から距離を取られたことがトラウマになって言えないというわけではないぞ。

絶対に違うぞ。

多分違うぞ。


しかしものはやってみないとわからない。

そう、ここは異世界なのだ、魔法が使えるのだ、実際に目の前で魔法を見たのだ。

ならば出来るはずだ、高校で中二感あふれるセリフを叫んで皆から引かれた前世とは違うのだ。

だったら何も恥ずかしくはない、そう、やってみないとわからない、だったら俺は言うぞ、大声で叫んでやるぞ!


そう思い、俺は(中二病セリフを)叫ぼうとして右手を空に向け目をつぶり口を開けた。

だが、そこで教室で中二発言をした時に小牧や古川まで引いていた姿を思い出し、あともう少しのところで俺は叫ぶ事ができなかった。


(この世のすべてを凍らす存在、氷剣アイスソード!)


結果、先ほどラーナがやっていた姿と、氷のイメージとして冷蔵庫の製氷皿のことをを思い出しながら俺はそのセリフを心のなかだけで叫ぶこととなる。


右手を突き抜けていく感じたことのない感覚、手のひらから外へと抜け出し、そして飛んでいった。

目を開けてみると、そこには目をパチクリさせて俺の姿をみるラーナの姿があった。

どうやら俺は魔法を使うことに成功したらしい。

でもなんでだ?俺は心のなかでは叫んでみたが、ラーナのように(親友にドン引きされた黒歴史を思い出して)実際に口に出して叫んではいなかったぞ?

俺が色々考えていると


「ね、ねぇアルバ、あなたログナンか誰かに魔術を教わったことある?」


ラーナがそう聞いてきたので俺は首を横に振った。



▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼



こうして俺、アルバ・ハーシュタは3歳の時、ほとんどの魔術師が扱えない無詠唱での魔法発動を初めてにして成功させたのだった。

どうも、天津風です。

なんだか調子に乗って書いていたら魔法についてしか語っていないじゃないか。

歴史についてはなんだかんだで長引くのを防ごうとして説明不足で変な感じになってしまったが。

何がともあれ、頑張って書いていき、何か足りないところがあればその都度説明を入れていこうと思います。

誤字などがあればまたご指摘ください。

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