第2話 状況把握
追記:設定がガバっていた時期に書いた話のために、後の話を書いているうちにズレが生じてきたので一部変更しました。
俺は20歳童貞、本田健也。幼なじみで同級生の小牧一馬、古川雄大と居酒屋に飲みに行って、 帰りがけにチンピラの女性への暴行現場を目撃した。
チンピラを倒し女性を助けたことに喜んでいた俺は、背後から起き上がって来る、拳銃を持ったチンピラに気付かなかった。オレはそのチンピラに撃たれてナイフで刺され、目が覚めたら体が縮んでしまっていた!
・・・と、冗談はこの辺にしよう。
某名探偵風に俺のここまでの人生をまとめて、あらすじにしてみたが、流れがわかっても詳しい話はわからない。
やはり一つずつ纏めるしかないのか。
初めて自分の現在の姿を見てから1ヶ月、俺は大体状況を理解した。
どうやら俺は異世界に転生したようだ。
その根拠は、まず隣で寝ている赤ん坊にケモ耳が付いていることだ。
地球でケモ耳が付いている人がいるなんて聞いたことがない、第一居たらそれはネットで騒ぎになっているはずだ。
それに加え、俺自身も赤ん坊になっている。
俺は本来は20歳童貞の自衛官だったのが突然赤ん坊になるなんてどう考えてもありえない、自然の法則を無視している。
いくらなんでも「目が覚めたら体が縮んでしまっていた!」では済まされない気がする。
そんなことから俺はここが居世界だと判断した。
「------・・・--、・・------・・」
自分の母親と思われる女性が何かを言っている。
しかし、相変わらず何を喋っているのかわからない。
「--・・・---・・・・」
もう一人、話をしている人が居た。
恐らく父親であろう人物だ、しかし、こちらも何を喋っているのかわからない。
俺はなぜか知らないが前世の記憶を引き継いでいる。
だが、この世界に生まれたのだから、やはりこっちの言葉を理解しなければならない。
そのために今は必死に両親と思われる男女の会話を理解しようとしていた。
▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼
そして約半年ほど時間が経った。
半年ほど聞いているうちに徐々に言葉の意味が理解できてきた。
何を話しているのかがわかるようになってきたのだ。
確か前世でも赤ん坊は言葉を聞き流して覚えるという話を聞いたことがあるが、実際に俺は聞き流しながら覚えることが出来た。
くそぅ、こんなことなら意地を張らずにスピード○ーニングをやっていたら英語で散々苦労することはなかったのに。
いや、でもまだわからない単語はある、だからまだ
スピード○ーニング=最強
と決まったわけではない。
ならばこの異世界でそのスピード○ーニングを実践するまでだ!
そう言って俺は更に言葉を理解しようとした。
▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼
更に半年ほど時間が経った。
この頃になるとほぼ会話の内容を理解できるようになった。
マジでスピード○ーニングのおかげです。
赤ん坊になったおかげか、俺の頭が色々な知識をスポンジのように吸い込んでいくのであまり苦労はしなかった。
言葉がわかるようになったので、話を纏めると俺の現状は大体こういうことらしい。
まず、俺が居る場所はハーフェノア領キトカと呼ばれるところらしい。
村の規模、村と言うより町に近い。
村と町のちょうど真ん中ぐらいで、人口は300人ほどの小さな町だ。
そして俺のこの世界での名前は『アルバ』らしい。
母の名前は『ラーナ』、父の名前は『ログナン』ということで、イヌ耳なのかネコ耳なのかわからないが兎に角ケモ耳がある赤ん坊は『ラーニャ』と言うそうだ。
ちなみに父の見た目は、髪が黒くそこそこ筋肉があり、なんというか、《元軍人です。》と言った感じの人だ。
あと背も高くハンサムな見た目である。
金髪の美女と結婚しててもおかしくはない。
羨ましい、羨ましいゾォォォォォ・・・
話を戻す
俺はこの『ハーシュタ』家の子になるらしいが、どうやらラーニャは違うみたいだ。
どうもラーニャは親がわからない孤児のようだ。
俺が生まれて半年ほど経った頃にこの家の近くに捨てられていたらしい。
捨てられた理由はわからないが、両親はこの子をハーシュタ家の一員として育てることにしたそうだ。
つまり、ラーニャは義理の妹になるわけか、マジか、こんな銀髪碧眼ケモ耳の子が妹だとは。
前世において俺は一人っ子であったために兄弟というものを知らない。
なので、友人たちが兄や姉、弟や妹と遊んでいる姿が羨ましかった。
もっとも、当の本人たちは《うるさいだけだよ》とか《別に居なくてもいいよ》などと言っていたが、それは贅沢な悩みというやつだろ。
そう考えるとなんだかこの世界で生きる意欲が湧いてきたぞ、この世界へ転生してきた時は不安だったが、なんとかポジティブに考えることで凌いできた。
それが今度は理由はどうあれ明確に生きる意欲が湧いてきたのだ、マジか異世界最高だな!
前世への心残りが無いといえば嘘だが、今度はその前世での失敗してきたことなどを一からやり直せるのだ。
だったらいっそのこと、《我が生涯に一片の悔い無し》と言って最期を迎えれる人生にしよう、そのためには何事にも全力で当たることにしよう。
前世での自分は理想を語ったのは良いが、実際には人を助けることが出来なかった。
この世界では、そんなことにならないように色々と力を身につけて、今度こそ人を助けれる人間になろう。
それが転生した俺の目標だ。
生きる意欲もあり目標もある、だからこの世界ではその信念を貫く。
そのように俺、本田健也____改め、アルバは決めたのだった。
どうも、天津風です。
キャラの名前考えるのが大変だった。
まだ書き始めてすぐなのでネタ切れを起こさずにここまで来ることが出来ました。
まだ少し一日一話投稿を続けられるかもしれません。
誤字などがあればまたご指摘ください。